JR東日本 485系  夜行快速ムーンライトえちご/快速フェアーウェイ

  

深夜に新宿を発ち、新潟へと向かう「ムーンライトえちご」と、早朝に同じく新宿を発ち、東北線を北上する「フェアーウェイ」。
どちらも18キッパーには馴染みの深い・・・・というより、より遠くへ足を伸ばすには無くてはならない存在でしょう。
かつては165系急行型電車が使われていましたが、165系の老朽化に伴って特急型の485系が使われるようになりました。








グリーン車










新宿方1号車の半室は「グリーン席」になっています。
この電車は、かつて「はつかり」で活躍していたもので、流転の果てに新潟・上沼垂へと行き着き現在に至るわけですが、
座席そのものはR27型を「はつかり仕様」に改造したものを搭載し続けています。

シートピッチは1,210mmで、特急グリーン席の標準ピッチ1,160mmよりも若干広め。
リクライニングはフリーストップではなく、5段階の角度でストッパーが効くようになっています。
アームレスト上面の銀色のパネルは、かつて灰皿があった部分を穴埋めしたもの。現在は全席禁煙となっています。
テーブルは背面収納型を装備し、R27型特有の肘掛収納の折り畳みテーブルは「はつかり」時代に撤去されています。

リクライニングを最大で倒すとかなり深くまで倒れ、「夜行座席快速」という割切りで一晩移動するには充分なアコモ。
座面はスプリングがキツいようで、電車が揺れるたびにギシギシと音を立ててバネ反動で体まで揺さぶられます。
1番列と運転席仕切り壁の間には中途半端な高さのパーテーションがあり、ここには大きな荷物を置くことが出来そうです。


新宿〜新潟間での普通グリーン料金は1,900円。一晩を快適に過ごそうというには、かなり安い「お買い得商品」と言えそうです。
もっとも、その快適性は鉄道ファン以外の一般利用者にも広く知れ渡っており、こと繁忙期のグリーン席確保は至難の業。
ちなみに、青春18切符ではグリーン料金を追加しても利用できません。別途乗車券も必要となります。
また首都圏エリアのみの利用でも、指定席となることから「首都圏グリーン料金」は適応外となります。








普通車・指定席









1号車〜5号車は、この青いモケットを纏った普通車です。
座席はこの車両と同じ上沼垂区所属の485系3000番台と同じ、座面がスライドするタイプの座席を装備しています。
リクライニング角度も昼行特急と同等で、夜行列車用にリクライニング角度が大きくなっていたりはしません。
シートピッチは、485系の標準ピッチ910mm。窓割りの不一致は無く、座席と窓の位置はキレイに揃っています。

リクライニングにしろ、シートピッチにしろ、「快速」という種別で乗れるのだからあまり文句は言えないでしょうが、
以前の165系時代は、普通車の座席でも特急グリーン席からのお下がりを搭載していたわけですから、
古くからこの列車を知っている利用者にとっては、今の485系はやはり「グレードダウン」に感じてしまいます。

夜行列車で乗るなら、なるべくなら少しでも環境の良い座席でゆっくりしたいですよね。
このムーンライト編成のデッキ仕切りドアは、出入り台側が自動ドア、連結面側が手動ドアとなっています。
各号車のドア寄りの席は以下をご参照。座席位置の変更ができるなら、この席とその近くは避けたほうが無難かもしれません。

★1号車・・・・・・・・・5番列(グリーン席仕切りドア寄り)/13番列(出入りデッキ寄り)
★2号車・4号車・・・1番列(連結面側ドア寄り)/16番列(出入りデッキ寄り)
★3号車・5号車・・・1番列(連結面側ドア寄り)/18番列(出入りデッキ寄り)

また、2・3・4・5号車はいずれもモーター車で、深夜の上越国境のトンネル通過時は特にモーター音が響きます。
となると、1号車か6号車のチョイスが最善となるわけですが、1号車は半室がグリーン席のため普通席が9列のみ。
かたや6号車は女性専用席(レディースカー)のため、女性以外の乗客が指定することはできません。
「ムーンライトえちご」では飲み物や冷房対策の上着(夏場)のほか、耳栓があると一晩をより快適に過ごせるかもしれません。

ちなみに「ムーンライトえちご」では、グリーン席・普通席とも夜間は客室照明が落ちる「減灯」が行われます。
おおよそ、下りでは大宮発車後の車内改札終了後から新津到着直前まで、
上りでは、長岡発車後の車内改札終了後から大宮到着直前までが減灯時間となります。












6号車だけは、ご覧のようにピンク色のモケットが張られた座席が並んでいます。
これは「ムーンライトえちご」と新潟地区のホームライナー「らくらくトレイン」では女性専用席として使われるためです。
座席やピッチなど客室環境は、他の号車の普通席と同じですが、モーター車ではない分だけ静寂性に若干優れているようです。

1番列席は出入りデッキ寄りとなり、最後尾16番列席は運転席仕切り壁寄りとなります。

ちなみに、東北線の快速「フェアーウェイ」号として走る時は一般開放席となり、女性でなくても乗車できます。
(画像も全て「フェアーウェイ」号乗車時に撮影しています)







サニタリーコーナー








485系なので、全ての号車のデッキに洗面台とトイレが設置されています。
トイレは、グリーン席のある1号車のみ洋式個室、他の号車はレディースカーも含めて全て和式個室となっています。
洗面台脇には姿見鏡が設置されていますが、レディースカーのものはサイズがより大きなものとなっています。
また、トイレの壁面上部には、非常時のSOS発信灯なのか、赤いカバーが付けられたランプが設置されています。







そのほかのデッキ設備










この「ムーンライトえちご」編成には、飲み物の自動販売機や電話の設備はありません。
ダイヤ通りの定刻運転時には、下りは高崎駅で約20分、上りは新津駅で約15分・長岡駅で約20分の停車時間があります。
車内には自販機がありませんが、いずれの駅もホームには飲料の自販機があるので、この停車時間で飲み物の確保が可能です。














165系時代の「ムーンライトえちご」号です。
全車普通車で、サロ165やサロ481の廃車両から下ろされたグリーン座席がリファインされて搭載されていました。
リクライニング量もグリーン席時代のままの大傾斜で、車両によってはフットレストもついていました。
さらに荷物棚は651系タイプのFRP製のものに交換され、読書灯まで装備していました。

1両丸ごとのレディースカーは無く、車内の半分が女性専用席(イエローのヘッドカバーの区画)が設置されていました。






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