【寝台特急】北斗星1号 上野 16:50 → 札幌 9:18

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20:30頃、車内放送にて食堂車のパブタイム開始が告げられました。

さきほどのコース料理で食欲は満たされていたのですが、北斗星のパブタイムは軽食類が充実していると 聞いていたので、再び食堂車「グランシャリオ」へ行ってみることにしました。


予約無しで利用できるパブタイム。誰でも気軽に食堂車での食事が楽しめる時間なので、さぞ混んでいるだろうと 思ったら、さほどでもなくて拍子抜けでした。
食堂車入口ドアに近い2人掛けテーブルに着席し、メニューを手にとってオーダー。

オーダーしたものを待っている間に列車は速度を落とし、杜の都「仙台」駅に到着しました。
東北地方最大の都市なだけに、ホームではまだ多くの人が帰りの電車を待っていました。 そこからこちらを見る視線がこれまたこそばゆい・・・・!


オーダーしたのは「今日のケーキと紅茶のセット」。

今日の北斗星1号に積み込まれていたケーキは「あんずのパイケーキ」でした。 甘酸っぱさが効いているアンズの味もさることながら、パイ生地がしっかりしているのには感心、感心!
アイスクリームを添えてスペシャリティを出しているのも、「北斗星」がまだやっつけ仕事をされるような 存在には成り果てていないことが窺えるようでした。

ちなみにケーキとアイスのディッシュに紅茶がついたこのセットは700円。車内料金にしては良心的です。


食堂車から部屋に戻って、就寝まで液晶テレビでムービープログラムを見ていました。

流れていたのは「約三十の嘘」という、椎名桔平と中谷美紀が主演のコメディタッチ(?)サスペンス。
  「北斗星」と双璧を成す、JR西日本の「トワイライトエクスプレス」が舞台になっていて、 そこで繰り広げられる詐欺師同士の化かし合いストーリー。 個室内のシーンは完全に「撮影用の舞台セット」と分かるのですが、サロンカーや食堂車のシーンは 走行中の実車が使われていて、かなりリアリティがあります。

ストーリー中に何度も「トワイライトエクスプレス」の走行シーンが出てきて、 「トワイライトエクスプレス」の映画を「北斗星」に乗りながら見るのは、なんだかヘンな感じでした(笑)


映画を見終わったところで眠くなってきたので、今日はもう寝ることにしました。

室内にある「インフォメーション・ファイル」には「ベッドメイクは乗務員が行います。お気軽にお申し付け下さい」と書いてありましたが、 別に難しい技術を要するわけでもないので、自分で全部やっちゃいました。  で、出来上がった「ベッド」がこれです。ロイヤルのベッドは、ベッド下から補助ベッドを出して「セミダブルサイズ」にすることができるのですが、 イマイチこの補助ベッドの扱いが分からなかったので、引き出して使うのはやめておきました。

「ナイトテーブル」がなくてちょっと不便だったので、ゴミ箱に肘掛けを載せてお手製「ナイトテーブル」に(笑)


闇夜に甲高い雄叫びを咆哮させる機関車。

そしてそれに引っ張られる青い客車はジョイント音を高らかに謡い上げ、 時に大きく揺れながら漆黒の世界を疾走していきます。

夜から逃げ、朝を追いかけるように、星も見えない空の下を「北斗星」は走る・・・・・








ガゴン!と大きく揺さぶられる振動で目が覚めました。

窓から外を見てみると、そこは「青森」。
向かいのホームには、これから上野へと向かう「北斗星」4号の姿がありました。


ここ「青森」から津軽海峡線に入り、「青函トンネル」を抜けていく「北斗星」。
先頭に立つ機関車も、東北の騎士「EF81」から青函の主「ED79」へとバトンタッチ。 「機関車連結の様子が見られるかな〜?」と、ひょこひょこ最後尾(というか最前部?)へ行ってみると、 もう早々にED79型機関車は据え付けられたあとでした。

丸い北斗星マークを照らし出すのは、客車側の四角い北斗星マーク。


青森を出た後、またすぐベッドにもぐって寝付いたのですが・・・やはりここで目が覚めてしまいました。
「シャーッ!」と耳をつんざくような激しい走行音。 分かってはいるのですが、ついついカーテンを開け、湿気で窓が曇って水飛沫が流れていく様子を確認してしまいます。


「北斗星」1号、午前2時55分「青函トンネル」突入。


今度は激しい横揺れで目が覚めました。
真っ暗な車窓にわずかに灯る明かりを頼りに目を凝らすと、 列車はゆるゆるといくつものポイントを渡り、「函館」駅に入線していくところでした。

ここ「函館」駅では20分ほどの停車。客扱い停車なので乗降ドアが開きます。
「北海道上陸!」を踏みしめるために、ホームに降り立ってみました。外の空気は一瞬で目を覚まさせるほどの冷たさ!


向かいのホームには、先行して上野駅を発車していった「カシオペア」の姿がありました。

機関車交換も終え、これから北の大地へと踏み出していく準備は万端のようです。


こちら「北斗星」1号も、青函の主「ED79」から北国の覇者「DD51」へ、機関車交換が粛々と進められます。


青い客車群の先頭に据え付けられたのは、無骨なスタイルのDD51型ディーゼル機関車。
「北斗星」を引っ張る機関車の中で、このDD51型が文句なく一番カッコよく、また「北斗星」の青い客車にマッチしていると思います。

「ドルドルドルドル・・・」と低いアイドル音を立てて、遥か前方を見据えるDD51型。
停まって出発の時をスタンバイしている姿もパワフルです!


DD51型機関車のわずかなスペースには、北の一番星を誇示するかのような「星の紋章」

そして差された「重」の札が、重連2艘立てでこの仕業へと挑む激しさを物語っています。


函館駅で仲良く並んだ「カシオペア」と「北斗星」1号。
まずは「カシオペア」が先陣を切って雪の大地へと踏み出していきます。

「カシオペア」を牽引する重連のDD51型からは煙が激しく吐き出され、 遠めにまるで重連の蒸気機関車に牽かれていくような錯覚すら覚えます。


「カシオペア」が出て行くと、さらに静けさが増す深夜の「函館駅」。

「北斗星」1号は、ここ函館駅から「札幌行き特急」として立席乗車が認められていますが、 今日は函館から乗り込む人はいないようでした。

深い眠りの世界にあって、煌々と生気の明かりを灯し続けるのは「グランシャリオ」。
ここだけは不思議な艶やかさが充満しています。





      








-SONIC RAIL GARDEN-

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