ゆったりとしたスピードで上野から走ってきた「北斗星」号。 大宮駅を発車すると、まるで「ここまではホンの助走さ」と言わんばかりにスピードも上がり、 闇夜への疾走を開始します。 車窓に流れていくネオンや街明かりを眺めていると・・・「食堂車・グランシャリオの準備が整いました」と車内放送が流れ、17:30からの初回ディナータイムの開始が 告げられました。 |
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今回は思い切って、グランシャリオでのディナーも予約してみました。 「北斗星」1号の1回目のディナータイムは、ちょうど宇都宮線の近郊都市や住宅地を駆け抜ける時間帯。 「食事しながら流れていく街の夜景が楽しめるかな?」と思い、17:30からの1回目の時間を選びました。 さっそく食堂車へ行ってみると・・・・赤いランプシェードに木目調の壁面、間接照明が映える「大人の社交場」のような 雰囲気です。この時のディナーメニュー体験で乗車(?)したのはJR東日本の食堂車。かたやこちらはJR北海道の食堂車。 同じ「北斗星」でも、双方かなり雰囲気が異なるので、好みがはっきりと分かれそうですね。 |
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ホールを見回してみると、ディナーの準備がされたテーブルはたったの2卓だけ。しかもまだ誰も来ていませんでした。 準備された2卓のテーブルのうち、私が案内されたのは1人分のテーブルウェアが用意されたテーブル。 |
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席に着いて食事の給仕がされるまで、メニューを手に取り今日のコース内容を拝見。 表紙には「この旅が、あなたに特別な何かをもたらしますように」と、気の効いたさりげない表記。 今日これから提供されるコースの内容は・・・・ 「雲丹風味のクレープ包み 海の幸サラダ仕立て」 「真鯛とアスパラのクリームスープ」 「牛フィレ肉ソテー 野菜のメロディ 赤ワインソース」 「ココナッツミルクのスープ仕立て 小豆のアイスクリーム添え」 「胚芽パンと食後のコーヒー(または紅茶)」 |
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栗橋・古河・小山・・・・と列車は次々に駅を通過してひた走ります。 その間、テーブルに運ばれて来る数々の料理。至福のひとときに舌鼓を打ち、列車はいつしか宇都宮。 |
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デザートと食後の紅茶が運ばれてきてディナータイムもいよいよ佳境に。 結局1回目のディナーは私以外の利用者はなく、なんと 「北斗星食堂車グランシャリオ 貸切ディナー」を体験してしまいました。 もう1卓の準備されたテーブルには2人分のセットが。2回目のディナーはこのテーブルに着いたカップルの貸切なのでしょうね。 |
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食堂車「グランシャリオ」でのひととき、まるで夢のような夕餉でした。 このままロイヤルルームに戻ろうかと思いましたが、まだまだ札幌までの道のりは長く、夜はこれから。 ぐるっと編成を見てまわることにしました。 食堂車のとなりにはコンパクトなロビースペース。パブリックシャワーや電話コーナーもあります。 |
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デッキの乗降ドアには「指つめ注意!」のステッカー。 JR北海道のマスコット「モジャくん」が指を大きく腫らして注意を促しています。 (どうでもいいんですが、JR発足直後からのマスコットで生き残っているのって、この「モジャくん」だけじゃなかろうか・・・ 九州の「風の子」や京葉線の「マリンちゃん」はドコ行った?) |
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「北斗星」1・2号を担当するJR北海道では、「北斗星」編成の個室化を熱心に進めていた時期があり、 両端の車両以外は全て個室寝台になっています。 画像は一人用の個室「ソロ」。コンパクトな空間にけっこう充実した設備が整っています。 この日の「北斗星」1号では、「ソロ」は満室に近いくらいの利用率を誇っているようでした。 1人旅で北海道へ向かう人が多いことをうかがわせますね。 「ぐるり北海道フリーきっぷ」ではこの個室が追加料金無しで予約できます。 |
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こちらは2人用の個室「デュエット」。「ソロ」に準じた設備のコンパクトなツインルームです。 この日の様子では、この「デュエット」はかなり空室が見受けられました。 各車両を見てまわって気が付いたのですが、空室の個室はなぜかドアが全開になっていて、 まるで「こんな個室もあるんですよ〜」と見せてくれているようでした。 (まぁ、車掌さんが見回る際に「ドアが閉まっている=利用者がいる」と確認しやすくするためのものだと思いますが) |
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「そういえば10号車のロイヤル・デュエット車って、アレがあったっけな〜」とおぼろげな記憶を辿りながら、 自室に戻る途中で確認してみることにしました。 たしかにアレがあった形跡はありました。丸く残った跡とアレを留めていた2本のビスの穴。 いったい、どこに姿を消したんだ!? 「ローレル賞」受賞プレート! |
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順調に北上を続け、快走する「北斗星」。黒磯を過ぎると車窓に見える街明かりも、すれ違う列車の数もぐっと減り、 列車はいよいよ東北へと足を踏み入れていきます。 |
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ここらで「風呂」にするとしますか。 「ロイヤル」の魅力は、その広い占有面積(もちろん制限の大きい鉄道車両にあっての「広い」という表現)も さることながら、いつでも自由に使えるプライベートシャワーが室内に設置されている点です。 このシャワー、ロビーカーなどにある共用シャワーの「6分」に比べて、「10分」という長い利用時間に設定されていますが・・・・ 実はシャワーブースの入り口にある「シャワー利用ボタン」を押すと、何度でもタイムカウントを「10分」に戻すことができます。 つまりロイヤルルーム用の給湯タンクのお湯が尽きるまで、10分利用を何度でも繰り返すことができるというわけです。 どこまで使えるものか?と、体を張って試してみました。結果、札幌までに5回(つまり50分)シャワーを使いましたが 問題なく熱々のお湯を浴びることができました(笑) |
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シャワーブースにある戸棚には、アメニティポーチが用意されています。 ポーチの中には洗面用具がギッシリ! シャンプーに石鹸、髭剃りにハブラシと遠慮なく使ってきました。 もちろん、「北斗星」のワンポイントが入ったポーチは記念にお持ち帰りさせてもらいました |
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シャワーの話のついでにこちらも話題に上げておきましょう。 完全無欠の設備を誇る「ロイヤル」のようですが、実はとんでもなく使い勝手の悪い点があります。 それが現代人の必需設備(?)である「電源コンセント」がシャワーブース内の収納式シンクの奥深く、1ヶ所にしかないという点。 室内のテーブルでパソコンを使おうとすると、おそらく電源コードの長さギリギリ。「ベッドに寝っ転がって・・・」なんて場合は 確実にコードが届きません。 もちろん充電しながらシャワーを使うことは不可能で(シャワーのドアを閉めないとシャワーが作動しない)、この点ばかりは ちょっと困ってしまいました。 |
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さてさて、24系改造客車での「シャワー」というと「“あさかぜ”の悪夢」がトラウマの私ですが・・・ さすがに「ロイヤル」ではあのようなことなはく、たっぷり熱々の給湯量でシャワーを浴びることができ、気分爽快! 風呂あがりには、ウェルカムドリンクサービスで貰ったお茶をキンキンに冷やして、キューッと一杯! |