ANAの74R、ファイナルアプローチ!
「きょう、スーパージャンボで。」の旅


Step03:ANA757/HND 1730→KMQ 1830




109番ゲートのボーディング・ボードは延々と「機内でのお願い」「各地の天気」などが流れ、 肝心の「757便」に関する案内は表示されません。

「果たして757便は“スーパージャンボ”なのだろうか・・・」「スーパーシートの変更に関しての 案内が全く無いってことは、トリプルセブンになるんだろうか・・・」(B767-300にはスーパーシートの設定が無い)

悶々とした気分でロビーのソファに腰掛けて、案内があるのを待ちます・・・。


英語での案内はこちらからどうぞ・・。

しばらく待っていると・・・モニターの画面がパッと「出発便のご案内」に変わりました。

思わずモニターに駆け寄って画面に目をやると・・・・ 「機種:ボーイング747SR」
ちゃんと画面にも「B74R」が映し出されています。

はああぁぁ・・・よかったぁ〜・・。「スーパージャンボ」がこれで確定になりました。
これで一安心。思えば、ウェブ空席画面を食い入るように見ていた昨晩からハラハラ・ドキドキしっぱなしでした。

 
 

17時05分。いよいよボーディングスタート。
まずは優先搭乗ということで・・、今日は赤ちゃんを抱えたお母さんと、杖をついて介助者の方と歩く男性、そしてスーパーシートの私の3人が 搭乗ゲートを通過して、奥のバスに乗り込みました。

この3人を乗せて先に飛行機に向かうのかな・・と思ったら、続々と一般の搭乗者がバスに乗り込んできました。 どうやら「ターミナルから飛行機までの間、座って移動できるように」というための「優先搭乗」のようです。

バスの車窓には、スポットインしている飛行機が間近に!!


立ち客でいっぱいになったバスは、まだ乗りきれない人を出発コンコースに残してとりあえず出発。

58番スポットと59番スポットの間から外に出て・・・北ピアの57番スポットと56番スポットの真下を通過。 ANKのB737「スーパードルフィン」やANAのB767を、手の届きそうな距離にかすめてどんどん走っていきます。


北ピアからどんどん離れるバスは、飛行機の通り道「タキシーウェイ」上を進み・・・ 沖留めスポットへとやってきました。

ズラリ並んだ飛行機は「出番待ち」といった感じなのですが、一部にはタラップカーが据え付けられて 客扱いしているものも。


中型機の「B767」や「B777」ばかりが並ぶなかで、本当に「ジャンボ」が待っているのか、 まだちょっと半信半疑。

すると・・・「ジャンボ」のボリュームある巨体が見えてきました!
アッパーデッキの短いクラシック・ジャンボ! ヤキモキしていた昨日からの十数時間が吹っ飛んでしまった瞬間です!


バスは機首の先端を回り込むようにターンして、タラップが据え付けられたポートサイドに到着〜!

この画像、まだバスの中で撮った画像なのですが・・・どうです、この迫力!!

ちなみにジャンボの奥に見えるのは羽田2ビルの北ピアです。ターミナルからこんなに離れた場所で、 直接、憧れの「スーパージャンボ」に乗り込むことができるなんて・・・!  この「沖留め搭乗」となった“偶然”に感謝感謝です。


バスの乗降口近くでは、ゼネラル・エレクトリック製の大口径エンジンがお出迎え。
東京とワシントンDCのノンストップフライトも可能なハイパワーは、短距離の国内線では 持て余し気味かな・・?

バスを降りた人々、口々に「うわー、大きい!」 「エンジン、デケェなぁ!」。


さて、タラップを上がって機内へ。

今日の私は「スーパーシート」の乗客。
B747-400やB777の「スーパーシート・プレミアム」は、機首部分に設定されていますが、 クラシック・ジャンボでは階段を上がったアッパーデッキ(2階席)に設定されています。

急勾配の階段を一段一段、踏みしめるように上がっていくと・・・ かつての「国際線時代」のビジネスクラス「CLUB・ANA」の頃を髣髴させる雰囲気の「スーパーシート・プレムアム」が 広がっていました!


座席自体はB747-400やB777のスーパーシート席と同じものですが、この独特な雰囲気!  私はやっぱり他の機種よりも、「特別な席」を感じさせてくれる「スーパージャンボ」のこの雰囲気がSS席の中ではイチバン好きですね。

実は「スーパーシート・プレミアム」としてスーパーシート席を使うのは今回が初めて。 私の「スーパーシート・プレミアム」デビューは、退役間近の「B747-200B」となりました。・・うん、記念記念(笑)


天井にはオーバーヘッド・ストウェッジ(荷物収納棚)がありません。

そのかわり、湾曲した壁面と座席の間には蓋付きの荷物収納箱が設置されています。 「74R」のスーパーシートをご利用の際は、とにかく機内持ち込み手荷物をできるだけ少なくしたほうが得策。

スチュワーデスさんにお願いして、2階席機内の写真をいろいろ撮らせていただきました。
この「74R」がもうすぐ引退してしまうというのはスチュワーデスさんももちろんご存知で、 「機内の写真を撮っていかれる方ってあんまりいらっしゃらないので、いっぱい撮って記録してくださいね」と言っていただけたました。


シートに着くと、先ほどのスチュワーデスさんがキャンディやひざ掛け毛布を持ってきてくれました。
そこから話が弾んで・・「古い飛行機なんで777に比べて温度調節とか大変なんですよ。」と裏話なんかも 披露してくれました。

それはそうと、スーパーシートには続けて誰もやって来ません・・・。
そういえばさっきの優先搭乗で、スーパーシート利用での優先搭乗を受けたのは私一人でした。  「もしかして・・・小松空港までの1時間、スーパーシートを貸切?!」

と、最後のバスが着くと3人が入ってきて、ドアクローズ。いよいよ駐機場からタキシーウェイへ!


前にJAL機、後ろにSKY機に挟まれて、トロトロと滑走路へと向かう757便。
雨足は昼過ぎよりも強まり、滑走許可を待つ間にも急カーブを描くアッパーデッキの窓には激しく雫が流れていきます。

しばしの沈黙ののち、スーパージャンボはエンジンを全開にして、C滑走路「ランウェイ34R」を猛然とダッシュスタート!!

第2ターミナルビルが真横に見えるあたりでフワっと浮き上がって、暗く沈んだ厚い雲の中へと入っていきました。


かなり雲が厚いようで、いつまで経っても窓の外は真っ白なまま。
気流もかなり悪いようで、機体はガタガタと揺れ続け、シートベルト着用サインはなかなか消えません。

羽田空港を飛び立ってから20分ほどでやっとシートベルト着用サインが消灯。 前方の非常口脇にある乗務員シートから立ち上がったスチュワーデスさん、すぐに後方のギャレーへと入って 機内サービスの準備です。


まずはおしぼりサービス。どっかのチンケな鉄道会社のグリーン車とは違い、トレーに載せたホカホカの厚手のおしぼりが スチュワーデスさんの笑顔付きで配られます。

そのあとすぐにドリンクサービスのリクエストを聞いて回りつつ、こんな黒い箱が配られました。 この箱を開けると・・・


中身は「お弁当」! 羽田発17:30ということで、ちょうど「スーパーシート・プレミアム」 の夕食提供時間帯に当たる便。 もちろんコレを最初から狙って「757便」を選んだのは言うまでなく (^_^ゞ

ANAではこの食事を「軽食サービス」と案内していますが・・・どうして、これがかなりのボリューム!  朝食・ランチの時間帯はどのようなものが提供されているのか分かりませんが、この日の夕食メニューは 「機内食」と称してもうなずけるものでした。

ちなみにこの日の内容は「うなぎご飯・抹茶そば寿司・夏野菜の炊き合わせ・棒々鶏のサラダ・お新香」でした。


お弁当と一緒に「お味噌汁」が紙コップで提供されます。

ご飯を食べながら暖かい味噌汁をすする・・・しかも国内線の機内で。
あぁ、日本人の「幸せ」ですねぇ。

このあとすぐにリクエストしたドリンクも届いて、わずかな時間ながら「機上レストラン」のひとときを 楽しめました。


雲に覆われて真っ白だった窓の外も、いつのまにか雲が切れて眼下には山々が見えてきました。

フライトルートと飛び立ってからの時間から予測するに木曽山地でしょうか。


スチュワーデスさんがお弁当箱の回収に来ました。

このお弁当の箱、ちょっとカッコいいデザインだったので「持って帰ってもいいですか?」 と聞いてみると、「では、中の仕切りトレイだけ捨てて、袋に入れてお持ちしますね」と箱を 回収して行かれました。

数分後。「お待たせしました!」と持ってきてくれたのは「スーパーシート・プレミアム」のロゴ入り 手提げバッグ。そのバッグの中にはさきほどのお弁当箱のほか、専用の紙コップ、キャンディにポストカードまで!

「ありがとうございます!」と目を輝かせてお礼を申し上げたのは言うまでもありません。


しばらくまたスチュワーデスさんとおしゃべりをしていると(とにかく4人しか乗ってないので、各サービスがすぐに終わってしまうこの状況)、 機体の揺れが始まって、じきに「シートベルトサイン」が点灯。
「また揺れ出しましたね」と、スチュワーデスさんも乗務員シートへと戻って行きました。

窓から後方に目をやると、主翼とエンジンが見えました。


結局、シートベルトサインが点灯したまま「着陸の態勢に入ります」と放送が流れて、 席から立つことも、再びスチュワーデスさんとおしゃべりすることもありませんでした。

山続きだった眼下には海が見えてきました。太平洋側から日本海側へと飛んできた「スーパージャンボ」、 海岸線を見ながら大きく左へ旋回して(この旋回がスゴイ。振り子特急も顔負けの傾きです)・・・・ 徐々に海と海岸線と立ち並ぶ工場や家々の距離が近くなってきました。

ギャギャギャーッとタイヤの激しい叫び声のあと、エンジンが轟音を立てて逆噴射!


羽田空港から約1時間。「スーパージャンボ」は無事に小松空港にランディング。

窓に見えてきた小松空港のターミナルビル。「ち、ちっちゃい・・」
飛行機に乗って見てきた空港ターミナルというと「羽田」「伊丹」「福岡」「鹿児島」と大ターミナルばかりなので・・・。


最後にも数カット機内の写真を撮らせてもらって、惜しみつつ「スーパーシート」の階段を下りました。

1時間のフライトでしたが、悪天候が祟ってしまい、結局ほとんど座席に縛られっぱなしでした。 でも、シートは快適だったし、軽食も予想以上の出来栄えでしたし、なによりフレンドリーなスチュワーデスさんだったので、 楽しい「スーパージャンボで、初SSプレミアム」のフライトになりました。

降機ブリッジの小窓から見えた「スーパージャンボ」の機首部分。
実際に乗って、気流の悪い中を敢然と飛んできたのを知っているせいか、いつもより 引き締まってカッコよく見えました。




           







-SONIC RAIL GARDEN-

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