JR東日本 常磐線 E531系



  ■ 普通車 ■
        











        











        
東北・高崎線から湘南新宿ライン〜東海道線の長距離を走り、めまぐるしく首都圏を駆け抜ける近郊型E231系。
そして山手線や常磐快速線を走る大量輸送タイプの通勤型E231系。この2タイプの集大成としてまとめられたのが、常磐線のE531系。
2000年から始まった首都圏でのE231系の投入から6年。随所にその「6年」で培ったものが組み込まれています。

座席はロングシートが基本で、10両基本編成の1・2・9・10号車と、5両付属編成の13・14・15号車がボックス+ロング仕様。
(ただし、一部編成はグリーン車組み込み時の車両入替で、9号車がロングシート車となっています)
東北・高崎・東海道方面のE231系と比べて大きく違うのがシートモケットのカラーリング。
E231系ではブルー基調のクールなインテリアですが、常磐線のE531系ではブラウン基調のウォーミィな雰囲気に様変わり。
モケットの模様も、座面の幾何学模様と背もたれ部のモザイク模様がハッキリ分かり、ちょっとサイケデリックな感じもします。

ボックスピッチは1,500mmで、415系のピッチ改善車の1,490mmから10mm広くなりました。
シート設計はE231系のものをそのまま踏襲し、「固すぎる」と酷評された部分は相変わらずです。
全体のクッション材の厚さをE231系の55mmからE531系では70mmに、15mm厚くしたそうですが、実感としてほとんど変わりません。
ロングシートはまだいい方なのですが、ボックス席のほうは歴代常磐線電車の中で最悪の座り心地です。
ランバー部分の張り出しとエッジがわざとらしく、背中部分にかかるカーブラインとのバランスが悪すぎ。
背もたれのモケット張りとレザーカバー部分の段差も時間が経つと背中に圧迫感と痛さをもたらします。
おそらくは「人間工学的に」ハジキ出された数値で設計開発された構造ではないかと思われますが・・・・
ホントに実車で実距離を人間が腰掛けて試行されてできた座席なのか、かなり不思議な設計。
これで上野→高萩を乗り通せというJRもかなりオニです。

各乗降ドアの上部には、2段表示式の電光情報表示装置。
上には停車駅が漢字→カタカナ→英語の順で切り替え表示され、下段は運行情報や車内マナー呼び掛けがスクロール表示されます。
ちなみに運行情報の内容が更新される時、なぜかJRの現場で流れているのと同じチャイム音が車内にも流れます。

トイレは1号車・10号車・11号車に。車椅子と大型の電動バギーにも対応した大型洋式個室となっていて、大きな開口部が特徴的。
通路に向かってカーブした壁面も印象的。このトイレの対面は車椅子スペースとなっています。
車椅子スペースと運転席直後の立席スペースにはグリップバーが設置されていて、壁面にはヒーターが組み込まれています。







  ■ グリーン車アッパーデッキ:階上席 ■
        












  ■ グリーン車ロアーデッキ:階下席 ■
        












  ■ グリーン車ノーマルデッキ:平屋席 ■
        









  ■ グリーン車ノーマルフロア:トイレ・デッキ ■
        











        
2007年3月、いよいよ常磐線の普通電車(上野−取手間の種別は快速)にも2階建てグリーン車が営業を開始しました。
高崎線や東北線、東海道線に比べると、常磐線では近距離輸送かつ多停車型の特急「フレッシュひたち」が頻繁に走っているし、
なによりラッシュ時の殺人級の混雑は、かの2階建て普通車の存在すらを許さなかったのに・・・
これも「つくばエクスプレス」開業による“混雑緩和”によってなせた業でしょうか。そう考えると微妙な気もします(^_^;

E531系のグリーン車、キャビンの仕様はE231系のそれとほぼ同一の設計・デザインです。
2階席はブルー基調の寒色系でクリーン&クールな印象。一方の1階席と平屋席はローズピンク系で暖かく華やかな印象。
いずれの席もシートピッチは970mm。同一方向へ走るE653系特急「フレッシュひたち」のピッチ910mmより広くなっています。
料金的には、距離によっては特急のほうが安い場合もあり、速さ・占有空間とコストとのせめぎ合い。悩ましいところです。

シートの網ポケット部分にリング状の紐が付いています。
これは傘を持ち込んだ時のストッパーで、E531系グリーン車で初お目見えの装備。
そのほか細かい点では、客室照明はE231系ではグローブカバー式でしたが、E531系ではアルミカバーにドット抜けを施したものに。
階段部分の照明もE231系の白熱灯色から、LED式のホワイトライティングに変更されています。
2階席・1階席の車端部と平屋席の通路ドア上部には電光情報表示板。停車駅や運行情報が随時流れます。
読書灯は1階席のみに設置。眺望の悪さと若干日のあたりが悪いための暗さを考慮しての装備と思われます。

グリーン車の営業開始にあわせ、常磐線でもグリーンアテンダントによる車内販売サービスが始まりました。
座席背面の網ポケットには下敷きタイプの車内販売メニューがセットされています。
車内販売の内容はお菓子やおつまみが主体で、お弁当の販売はありません。(朝夕の一部列車のみ菓子パンの販売アリ)
比較的長丁場の運用が多い常磐線の電車。グリーン車ならお弁当を持ち込んで旅気分が味わえます。
座席背面の折りたたみテーブルもけっこう大きいので、お弁当に飲み物、お菓子を広げても大丈夫!

2階席・1階席・平屋席ともそれぞれに雰囲気が全く異なるので、乗車時にはお好みで。
2階席は目線が高く、曲面窓からの眺めの良さから乗客の一番人気ですが、重心が高い2階建て車ゆえ、横揺れが激しいのが難点。
一方の1階席は揺れも少なく、視覚的にも落ち着きのある空間ですが、2階席や階段を行き来する人の足音がひどく響きます。

平屋席は、目線の高低で車窓の変化を楽しむことは出来ませんが、天井が高くて空間が広々としています。
平屋部分は2列8席、3列12席とコンパクトな空間なので、少人数の団体で乗れば「貸切個室」気分を味わえます。
また、荷物棚があるのも平屋席のみ。荷物が多い時は平屋席がおすすめです。





403 

415 

415-1500 

415-1901 

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E501 

E231 

INDEX 




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