新潟の上沼垂(かみぬったり)電車区に所属する485系電車。 一時期は「白鳥」「雷鳥」「いなほ」などの特急運用を数多く受持ち、日本海縦貫線をひっきりなしに走った同区の485系ですが、 現在では「くびき野」号などの快速運用も一般化してきました。 この上沼垂電車区に揃う485系は、とにかく内装や装備する座席が恐ろしいほどに統一性がありません。 あまりのバリエーションの多さに、シートウォッチャーにとって“歓喜”と“憎悪”の「新カヌ485」… その混乱ぶりをどうぞご覧下さい。 |
こちらは内外装ともに大幅リニューアルが施された「485系3000番台」のグリーン室です。 画像の半室仕様のものは「いなほ」「北越」で使われる6両編成のもので、「はくたか」運用に入る編成とは異なります。 座席自体は「255系房総ビュー」のグリーン席とよく似たフォルムで、おそらく同一型式ではないかと思われます。 ただし、こちらのシートは背面収納テーブルのみを装備しており、インアームテーブルはありません。 「偏心回転機構」を備えているので、座席回転時に座席本体が通路側に向かって若干せり出すようになっています。 |
こちらはカヌ車の多種多様なシート群の中でも少数派のシート。 いろいろと文献やwebで探ってみましたが、どうやら他形式では採用例がない、試作的要素の高いシートのようです。 一見してバックレストの背が高いのが特徴的。さらにフットレストではなく、レッグレストを装備しています。 このレッグレストですが、E4系新幹線Maxのグリーン車に採用されているものとシルエットがよく似ています。 ただ、こちらとE4系ではメーカーが違うのでこの座席での結果がE4系へフィードバックされたというわけではなさそうです。 ちなみにこの座席を採取した車両は「クロハ481-1009」。 新潟駅で、頻繁に出入りする485系を見ている限り、この車両以外ではこの座席を装備した車両は無いようです。 「クロハ481-1009」は平成8年に秋田から新潟に転属してきた車両なので、その頃にこの座席へ換装されたものと思われます。 |
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左3枚の画像は、「青函トンネル」フィーバーに沸いた時代に「青森運転所」所属の485系に装備された座席。 この座席を標準装備としたのは「はつかり」運用が主流だったクロハ481-1010〜1027。 テーブルは背面のほかにインアーム式も装備。 登場当時はセンターアームレストにAVコントロールパネルが付いていて、音楽サービスが行われていました。 現在はAVシステムは撤去され、パネル跡も無粋な金属カバーが被せられています。 フットレストは折り畳み式で、引き出すとモケットの張られた「土足禁止」面が展開されます。 このフットレスト、上下の高さ設定はできません。 右4枚の画像は、「はつかり」用のクロハ481-1028、-1029、-1030の3両に装備されたタイプです。 485系標準グリーン席の「R27」からソデ体部分の外付けテーブルを廃して、背面テーブルを装備した「R27改」。 フットレストは土足面と土足禁止面の2面。上下の高さ設定も可能です。 ちなみにこの車両は「クロハ481-1029」 |
リニューアル「はつかり」の登場以降、すっかりお馴染みになった485系3000番台の普通車シートです。 座面スライドとリクライニングを組み合わせた、いわゆる「JR東日本特急車 新・標準仕様」。 天井廻りもFRPパネルがセットされ、かなりスッキリとしているあたりが「まるで新車?」効果をさらに盛り上げています。 (これらの画像は一部を除き、クハ481-3506で採取) |
一見、485系3000番台の車内のようですが… 実は座席だけ3000番台のものに換装したリニューアル車です。 よ〜く見ると、天井や窓周り・側面の化粧板がまだまだ「国鉄型485系」を主張しているのが手に取るように分かります。 荷棚もFRP製の3000番台のものと同じ仕様のものに交換されています。 (これらの画像はモハ484-1085で採取) |
こちらは485系のアコモデーション改装ではおなじみの、R55系列フリーストップ・リクライニングシート。 上沼垂区でも大半の編成でこのシートを装備していましたが、座面スライドシートへと交換されつつあります。 シートピッチが910mmから970mmに拡大されていますが、窓の柱に当たる座席が何区画かあります。 勝田区から転属してきた485系には、「ひたち」仕様のモケットを纏ったR55-C型シートが活躍していました。 |
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「デラックス仕様車」としてデビューした時のままのオリジナルモケットを纏っているシートです。 こちらのモケットもまったりと張り替えが進んでいるようで、かなり少数派になってきているようです。 (リネンの掛かっていない座席の画像は、快速くびき野号:クハ481-1507にて撮影) |
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このあたりから上沼垂の485系の座席バリエーションは泥沼の様相を呈し始めます。 こちらはR55-Cの派生バージョンRS391型シートです。パッと見てもR55と見分けがつかないのですが… ソデ体の形状が(無意味に)変わっているのと、座面のクッション材がR55より厚くなっています。 そして最大の特徴は、背面テーブルを引き出すと広告スペースが現れます。(画像無くてスイマセン) そしてなぜか「ベビーシート」なるものを装備した車両も存在します。 このベビーシート(ベビーベッド?)にあたる区画は、「特殊区画席」という意思表示なのかリネンが後方にめくれています。 (これらの画像はクハ481-1029で撮影) |
RS391型シートは、ごく一部のみで搭載された座席なのですが、なぜかRS391の派生バージョンまでが存在します。 主に青森区485系の特急「はつかり」指定席でその存在をアピールしていました。 そして、この「RS391 謎のバージョン2」は上沼垂でもしっかりと居着いてました。 ご覧頂いて違和感を覚えていただければ幸いです。バックレストのこのブ厚さはなんなのでしょう? (画像はモハ484-1061で撮影) |
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こちらは「簡易リクライニングシート」R51系列のR51-BNに改良を加えたシートです。 座席のバケット化、リクライニングにストッパー機構を追加、ソデ体に折り畳みテーブルを装備。 ちなみに「うすぼけた茶色だか緑色だか区別のつかない」モケットは秋田から流れてきた座席。 ブルーベースのモケットは「はつかり」で活躍の後、青森から流れてきた座席です。 (茶系シートの3枚の画像はクハ481-352で撮影) 右4枚の画像は、同じくR51-BN改のモケットを3000番台風にアレンジして張替えたリフレッシュバージョン。 (画像はモハ485-1082で撮影) |
上沼垂には、R51系列の改良型としてこんなシートまでいます。R51-BNになんと背面テーブルを取りつけちゃいました! テーブルを展開させた背面を見ていると、見ているだけで「苦心の作」なのがうかがえるようです。 テーブルの足があまりに短く設定せざるをえなかったようで、網ポケットが元の場所に収まらなくなってしまいました。 そのため下部の金属カバー部にポケットを移設。このポケットの位置が、妙に重心が低く感じられる所以かもしれません。 |
客室の座席と同じくらいにバリエーションの多いサニタリーまわりのインテリア。 ここに出している画像は全バリエーションのほんの一部で、まだまだ様々に手を加えられたものが存在します。 車掌室(運転室)にある方向幕の対照早見板。 一時期に比べるとかなり空欄が多くなっていますが、それでも様々な愛称が含まれています。 |