YSじいちゃんに会いに行く夏
こだわりの乗り物で南国紀行
の続き



【寝台特急】なは号 新大阪 20:22 → 熊本 7:10

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「ガタン!」 大きな揺れで目が覚めると・・・列車はどうやら下関を出たところのようでした。

少しずつ線路の海抜が下がるように歩みを進めると、日本初の海底トンネル「関門トンネル」へと突入。 トンネル内の蛍光灯が、一筋の真っ白な矢になって後方へと流れていきます。


「関門トンネル」と抜けると・・・ついに九州に上陸!

陸路で九州入りするのは久しぶりで、やはり飛行機に比べると列車のほうが「九州に来たー!」という実感が大きく感じられます。

人影のない早朝の門司駅。運転停車なので乗降用ドアは開きません。残念ながら九州へ入ってきた寝台特急の「機関車交換」の儀式は 見られませんでした。
ちなみにKazuoさんの情報によれば、この日の「なは」号の関門間を担当したのはステンレス機関車「EF81-304」だったそうで・・・ 渋い銀色の機関車がブルートレインを牽く姿を、一目でいいから見てみたかったなぁ。


少しずつ空が白んできました。
時刻はまだ朝の5時前。夏の夜明けは早いのです。

狭い「ソロ」の個室内では、食事をするのは体勢的にちょっと窮屈な感じなので、 洗顔と身支度を整えて「レガートシート」カーのサロンコーナーで朝ごはんを摂ることにしました。


真っ赤なバス軍団が目に入ってくると、さらに「九州」を実感!

もうまもなく、九州島内最初の停車駅「博多」駅です。


「博多」駅に到着。さすがは九州イチの大都市、早朝にもかかわらずかなりの(といっても乗車人数からして大した乗客数ではないんですが・・) 乗客が下り立ちました。

それより驚いたのが、降りた人を上回る数の人が乗ってきたこと。
座席車「レガートシート」が手軽に利用できるのと、 「熊本」へ直通する一番列車ということもあって、行程終盤の「九州島内」が一番乗客が多いという、なんだかヘンな「なは」号でした。


「今日」という一日の始まりを待つ九州の特急たち。

まだ浅い眠りに就きながら、今日これから出会うたくさんの乗客たちのことを夢に見ているのかな・・?


「博多」を出た「なは」号。 終盤近い寝台特急は、こまめに駅に停車していく印象があるのですが、 この「なは」号は鳥栖・久留米・大牟田と、速達型「リレーつばめ」停車駅と同等の駅にだけ停車駅を絞って、 終着「熊本」を目指してまっしぐら!

車窓には、初夏に萌える緑が一面に広がります。


徐々に通勤電車が動き出す時間帯になり、すれ違う列車も多くなってきました。

下り「なは」号の最後尾は、2人用個室「デュエット」車。デッキからは後ろ展望が望め、 流れ行く風景を楽しむことができます。




新大阪駅から走ること760キロ余り、所要時間:約10時間50分で終着「熊本」に到着〜!
今日、門司から客車を引いてきたのは、真っ赤な機関車「ED76-94」でした。
ホームに降り立った人は、ほとんどが軽装の、おそらくは「博多」駅からの乗車と思われる人ばかり。 なんだか長距離を夜通し走る「ブルートレイン」たる存在の意味が希薄な感じで、「沖縄本土復帰」の願いを掛けて 付けられた「なは」という重みのある愛称が霞んでしまっているような気がしないでもありません・・・。


熊本に到着した「なは」号。すぐにホームから回送されていってしまうのかと思ったのですが、後続の「リレーつばめ」31号が入線してくる直前まで ホームに据え付けられていました。

おかげでいろんな角度から機関車や、独特な外観の個室車の画像を撮ることができました。


赤い機関車と青の客車という、国鉄時代から変わらぬ姿の「なは」号。 重厚感に加えて、気高い気品さえ感じられます。

しかし、夏休みシーズン前のこの日の乗車状況はあまりに悲惨で、 「ブルトレ統廃合」に加速度が止まらない現在、近い将来の「最悪の終着点」が容易に想像できてしまうのは 私の早合点であってほしいのですが。。。。

静々と熊本駅を離れていく「なは」号の回送列車。そのうしろ姿は・・・どこか哀愁漂う寂しげなものを漂わせていました。





             




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