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行きの列車を「ミュースカイ」だと予想して、見事に外してしまったので、帰りの列車はなんとしても(?)
「ミュースカイ」をキャッチしなければなりません。
改札口外のコンコースからは、ホームに発着する列車が丸見え。座席指定券を買わずに、まずは出入りする列車の車種を
見定めます。
数本の列車を見送ると、やってきました「ミュースカイ」!
折り返しの「岐阜」行き快速特急になるようなので、券売機でこの列車の座席指定券を急いで購入。
運良く窓際が取れました。
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ブラックとシルバーのクールな表情。
どことなく「野暮ったい」顔の電車が多い名鉄フリートのなかで、突然変異のような未来派クールボーイです。
貫通ドアのシルバー部分は鉄でもアルミでもなく、ポリカーボネイド製。
あの白パソ“iBook”にも使われている新時代の素材です。
「centrair」と、列車愛称ではなく空港愛称のロゴが前面に掲げられているのは珍しいですね。
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座席指定券は、私が購入したあとにすぐ満席御礼になったようで、ギリギリセーフでした。
ちょうど国内線数便と、韓国からのアシアナ航空の到着時間に重なったようで、行きとは違って
大きなトランクやお土産の紙袋を抱えた人が車内の大半を占めていました。
客室のインテリアは最近の特急車と比べても、さして目立った特徴はありません。
デッキ寄りには荷物棚があり、空港特急らしい設備ではありますが、デッキではなく客室内に
設置されている点が大きく評価できます。
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空港駅を発車すると、一気に加速してあっという間に時速80キロ台で走行。走り出しも大変スムーズです。
「セントレア大橋」では併走するライバルの「空港リムジンバス」を次々に追い抜いて、“列車アクセス優位”を
見せつけるかのような快走ぶり。
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常滑付近では「常滑焼き」の窯群が車窓に見え、このような窯から伸びる煙突が目立って見えます。
この先、列車は高架線から下りて、ローカル路線然とした名鉄常滑線をスピードを落とさずに快走。
庶民的な海水浴場をかすめて、じきに名古屋市街へと入ります。
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デッキ仕切りドアの上には情報表示装置がありますが、LEDによるスクロール表示ではなく、液晶ディスプレイによる
フルカラー映像スタイル。
近鉄「アーバンライナー・ネクスト」が先鞭をつけたサービス装置で、運転席からの展望走行シーンが中継されるのが
大きな話題となりました。
名鉄「ミュースカイ」でもご覧のように、走行シーンのリアルタイム中継が行われます。
しかも「アーバンライナー・ネクスト」にはなかった「現在の走行速度」も同時に表示され、臨場感満点!
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もちろんこちらのイメージ映像やコマーシャルもふんだんに流れます。
関東圏では影の薄いこちらのキャラクターも、中京圏・関西圏では絶大な人気があるようで、
「モリゾー!」「キッコロやー!」と、子供は大はしゃぎ。キャラクターグッズも飛ぶように売れているみたいです。
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さて、「客室インテリアはわりと平凡」と書きましたが・・・
実はこの「ミュースカイ」、デッキやサニタリー部分のインテリアがかなりブっとんでいます。
もう「ええっ?!このセンスってホントに名鉄のシゴト?」と思ってしまうほどに(失礼)
洗面台はご覧のとおり。透明な化粧板を使って下から照明を当てるという、
鉄道車両としては前代未聞のライティングデザイン。デザイン面で常に数歩リードしている
「JR九州」も「近鉄」もやったことのないことを「名鉄」がやって見せてくれました!
トランスルーセントな印象から、かつての「iMac」を連想してしまうのは私だけでしょうか(笑)
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「神宮前」「金山」と名古屋側のターミナル駅に到着。
降りる人もそこそこいますが、降りた分だけ乗ってくるといったあんばいで、
「空港アクセス」と同時に、名古屋−岐阜間の「都市間アクセス」も担っているようです。
「関空特急」「成田特急」とも純粋な空港アクセスが主体で、
例えば「はるか」に京都から天王寺までとか、「N'EX」に千葉から大船まで乗るというのは
あまり聞いたことがありません。
このように「ミュースカイ」が2面性を持った「空港特急」であるのは、
名鉄ネットワークの大きさと特急料金の安さが大きな理由でしょうね。
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名鉄名古屋駅に到着。ホーム入線時に盛大にミュージックホーンを鳴らして進入していく「ミュースカイ」ですが、
ほかの「パノラマスーパー」のが機械的な電子ホーンのようなのに比べて、
「ミュースカイ」のはオーケストラのような上品な奏で方に聞こえます。
意外にも車内から立ち上がったのは全体の半分くらいの乗客で、もう半分はそのまま岐阜方面へと
乗りとおすようです。
1分にも満たない停車時間で、後続列車が迫り来る中「ミュースカイ」は慌しく名鉄名古屋駅を
発車していきました。
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