さようなら 僕らの青い流星群
ブルートレイン「あさかぜ」に乗ってきました
の続き


【寝台特急】あさかぜ 下関 16:50 → 東京 07:33

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車窓は雪がちらついたまま、夕方から夜へ。
このくらいの時間帯になると、窓ガラスに自分の姿や車内が映りこんで外の景色が見えにくくなってきますが、 ここは個室の設備を活かさなければ!
コントロールパネルで室内の照明を最小限まで落として、夜の街明かりが徐々に増えてゆく景色を眺めていました。

今日の個室は台車の直上。個室内には軽快なジョイント音だけが響いている。
人々の話し声、笑い声、息遣い、遠慮のない空調音も聞こえない。他にはなんの音もない。
喧騒から隔離された、自分という存在しかない部屋の中で、流れては遠ざかる景色だけを ボーッと見ていました。


これから始まる夜はまだまだ長い。
晩ご飯のお弁当を開けてしまうと、この長い夜にする数少ないコトがひとつ なくなってしまうようで、なんとなく手を付けるのが躊躇われていたのですが、 食事にすることにしました。

下関駅ホームの売店で買っておいた駅弁は「ふく寿司」。
下関名物の「ふく」(下関では「ふぐ」ではなく「ふく」と呼ぶんだそうです)のちらし寿司です。


駅弁を食べながら、ビデオサービスの映画をつけてみました。
小さな画面に流れ出したのはアメリカのアクション映画。「・・・・・う〜ん、ちょっと今日の旅の気分とは イメージが違うなぁ」と結局すぐにスイッチを消してしまいました。

明日2月1日発車分からのビデオプログラムは 「世界の中心で、愛を叫ぶ」になっていました。
どうせならそっちのほうがよかったなあ・・。


窓際にある小さな折り畳みデスク。ここに持ってきたiBookを広げてデジカメ画像の整理をすることにしました。

ほんとに小さなデスクですが、12インチのノートパソコンを載せて若干余裕がありますから、 個室内で書類の整理や簡単な書き物程度なら問題なくできそうです。

パソコンを使う時、デスク回りに電源コンセントがあると助かるのですが、この個室内では収納式洗面台の上に1ヶ所あるだけ。
まだノートパソコンを持ち歩くという時代ではなかった頃の産物ですからね。


すっかり夜の帳がおりた「岩国駅」。
奥に停まっているのは広島方面へ向かう普通電車ですが、 こちら側のホームを向いて列車を待っている人の姿が、窓を通して数人見えたので、まだこのあたりでも 立席特急券利用での乗車があるようです。

次の「宮島口」駅では、「あさかぜ」から降りていく人の姿が窓から見えました。


広島駅に到着。ここでは2分間停車です。
下関駅で機関車の先頭の画像が撮れなかったので、ここでホームに出て数カット撮っておきました。

広島駅では機関車の運転士さんが交代のようで、そのための2分停車なのですね。 向かいのホームではバルブ撮影をしているファンの姿がちらほらと見えました。

立席特急券での乗車扱いはここ広島駅で終了。
いよいよ「あさかぜ」は名実ともに「寝台専用特別急行」となって、夜への疾走が始まります!


今日のA個室は下関から満室のようでしたが、一般のB寝台はどうなのかというと・・・・ これがビックリするくらいにガラガラ! することもなくヒマだったので、立席利用が終わった広島駅発車後に9号車から1号車まで全部を見廻ってみましたが、 7号車に数人が乗っている以外はあとは全部の寝台がカラッポ! お名残乗車とおぼしき人の姿もなく、 おそらくこれが普段からの「あさかぜ」号の姿なのでしょうね。

毎日がこんな状況では、さすがに鉄道会社側だって利益率を考えて「廃止」を選択せざるを得ないでしょう。  終焉間際でこんな惨憺たる目の当たりにしてしまったことに少なからずショックでした・・・。

こちらからB寝台の車内の様子を撮影した動画が見られます。
(AVI形式/約1分/約10MB/音声なし/2005.01.31)


ラウンジカーからも人影が消えていました。
立席利用での乗車扱いも終わって、B寝台もガラガラ・・・ではラウンジカーに人が集まるわけもありませんね。

ラウンジカーの一端にはビュッフェカウンターがあって、中には電子レンジや冷蔵庫なんかが搭載されていましたが、 ご覧のとおり、無粋なアコーディオン式のシャッターがカウンターを塞いでいます。
登場以来この設備は使われたことが無いようで、せっかくいろいろな機器を積んでいるのにもったいないですね。

こちらからラウンジカーの車内の様子を撮影した動画が見られます。
(AVI形式/45秒/約7MB/音声なし/2005.01.31)


時折、重い客車を引っ張る機関車が「ピーーーーッ」と甲高いホイッスルを咆哮させ、 「あさかぜ」は闇の中を疾走し続けます。

この部屋の真下にある車輪が、時に激しく、時に苦しそうな音を立てて回転する“息遣い”を すぐそこに感じられました。

21時04分に三原駅を発車して、今日の「おやすみ放送」が流れました。


A個室車両の一端には個室利用者専用の「シャワールーム」があります。
個室内のコントロールパネルにはこのシャワールームの「使用中/空き」を表示するランプがあって、 わざわざシャワールームまで行って無駄足を踏むようなことの無いような配慮がなされています。

「そろそろシャワーへ・・」と思ってふとこのランプを見るとランプが点灯中で、どうやら「使用中」のよう。 10分ほど室内でミュージックサービスを聴きながら待っているとランプが消えたので、さっそくシャワールームへ。

シャワールームは、広さや6分間という利用時間が行きに乗った「サンライズエクスプレス」と変わらないのですが、 暖かいお湯が出てくるまで1分強かかりました。しかも温水の温度調節が「冷水」「ぬるい」「超熱い!」の3段階しか変わらず、 結局「超熱い!」お湯が出てくるシャワーヘッドを頭の高さよりずっとも上に持ち上げて、ヘッド部分をこまめに振りながら 熱湯を冷ましながら(気休めなような気もしますが・・)シャワーを浴びました。


拷問のような(笑)熱湯シャワーで身体も温まったし、そろそろベッドに横になることにしましょう。

収納式の洗面台を引き出して、歯を磨きます。
こういう時、わざわざデッキの洗面室までいく必要が無いのは便利ですね。
コップはテレビの上にプラスチックの使い捨てのものが、紙に包まって用意されていました。

ちなみにこの洗面台は出てくる水の温度が調節可能のようで、お湯になるように設定温度を上げたのですが、 いつまでたっても冷水が出続けていたので、お湯の利用は諦めました。


さあ、ここからが(?)「あさかぜ号・シングルデラックス」の本領発揮です。
この「シングルデラックス」のベッドの通路側3分の1ほどがギャッジ式になっていて、 リクライニングベッドのように持ち上がるようになっています。

背もたれになった部分に寄りかかって、ベッドに足を投げ出して、就寝前に読書のひととき。
壁にセットされた読書灯。普通のベッド状態だとなんとも中途半端な位置になるのですが、 実はこの状態で本を読む時にちょうどいい位置になるんです。う〜ん、JR西日本ってばグッジョブ!

持ち込んだ文庫本は「ベテラン整備士が明かす意外な事実−ジャンボ旅客機99の謎」(笑)





             




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