JR東日本 14系 寝台特急「北陸」 JR-EAST Series14 Sleeper Express Train "HOKURIKU"




 1950年11月 上野−大阪間の夜行急行に「北陸」の愛称が誕生。

 1956年11月 「北陸」に寝台車を連結。運転区間を上野−福井間に変更

 1959年 9月 運転区間を上野−金沢間に変更。

 1975年 3月 「北陸」を寝台特急に格上げ。20系にて運行。

 1978年 9月 「北陸」の使用列車を20系から14系客車に変更。

 1989年 3月 A寝台個室「シングルDX」、B寝台個室「ソロ」の連結を開始。
       下り終点金沢にてチェックアウトサービスを開始。

 1990年 3月 B寝台個室「ソロ」を増車。編成の半分が個室車両となる。

 1991年 3月 下り終点金沢でのチェックアウトサービスを終了。

 1999年 3月 利用者の減少に伴い、12両編成から8両編成に減車。

 2010年 3月 寝台特急「北陸」廃止。


 (撮影時期:2006年)





A寝台1人用個室 シングルDX A寝台1人用個室「シングルDX」/ A-class sleeper compartment for 1 person "SINGLE DX"

 
 
   
 
 
 
   
 

「北陸」号の3号車に連結される個室車は1人用A寝台個室「シングルデラックス」。全11室の設定です。
JR化2年目の1988年、まだJR各社が前途洋々の未来へ走り出した頃に登場したこの個室車。
JR東日本ではこの1年前に寝台特急「北斗星」をデビューさせているだけあって、個室内は豪華でキッチリした作り。

ベッドの幅は80cmで「ロイヤル」と同じサイズ。収納式の洗面台、AVモニターによる映画放映と室内BGMサービスを完備。
この個室レイアウトは、のちにJR西日本の「あさかぜ」号「あかつき」号の「シングルDX」へと発展していきます。
テーブルはAVモニタの下から引き出すのですが、大きく広がるテーブルではないので使い勝手は良くありません。
ビジネス利用が多い列車なので、「パソコンを持ち込んで車内で一仕事」なんて利用者も少なくないとは思いますが、
このテーブルではパソコンどころか書類をちょっと置くだけでも無理があります。
ちなみに、コンセントは洗面台の上部(カガミの脇)に、なんと2つ口も用意されています。JR東日本さん、太っ腹!
ほかには、洗面台の脇にスーツのホコリ落しと靴磨き用のブラシと靴べらが装備されています。

この個室の大きな特徴は、ベッドがソファーに早変わりする“変身機能”を備えているという点。
通常「上野」「金沢」発車時点では寝台状態でベッドメイクがなされていますが、
ベッドを壁側へと持ち上げるだけで簡単にソファーになります。
ただ、せっかくの機能ですが「北陸」号は下り上りとも深夜発早朝着の運転なので、
ソファー状態にして室内でのんびり寛ぐほど、時間のゆとりがないのがちょっと残念です。

ドアのロックはカードキー式。「北斗星」同様に持ち帰ることが出来るので、乗車のよい記念になります。
また、この「シングルデラックス」利用者には、歯ブラシやシェーバーなんかがてんこ盛りのアメニティセットがもらえます。
隣の2号車にはシャワー室がありますが、「北陸」のシングルデラックスではシャワーカードの無料配布はありません。
A寝台利用者も車掌さんから購入となります。

個室のベッド(ソファー)は上り向きの部屋と下り向きの2タイプがあり、長岡での方向転換でさらに向きが変わります。
個室番号が奇数の部屋は、下り列車の上野→長岡で正向き・長岡→金沢で逆向き。(上り列車はこの逆)。
個室番号が偶数の部屋は、下り列車の上野→長岡で逆向き・長岡→金沢で正向き。(上り列車はこの逆)







B寝台1人用個室 ソロ B寝台1人用個室「ソロ」/ B-class sleeper compartment for 1 person "SOLO"

 
 
 
 
 

「北陸」号の「ソロ」は、この個室車の前年に登場した「北斗星5・6号」用の「ソロ」がベースとなっています。
上段個室は室内に階段を抱え込まない、上段2室で階段を共有するタイプ。
そのため、室数設定は多めですが室内空間は若干狭めに感じられます。

ベッド幅はスタンダードな70cm。室内BGMシステムを装備し、冷暖房も好みに応じて個別操作が可能。
3つの室内照明も個々にON/OFFが可能で、狭いながらもプライベート空間としては充分。
室内のテーブルは簡単な折りたたみ式ですが、シングルデラックスのテーブルに比べれば使い勝手は良いです。
壁の抜き取り部分には荷物を置く事が出来ますが、大きなキャリーバッグなどの持ち込みは無理があります。
なお、室内にはコンセントがないので携帯電話やパソコンなどの充電はできません。

「北陸」号では、この個室車が投入された1988年3月から前代未聞のサービスが行われていました。
それが「ステイオーバー・チェックアウトサービス」と呼ばれる画期的なサービス。
下り列車の「金沢」着後のみに行われていたもので、「金沢」着が早朝であることから、ビジネスが動き出す時間まで、
基地のある「東金沢」駅へ回送される列車内にそのままステイして寝ていることができるというもの。
車内では車掌さんがモーニングコールをしてくれたり、軽食の販売が行われたりと、まさに「ホテル」感覚。
午前9時まで滞在が可能で、東金沢から金沢までは普通電車に乗って戻ることができたそうです。
残念ながら、思ったほど利用者は定着しなかったようで、1991年6月で取りやめになってしまいました。








B寝台 B寝台 / B-class sleeper

 
 

8両編成中、4両が前述の「シングルデラックス」「ソロ」の個室車ですが、残りの4両は昔ながらの開放型B寝台。
寝台はブラウン系のモケットに張り替えられていて、リファインの手が入っていますが・・・
やはり個室車に比べると古めかしさが漂い、「ソロ」と同料金という点でバリューさが皆無に等しいのが実感です。
室内が狭い「ソロ」に比べるとプライバシー感はないものの、空間の広さからくる開放感ではこちらのほうが上。
また、ベッドが向かい合いになっているので、グループ利用ならこの開放型B寝台のほうが利点がありそうです。

デッキ寄りの壁と向き合いになった「2人用区画」は、1・5・8号車の15番上下寝台に設定されています。
(検査などによる車両の入替があった場合はこの限りではありません。あしからず)







ロビー シャワールーム ロビーコーナー・シャワールーム / LOBBY SPACE・SHOWER ROOM

 
 
 
   
 

2号車にはシャワーコーナーがありますが、そのシャワーコーナーと個室の間に小さなロビースペースがあります。
3〜4人掛けの長ソファーが隙間を埋めるようにドン!と置かれているだけで、
一晩の旅路の気分転換のためのフリースペースというより、シャワーの順番待ちのためのスペースといった風情です。


ロビースペースの隣りには、全乗客が使える「パブリックシャワーブース」が2部屋あります。
車掌さんから1枚310円でシャワーカードを購入すると、1回で6分の給湯時間でシャワーを浴びることができます。
脱衣室にはドライヤー・カガミ・脱衣カゴがあります。ドライヤーは無料ですが、あまり風量が強くありません。

シャワーカードは枚数限定なので、シャワーを使いたい時は早めに車掌さんから購入しておきましょう。
また、タオルやシャンプーなどがセットになったシャワーセットも個数限定で車掌さんから購入できます。







洗面台/トイレ デッキ  洗面台・トイレ・乗降口・デッキスペース/TOILET・SANITARY SPACE・ENTRANCR・DECK SPACE

 
 
 
 
 
     
 

サニタリースペースは、洗面台・トイレ個室ともに改造の手が入ってリファインされたスタイルがほとんどですが、
まだ旧式の古めかしいスタイルを残している車両もあり、編成内で新旧トリドリの“品揃え”となっています。

3号車A寝台個室車のデッキにはドリンクの自販機があります。7号車のデッキには更衣室が1室設置されています。








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