アーバンライナー、世代交代真っ只中!
2Days 近鉄特急三昧の旅
の続き



【名阪特急】アーバンライナー 近鉄難波 10:00→近鉄名古屋 12:05

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再びやってきました、近鉄「難波」駅。

今日はついに、あの「初代アーバンライナー」とご対面。

「アーバンライナー・プラス」への改造が進む中、わずかに残ったクラシックスタイルで残るオリジナルプロトタイプが 「プラス」車の検査代替として名阪特急に集中投入されると時刻表とネットで調べ、ここまでやって来たのでした。


以後、場面により「初代アーバンライナー」は「クラシック」、「アーバンライナー・プラス」は「プラス」、 「アーバンライナー・ネクスト」は「ネクスト」と呼んで旅行記を綴っていきます。


昨日「アーバンライナー・ネクスト」に乗り込んだ1番線特急ホーム。

発車案内板は今から乗車する「10:00 特急・名古屋」を表示していますが、その表示からは 「初代アーバンライナー」が来るのかは分かりません。 検査代替での「初代」投入に変更があったら、ここまで来た意味が半減してしまいます。

狙い目の“ターゲット”が当日に来なかった例は「ドリーム用DDバス」「ボーイング747SR」と 過去に何度か経験しているので、ドキドキ・・・・。


向いの上り到着ホームにはひっきりなしに通勤電車が入ってきては乗客を吐き出して、奥の待避留置線へと回送されて行きます。

通勤電車がまた1本、上りホームを離れたあと「アーバンライナー」が入ってきました。 側面窓・先頭窓の周りにオレンジの縁取り、やや太目な腰部のライン。 「初代アーバンライナー」の登場!

座席が名古屋向きにセットされた状態の回送列車なので、乗車する10:00発の特急にこの「初代」が 充当されるのはこれでほぼ間違い無いのが分かり、ホッと一安心。


そしてついにホームに入って来ました「アーバンライナー」!

入線から発車まで10分もないので、先頭車の画像撮影もそこそこに、さっそく車内へと乗りこみます。



「またかよ!?」と声が聞こえてきそうな感じですが、「デラックスシート」をチョイスです。

だって、「アーバンライナー」ですよ? しかも「引退(正確には引退ではないが)目前記念乗車」ですよ?  「デラックスシート」を選ばずして、どうします!?
「新幹線から名阪の利用者をごっそり奪ったデラックスシート」「3アブレストの配置に金字塔を立てたデラックスシート」 「庶民に格安でワンランク上を提供したデラックスシート」!!

あ、でも「座席画像を採取したい」というのが本音ではあります。はい。



ひゃっほうゥ! ついにこの空間の住人になれる日が!
あああ、カンドーの涙で視界が霞む・・・(ウソ)

しかし、本当に感動したのは、デビューから16年を経た今でも全く色褪せない「豪華」さを保っているという点。 シートデザイン・カラーコード・ライティング、どこを取っても充分「現代」に通用するインテリアです。
開発時には、吟味に吟味を重ねて最終決定を出したのでしょうね。 「アーバンライナー」より若い新型特急の中には、すでに“コンセプト破綻”から リニューアルで方向性を見失って迷走を極めているものも少なくなく、それを考えると 「1988年に見定めたものが、2004年になってもなおこの質感」というのはスゴイことだと思います。


「難波」を発車。「上本町」「鶴橋」と停車しますが、昨日の「ネクスト」がここまででほぼ満席に なったのに比べ、今日は定員の半分にも満たない程度しか埋まりませんでした。
近鉄さんには失礼ですが、このくらいの乗車率のほうが車内がガヤガヤしなくてゆっくりできるので、 その分「クラシック」をじっくり味わうことができて、ラッキー!

しばらく高架線を行く間、先頭の展望スペースからの眺めを楽しませてもらいました。


「高安」の電車基地です。(たぶん。どの辺で撮ったかとか全く別記録をとらないので)

画像には写っていませんが、「アーバンライナー」の中間増結車が一瞬見え、 すでに「プラス」に改造済みでした。
中間増結車は全て、一足先に「プラス」への改造が完了しており、残った原型「クラシック」編成は 8両への増結ができなくなりました。


「デラックスシート」にはオーディオパネルが。

ただ、すでにそこにはチャンネルを示す表示は無く・・・。
カバンの中からiPodを取り出して、イヤホーンをパネルのジャックに入れてみましたが、 やはり反応はありませんでした。

オーディオサービスが健在だった頃、ヘッドホンの貸し出しサービスまでやっていたそうです。 操作パネルだけ設置して「イヤホンは自前で準備してね」的な中途半端なサービスが 多かった中で、ヘッドフォンを準備していたのは特筆に価します。


「大和八木」に停車。

ここで下車して行く人もいましたが、それ以上に乗りこんでくる人が多く、 さすがは京都・奈良・橿原方面からの流れが集うジャンクション。

ちょうど乗ってくる2人組みとすれ違ったのですが、 「今日は“古いアーバン”やな」と話していました。
・・・と、いうことは、「ネクスト」「プラス」ともしっかりお馴染みの存在になっているんですね。
でも、「古いアーバン」「新しいアーバン」と見分けがつくということは、それだけリピートして利用しているという 証拠でしょうか。


「大和八木」でデラックスカーの禁煙車は半分ほどが埋まりました。

スーツの上着をコートフックに掛けて、シートを大きくリクライニング。 新聞を広げながら缶コーヒーに手を伸ばす・・・  そんな光景が多く見うけられる車内は、まさに「ビジネス特急」

中にはノートPCを広げて資料作成している人も。 「アーバンライナー」のインアームテーブルは、パソコンを使うにはちょっと 小さいので不自然な体勢でキーボードを叩いていらっしゃいました。
まあ1988年の時点では「電車の中でパソコンを使う」なんて こと自体が考えられなかったですからねぇ。


いっぽうのレギュラーシート。
窓際席はほとんど埋まり、2人掛けで利用している組も多く見うけられます。
こちらは大きな声で談笑している(!!)ビジネスマングループのほか、 ファミリーやカップルが多く乗っているのが目立ちました。

「大和八木」を出ると次は終点「名古屋」まで止まりません。
となりの席に誰も乗ってこないと踏んでか、ロマンスシート2席分に体を投げ出して 「く」の字の体勢で居眠りしている人がかなりいました。
「関東」の昼行特急ではあまり見かけない光景ですが、「関西」のほうでは わりとポピュラーなのかな?


伊賀山地の山越え区間。長いトンネル・短いトンネルが続き、幾度と無く車内は闇に覆われます。


ところで、昨日の「ネクスト」の時もそうだったのですが、 「アーバンライナー」はトンネルに入るときに必ず短くタイフォンを鳴らしますね。


今日は朝から雨模様。

山間部は深い霧に覆われていて、悲しげな車窓の中にもどこか幻想的な雰囲気が漂っています。
窓に打ちつけられる雨粒も、「アーバンライナー」の高速スピードに乗ってどんどん「線」となって 後方へ流れていきます。



しばらく自席で、まったりとデラックスシートの乗り心地に身を任せ、 消え行く「“アーバンライナー・クラシック”のアコモデーション」に酔いしれておきましょう。



「津」「四日市」を通過して、揖斐・長良・木曽の木曽三川を渡れば愛知県。

そして終点「名古屋」が、もうそこまで近づいてきています。



「名古屋」の手前では高架化工事の真っ只中。

伊勢・大阪方面の下り線はすでに高架線へと移り、名古屋方面の上り線は 立ち並ぶコンクリート柱と工事用フェンスの合間をすり抜けるように進みます。



地下へと潜って、終点「名古屋」駅に到着。

クリスタルホワイトとコスメオレンジの組み合わせは薄暗い地下ホームではよく目立ち、 その場がパッと華やぐかのような輝きがあります。

次の出発準備を整えるべく回送列車となって、すぐに「アーバンライナー1世」は 地下トンネルの奥へと、闇に消えて行きました。

こちらから名古屋を発車する「アーバンライナー」の動画がご覧頂けます。





             




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