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1929年 9月 鉄道省が東京−下関間を走る特別急行に愛称を公募。 |
1・2列車に「富士」、3・4列車に「櫻」の愛称を命名。 1935年 7月 「富士」の一等寝台車にシャワー室を設置。 1942年11月 関門トンネル開通に伴い、「富士」の運行区間は東京−長崎に。 1944年 4月 太平洋戦争激化に伴い、「富士」「櫻」は運行中止。 1958年10月 寝台特急「はやぶさ」が東京−鹿児島間で運転開始。 1959年 7月 東京−長崎間の寝台列車「平和」を「さくら」に改称。20系客車で運行開始。 1960年 6月 「はやぶさ」に20系を投入。運行区間を東京−西鹿児島間に変更。 1961年10月 東京−神戸・宇野間の特急に「富士」の愛称が復活(151系にて運行) 1964年10月 東海道新幹線開業に伴い、「富士」の愛称は東京−大分間の寝台特急へ移行。(20系客車) 1965年10月 「富士」の運行区間が東京−西鹿児島(日豊線経由)に。日本最長距離運転列車に。 「さくら」の運行区間が、東京−長崎・佐世保に変更。 1972年 3月 「さくら」の使用車種が14系客車に変更。 1976年10月 「富士」「はやぶさ」の車種を24系25形に変更。A個室寝台車を連結開始(のちのシングルDX) 1980年10月 「富士」の運行区間が東京−宮崎に変更。日本最長距離列車は「はやぶさ」になる。 1984年 7月 「さくら」の長崎編成にB寝台4人用個室「カルテット」連結開始。(〜1997年11月) 1986年 3月 「富士」にB寝台4人用個室「カルテット」連結開始。(〜1986年11月) 1986年11月 「富士」「はやぶさ」にロビーカー連結開始。 1989年 3月 「富士」「はやぶさ」にB寝台1人用個室「ソロ」連結開始。 1990年 3月 「富士」の運行区間が東京−南宮崎に変更。 1993年 3月 「富士」「さくら」「はやぶさ」の食堂車営業終了。売店営業へと移行。 1997年11月 「富士」の運行区間が東京−大分に変更。「はやぶさ」の運行区間が東京−熊本に変更。 両列車とも食堂車が編成離脱。売店営業も同時に終了。 1999年12月 「さくら」の佐世保編成が廃止。 「さくら」の長崎編成は、「はやぶさ」の併結運転開始(東京−鳥栖間) 「さくら」はA寝台と食堂車が編成離脱。B寝台1人用個室「ソロ」が「さくら」に連結される。 2005年 3月 「さくら」廃止。「富士」と「はやぶさ」が併結運転開始。 全車14系客車の編成となり、ロビーカーが編成から離脱。 2009年 3月 「富士」「はやぶさ」廃止。東京発着・大阪発着含めてすべての九州ブルートレインが全廃。 2011年 3月 東北新幹線で新型車両E5系運転開始。最高速300Km/h運転の列車愛称に「はやぶさ」が復活。 九州新幹線全通に伴い、新大阪−鹿児島中央間の直通列車の愛称に「さくら」が復活。 (撮影時期:2001年・2004年) |

A寝台1人用個室「シングルDX」/ A-class sleeper compartment for 1 person "SINGLE DX"
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東海道ブルトレが「華」だった頃、最高峰の寝台として君臨していた「個室寝台」。 多種多様な「個室」が登場する中で、改めて「シングルデラックス」と命名されましたが、もはや「デラックス」とは言い難いですね… 現行のインテリアはJR九州による第2期リニューアルとなります。壁を明るい木目に変えて、室内全体をリフレッシュ。 ソファーベッドのモケットは以前の787系「つばめ」のグリーン車で採用されていたもので、 カーテンは“ソニック883”調のポップな柄。(ちなみに小倉ステーションホテルで同じ柄のものが使われています) 暗く沈んだ感じの第1期リニューアルと比べると、まるで見違えるほどに明るい雰囲気に生まれ変わりました。 ・・・とはいっても、室内設備の基本的な部分は30数年前の登場時からほとんど変わっていません。 テーブルが洗面台になるという、登場当時は「スゴイッ!」と言われた設備も変わぬ姿で稼動中です。 壁に掛けられた、クリアーブラウンのプラ製コップが泣かせます…。 洗面アメニティキットの提供はありませんが、ヘッドマークの刺繍が入ったオリジナルタオルが配布されます。 九州特急ブルトレの「最高峰」クラスを堅持してきた「シングルデラックス」ですが、もはや“時代遅れ”の何モノでもなく、 かといって現代のアメニティレベルに達するような個室車を新造するほど製造費の回収は見込めない・・・。 今の今までこの「シングルデラックス」が生き残ってきた現実が、 減る一方の乗客数を取り戻せない「悪循環」によるものだというのは悲しいものですね。 結局、この古めかしい寝台個室は、最後の九州ブルートレイン「富士」「はやぶさ」の廃止の時まで連結され続けました。 ブルトレブーム頃のの少年たちが「いつかは・・」と夢見た“豪華個室寝台車”は、九州ブルトレ全廃の時まで歴史ある愛称と運命を共にし、消滅しました。 |

B寝台1人用個室「ソロ」/ B-class sleeper compartment for 1 person "SOLO"
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九州ブルトレの1人用B個室「ソロ」は1989年に登場しました。 登場から10年ちょっとですが、改造前の元の客車が20年前のものなので、疲労が隠せません。 モケットは特急「ソニック」のものと同じです。ドアのロックはカギ式。 開放型B寝台と同じ料金の個室なので、利用者の少ない九州ブルトレでも大変人気が高いです。 この「ソロ」は、「はやぶさ」編成と「富士」編成にそれぞれ1両ずつしか連結されていません。 枕元にはコントロールパネルと読書灯が装備されています。 コントロールパネルの文字は非常に小さく、暗い夜間の走行では使いづらそうです。 パネルの一部が埋められてしまっていますが、ここにはオーディオの操作盤がありました。 2階の寝台は、カーブした窓からの眺めが良い(たとえ夜間であっても、夜空がキレイ!)のですが その反面、立ち上がれるスペースがドア付近ギリギリの階段部分に限られます。 1階の寝台はその逆で、眺めは平凡ですが立ちあがれるスペースが広いです。 上段の個室番号は偶数・下段の個室番号は奇数になっています。 JRの発券システムでは上下段の指定が可能なので、ご希望のある方はチケット購入時に窓口で申し出てみてはいかがでしょう。 ちなみに上段はソファーが東京向き、下段はソファーが大分・熊本向きになっています。 |

B寝台 / B-class sleeper
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およそ「寝台列車」のイメージとは連想しにくい、ド派手なモケットのB寝台。 この883系「ソニック」にも使われているポップなモケットは24系25型に使われています。 特急「ソニック」では車内を「楽しく」見せるのに一役買っている柄も、今の東海道ブルトレでは、逆に悲しげに浮いて見えてしまいます。 その後「富士」「はやぶさ」の併結運転に伴い、使用車種は全て14系15型に統一されました。 形式は統一されたものの、編成内には前述の「ソニック」柄のモケットを使った寝台車とこのシックなモケット柄の寝台車が混ざっています。 シックで落ち着いた印象のモケットは787系「ありあけ」編成で使われているものです。 化粧板も木目調の明るいものに張り替えられ、ずいぶんと印象が変わりました。 ちなみに床面はカーペット敷きではなく、柄の入ったリノリウムになっています。 |

ロビーカー / LOBBY SPACE
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「北斗星」のロビーカーも、「トワイライトエクスプレス」のサロン・デュ・ノールも、「カシオペア」のラウンジカーも このファルコンウィングを施した元祖「ロビーカー」が、そもそもの始まりです。 この「ロビーカー」は国鉄時代の改造で、ブルートレインへ乗客を呼び戻そうという施策がまだあった頃の産物。 食堂車から改造されたものと、寝台車から改造されたものの2種類が存在しました。 前者は窓が横長で、後者は窓が正方形だったので、改造元の車両は外から見ると一目瞭然でした。 「はやぶさ」と、編成が共通運用となる「富士」に連結されていました。 登場当時はこうしたフリースペースはまだ珍しく、時刻表にも 「ロビーカーを連結。どなたでもご自由にご利用いただけます」という追加記入がなされていました。 JR化後はJR九州の所属となり、B個室「ソロ」に登場の頃にロビーカーも床やソファーモケットの張り替えが行われました。 モケットや床の市松模様など、全体的に485系レッドエクスプレスの流れを汲んでいます。 ロビースペースの九州寄りにはカウンターがあります。中を覗いてみるといろいろと整えられていますが 残念ながら一度も「バーコーナー」のようなしゃれた使われ方はされなかった模様。 東京寄りのデッキには電話ブース、九州寄りのデッキには自販機コーナーがありました。 長旅の旅人のなぐさみとして、いつも誰でも受け入れてくれた初代「ロビーカー」。 残念ながら「さくら」の廃止と「富士」「はやぶさ」の併結化によって編成から外れ、一足先に廃車の運命を辿りました。 |

洗面台・乗降口・デッキ設備/TOILET・SANITARY SPACE・ENTRANCE・DECK SPACE






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まったく手付かずの登場時のままの洗面台。編成中に何ヶ所もあります。 洗面台とデッキ部分、トイレの扉は、「ソニック」をお手本にしたようなアルミカラーでリニューアル。 デッキは、客室仕切りドアがブルーのパネルに交換されている他は、ほとんど手付かずのまま。 寝台特急特有の「侘しさ」が充満する空間です。 |
