JR東日本　24系客車　寝台特急「北斗星」
（B寝台個室「ソロ」「デュエット」・食堂車「グランシャリオ」・ロビーカーなど）
（A寝台個室「ロイヤル」「ツインデラックス」はこちらから）


　

「豪華寝台特急」として生まれ、夜行列車の新たな方向性に先鞭をつけた寝台特急「北斗星」。
折からのバブル景気と青函トンネルブームに乗って、人気列車の頂点へと一気に登り詰めました。

完全新製のオール2階建て寝台列車「カシオペア」の登場によって、王座を明け渡した感はありますが、
今でも個室のチケットは取り難い人気列車であることに変わりはありません。

「JR北海道」と「JR東日本」が各々用意した「北斗星編成」のうち、「JR東日本」所属の「北斗星」を紹介します。





B寝台1人用個室 ソロ
B寝台1人用個室 ソロ



















いまや「富士・はやぶさ」 「あかつき・ なは」 「サンライズ瀬戸・出雲」 「北陸」 「あけぼの」と、
日本全国津々浦々を走る寝台特急に連結されているB寝台一人用個室「ソロ」。
一人旅の旅人に、出張のビジネスマンに愛用されているリーズナブルな個室ですが、その始まりは「北斗星」からでした。

JR東日本編成の「ソロ」は、「ロイヤル」同様に茶系統のカラーコードがベースになっていて、
JR北海道編成に比べると、とても落ち着いた雰囲気になっています。

車両によって若干個室の構造が異なっていて、登場時から活躍している「オロハネ25-501〜503」車両の「ソロ」は、
上段個室に上がる階段を向かい合う2室で共用するもので、このタイプは後発の「北陸」でも採用されています。
このタイプの「ソロ」は上段より下段のほうが居住性に優れている（空間占有面積が下段個室のほうが広い）のですが、
上段個室はカーブガラスが上方向への視界を大きく広げていて、晴れた夜空をプラネタリウムのように眺めることができます。
一方の下段個室では天井が高くなっている部分で、立ち上がって着替えなどをすることができ、
室内で立ち上がることがほぼ不可能な上段個室には無い便利さが感じられるはずです。

もう1タイプの「ソロ」は、後年に増備車として登場した「オロハネ24-501」タイプの個室。
こちらは「富士・はやぶさ」で採用されているタイプで、前述のタイプと大きく違うのは、上段個室内に階段があること。
階段を個室内に抱え込む構造になることによって、上段個室の空間占有面積は大きく広がり、
また、階段部分で立ち上がることができるので、着替えなどがし難いという上段の欠点が克服されています。
下段個室も天井が高くなっていて、より居住性が増しています。

室内設備は、折りたたみ式テーブル、BGM・照明・空調操作パネル、荷物置き場が機能的に配置されています。
なお、個室内に電源コンセントはありません。

開放型のB寝台と同じ料金で利用できることから、この「ソロ」は大変な人気があります。
JR東日本編成の「北斗星3・4号」の「ソロ」は、JR北海道編成の「北斗星1・2号」よりも設定室数が大変少なく、
また人気個室ということもあって、閑散期でも満室ということも珍しくありません。
チケットの確保は早めの手配をお勧めします。







B寝台2人用個室 デュエット
B寝台2人用個室 デュエット









「デュエット」はちょうど「ソロ」を2室繋ぎにしたようなスタイルの2人用B寝台個室です。
「北斗星」では当初、このJR北海道車だけの設定でしたが、のちにJR東日本車にも「デュエット」が登場しました。
北海道車はパステル調のインテリアですが、東日本車はご覧のようにブラウン系のインテリアでシックな印象。

個室内はコンパクトにまとめられていて、寝台幅は70センチ。
ベッドの窓側には背もたれと折りたたみ式のアームレストがあり、向かい合ってソファーとしても機能します。
BGMや空調装置、大きめの荷物収納スペースも整っていて、気の知れた2人で一夜を過ごすには十分な設備。
そしてなんといっても、リーズナブルな料金が魅力で、開放型B寝台の2人分と同じ料金でこの個室が利用できます。

就寝時にはそれぞれのベッドを目隠しする仕切りカーテンも装備しています。
「気心知れた相手だけど、寝顔を見られるのはちょっと・・・」なんて心配も必要ありません。

上段個室は室内に階段を抱え込んだ構成で、この階段でなら室内で立ち上がることが可能。
一方の下段個室は、室内中心の天井が高くなった部分で立ち上がることが可能となっています。

ちなみにこのJR東日本車が充てられる「北斗星3・4号」に比べ、JR北海道車の「北斗星1・2号」は個室の数が多くなっています。
「ソロ」で約3倍（東-12室/北-35室）、「デュエット」ではなんと約6倍（東-7室/北-46室）の数を誇ります。
時間に制約がないなら、チケット購入は「北斗星1・2号」にチャレンジするほうが個室をゲットできる確率が高いです。







B寝台










東日本編成の「北斗星3・4号」では編成の半分が、昔ながらの「開放型B寝台」で占められています。
カーテンやベッドは車両によってローズピンクやブルー系の色調に改められて、ずいぶんと明るい雰囲気になりました。

ベッド幅は70センチ。ベッド周りの設備は折り畳みテーブル・読書灯・小物置きと、昔とほとんど変化なし。
マクラ・毛布・浴衣・ハンガーがベッド上に、窓下のテーブルにはJR北海道の冊子がそれぞれセットされています。

「オハネ25」形式の車両が入る号車の17番区画は対面が壁になっているので、ちょっとした個室のよう。
基本は2〜4号車がこの「オハネ25」になるようですが、編成組み換えなどで変更となる場合もあります。







食堂車・グランシャリオ
食堂車 グランシャリオ


































「北斗星」の名を世間に轟かせたのが、豪華個室「ロイヤル」とこの食堂車「グランシャリオ」の存在ではないでしょうか。
当時のブルートレインの食堂車は、どこか殺風景でメニューの内容も大衆食堂のようだったのですが、
「北斗星」の食堂車では“完全予約制フレンチディナーフルコース”を導入し、ダイニングホールのインテリアも高級路線に。
まさに「走るレストラン」の決定版として、マスコミやメディアがこぞって取り上げ、「北斗星」の存在を印象付けました。

JR東日本編成の「グランシャリオ」はクリスタル調のインテリアとなっています。
JR北海道編成の重厚なアールデコ調インテリアとは対照的で、あっさりした中にもどこか格調の高さを感じるインテリアです。
カットガラスを組み合わせたダイニングライトが照らし出すホールは、旅の気分を大きく盛り上げてくれます。
また、夜と朝ではダイニングホールの印象が全く異なるので、夜と朝のどちらも利用する価値があります。


食堂車「グランシャリオ」の営業は、北斗星3・4号ともに、19：45〜21：05が予約制のディナータイム。
予約不要のパブタイムは、ディナータイム終了後〜23：00までとなっています。
モーニングタイムは、3号が6：30〜10：00頃まで。4号は7：00〜10：00ごろまで。朝食は予約不要です。
（日本レストランエンタープライズの「北斗星食堂車案内」はこちらから→■）


■グランシャリオの歴代メニューをまとめたページはこちらから・・・■







ロビー

















「北斗星3・4号」の6号車には1両丸まるはフリースペースとなっている「ロビーカー」が連結されています
広々とした空間には、Ｌ字ソファーと丸型の回転スツールソファが並び、誰でも自由にここで過ごすことができます。
登場初期には、このロビーカーで「クリスマス・スペシャルライブ」なんかが行われたこともありました。

室内のビデオ放映は、2番組が上野〜札幌間でエンドレスで延々と流されています。
車端部にはそれぞれシャワーブースや電話ボックス・飲み物の自動販売機があります。
自販機は車両によっては設置されていない場合もあるので、ご注意。
（現在、自販機でのアルコール飲料の販売は行われておりません。ビール類は食堂車にて購入できます）

また、食堂車寄りの車端部には販売カウンターの名残でその設備の一部が残っています。
昔は飲み物や軽食、グランシャリオグッズ、シャワーカードがここで販売されていましたが、現在は食堂のレジで購入します。







パブリックシャワー






6号車「ロビーカー」には、パブリック・シャワーブースがあります。
A室とB室の2スペースがあり、利用するにはまず食堂車でシャワーカードを購入して、利用時間の予約が必要です。
利用時間は上野（札幌）発車後から23：30までと、翌朝6：00から札幌（上野）到着の30分前までです。

シャワーカードは1枚310円で、1回の利用で30分の時間が確保できます。
シャワーは6分間の給湯で、途中「一時停止」を使えば、身体と頭を洗って泡を流し、体を暖めるには充分な利用時間です。
（洗髪に時間を掛ける女性には6分は短いかもしれません）
残り時間が1分を切ると、室内に「緊急事態発生！」の如くブザー音が鳴り響き、ちょっとビックリします。
残り時間に余裕があっても、うっかりドアを開けるとそこで残り時間がゼロになり、利用終了になるのでご注意を！

更衣スペースには、脱いだ服を入れる簡単なカゴ（最初ゴミ箱かと思った）とカガミ、ドライヤーがあります。
ドライヤーは風量が大変弱いので、なかなか髪の毛が乾きません。女性は間違いなくドライヤーを持参したほうがよいです。

このシャワー室にはタオルや石鹸などは一切設置されていないので、利用者が自分で用意する必要があります。
もし洗面用具を忘れてしまっても、食堂車でこのようなシャワーセットが売られているので大丈夫。
このシャワーセットは1セット420円。タオルには「北斗星」のロゴ入りで、持ち帰れば旅の記念になりますね。







洗面台/トイレ









洗面台とトイレは、全てキレイにリニューアルの手が加えられていて、洗面台は全てセンサー式の自動給水になっています。
トイレは洋式と和式が半々くらいで設置されています。一部、手摺りを増設したバリアフリー対応の洋式個室もあります。







デッキ





上野行きの上り「北斗星4号」の最後尾デッキからは後展望が楽しめます。
（下り列車では最後尾が電源車のため、後展望は見られません。）



（「ソロ」は乗車時に撮影。その他個室は、車掌さんの許可を得て空室で撮影。）



北斗星〔JR東日本編成〕のA寝台個室「ロイヤル」・「ツインデラックス」はこちらから
北斗星〔JR北海道編成〕のA寝台個室「ロイヤル」・「ツインデラックス」はこちらから
北斗星〔JR北海道編成〕のB寝台個室「ソロ」・「デュエット」・食堂車などはこちらから






座席探訪　トップページへ　 座席探訪　新幹線ページへ　 座席探訪　寝台列車ページへ　 座席探訪　JR北海道ページへ　 座席探訪　JR東日本ページへ　 座席探訪　JR東海ページへ　 座席探訪　JR西日本ページへ　 座席探訪　JR四国ページへ　 座席探訪　JR九州ページへ　 座席探訪　民鉄各社ページへ　 座席探訪　海外の鉄道ページへ　 座席探訪　バスページへ　 座席探訪　エアラインページへ