アーバンライナー、世代交代真っ只中!
2Days 近鉄特急三昧の旅
の続き



【名阪特急】アーバンライナー 近鉄名古屋 14:00→近鉄難波 16:04

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快調に飛ばしてきた「アーバンライナー」ですが、ガクッとスピードが落ちると 名古屋線から大阪線へと移る中川短絡線へ入っていく準備。


まず、名古屋線の下り本線から上り本線へ。わずかながら上り本線を逆走します。

その後すぐに上り線から単線の短絡線へ。もうこの時点で短絡線の急カーブは始まっています。




急カーブで車輪は軋み、走行スピードも徐行並み。

先頭車の運転席では、名古屋線担当の運転士さんから大阪線担当の運転士さんへと交代が瞬時に 行われていることでしょう。


急カーブを抜け、短い直線区間に入ると、すぐに大阪線へと進入していきます。




短絡線から大阪線へ。

今度は大阪線の下り本線をわずかに逆走して、すぐ転線を繰り返して上り本線へと入っていきます。

さあ、ここまでくると「アーバンライナー」は完全に名古屋線から大阪線への走行路線変更が完了。

次第にスピードが上がり始め、本来の高速運転に戻ります。


大阪線へと移った「アーバンライナー」。ここからは山越えと峠越えがしばらく続く辛く厳しい道。

場所によっては、座席に座ったままでも「山を登っている」と分かるくらいの勾配も。
山間部に入ると雨はさらに強く、霧はどんどん濃くなっていき、明らかに走っている環境が変わったことを実感。


6両全てがモーターを搭載した電動車の「アーバンライナー」。モーターの唸りも一層激しく、高速のスピードを 維持したままサミットへと挑んで行きます。


座席周りに目をやると、実は細かいところまでこだわっているのが分かります。

例えば、照明。天井の全体照明は「間接照明」。荷棚の下には手元の照度を確保するために 小さめの「グローブ付蛍光照明」。さらに車内全体を眺めたときに、直線的な単調さを崩すアクセントの「白熱灯」。

不必要なほどの照明の備えているようですが、これがトンネルや地下区間・夜間などになると 俄然チカラを発揮します。それぞれが重なり合うことなく持ち味を出して、居心地の良い空間を 演出するのです。


照明といえば、サニタリコーナーの照明も(1988年当時にしては)かなり凝ったことをやっています。
この頃に登場した新車では、トイレなどの照明はグローブ付き蛍光灯などで直接的に空間を 照らすのが、何の疑問も無く採用されていていました。

ところが「アーバンライナー」ではサニタリコーナーを暗めにして、照明もご覧の通り、 かなり手の込んだオリジナルデザインの照明カバーを製作して取りつけています。

この手の暗めの演出はわりと「好き・嫌い」が分かれる傾向にあるので、鉄道車両では あまり多くはありませんが、「アーバンライナー」が評価される点には、こうした 率先して新しい試みを取り入れた姿勢を称えられる部分が大きいからではないでしょうか。


普通車クラスの「レギュラーシート」です。

「間接照明」「ライトグレー系のモケット」「バケットタイプのリクライニングシート」・・・ 1988年のものとは思えないアコモデーション。なぜ16年の時間の流れ(=古めかしさ)を感じさせないのか。

答えは簡単。このアコモデーションが今でも「ベース」であり「お手本」であり「普遍的」なものであるからです。 この「アーバンライナー」のあと、「スーパーひたち」「サンダーバード」など“ニュースタンダード”と呼ばれる 特急車が登場。しかしそれらでさえ、根本にあるインテリア思想は「アーバンライナー」と同じで、 それが「新しい潮流」となるということは、つまりは脈々と「アーバンライナー」で具現化されたものが今でも 受け継がれているということにほかならないのではないでしょうか。



いつの間にか座席に身を任せ、深い眠りに就いてしまっていたようです。

ハッと気がついて車窓に目をやると、山深い風景はコンクリートの海に変わっていました。



最初で、ほぼ最後の停車駅「鶴橋」駅では、乗客の半分くらいが下車して行きました。

「鶴橋」の次はすぐに「上本町」。
地上ホームと地下ホームのある「上本町」ですが、「難波」をターミナルとする列車は地下ホームへと 入っていきます。


終点「難波」を目前にして停止信号でストップ。前の電車がなかなかホームから離れないので 「アーバンライナー」も先に進めず、数分の間、本線上で停まったまま。  「難波」駅はホーム数に余裕が無く、さらにキツキツの運転本数でダイヤが逼迫しているので、 このような「待ち」の発生は日常茶飯事のようです。

やっと前の電車が動き出すと「アーバンライナー」も待ってましたとばかりにスムーズな加速で 「難波」駅へと進入。


「難波」駅に到着。2時間の乗車時間でしたが、2時間を感じさせない短さでした。


原型の「クラシック」編成は残りわずかで、2005年早々にはすべて「プラス」への変身が完了することでしょう。
もし、あなたが「インテリア・アコモデーション」の面で鉄道車両への興味を持っている、かき立てられるというのであれば 絶対にこの「クラシック」編成は体験しておいたほうがいいでしょう。なぜなら先にも述べた通り“いまどきの新型特急”の アコモを語り、始祖を探るとき、きっと知識の探求の果てはここに辿りつくからです。

こちらから「アーバンライナー」の回送走行シーンの動画がご覧頂けます。





             




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