大阪で迎える2日目の朝。 今朝は早い時間からこんなところにやってきました。 「近鉄特急にどっぷり浸かる旅じゃないのか!?」と、タイトルから見てきたかたは思うかも。。。? 本日のメイン「アーバンライナー1世」まで時間があるので、 「短い時間の合間に何か“関西テイスト”を強烈に放つ列車はないものか」と考えて、 「難波」が基点となると、やはりアレでしょうね。 |
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ジャジャーン! ブルーマイカの塗装も眩しい「南海ラピート」です! いつ見ても濃い口風味の「鉄仮面」! ギミックだらけの装飾は“過剰包装”そのものですが、何といってもその装飾こそが この強烈っぷりにさらにパンチを効かせています。 九州の「ソニック883」と居並ぶ、日本を代表する「ハイテンション・トレイン」 やっぱ、この手の電車って好きだなぁ。 こちらから難波駅に入線するラピートの走行動画がご覧頂けます。 |
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車体サイドのどてっ腹には「デビュー10周年」を知らせる文字。 早いもので、関空も空港特急も10年経ったのですね。 で、ふと思ったのが、登場から10年を経てなお全く輝きが失せない ボディの艶やかさ。 南海電鉄の車両保守に携わる方達のメンテナンスに対する「誇り」と 「愛車心」が、周囲の光りをリフレクトするボディからにじみ出ているようです。 |
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本日もアッパークラス「スーパーシート」で1日をスタート。 とはいえ、料金的にはJRのグリーン料金を払うのとは訳が違い、 この「ラピート」ではレギュラーシートにプラス200円するだけで段違いのゆとりが 得られるとあっては、ついつい手が伸びてしまいます。 |
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スーパーシート車はデッキの広さからしてレギュラーシートとは格段の違いを感じます。 デッキには楕円形のカウンター。 かつてはサービス係がここで乗車出迎え・下車見送りからドリンクサービスなどを 行っていました。が、とうの昔にそのようなサービスは終わってしまったようで、 重厚なカウンターだけが「栄華時代の遺構」として残っています。 |
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デッキと客室の間には「空港特急」特有の巨大なバゲージスペース。 この単なる「荷物置き場」たる空間にも、デザインのこだわり。 カーブを描く間接照明覆いと飾りパネル。そして船のデッキ窓や飛行機のエンジンを連想させる 円形のオーナメント。 はっきり言ってしまえば、何の機能もない「ムダ」なデザインですが、 こうしたモノがさらに「ラピート」のアイデンティティを高めているのは言うに及ばず。 実は、こういう目に留まるか留まらないかの部分が、後々記憶の中で鮮明に残っていたりするんですよね。 |
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そして、客室です。 もう、雑誌やデザイン誌・ウェブサイトなどで紹介されつくしてきた空間ですが、 生で目に見て、直接触れると何度でも「新鮮」さを感じてしまう・・・。 (実は今回で私のラピート乗車は6回目) |
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「楕円形」のデザインで客室全ては包み覆われる。 さらにテーマカラーはシャインブラウン。座席のパンサーモケットはもちろん、座席のソデ体から化粧板まで。 そして照明までが軽くオレンジがかった直接照明。 10年経っても陳腐さを感じさせず、むしろまだ「何十年か先の未来から来た列車」なんてキャッチコピーが 通用しそうな感じです。 |
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さて、何度見てもスゴイ空間の「ラピート」ですが、何度乗っても「満席」の状態を見たことが無い 「ラピート」。 今日も、スーパーシートは私を含めて3人。レギュラーシートのほうも1車両にパラパラ程度という 乗車人数で「難波」駅を発車です。 途中「新今宮」「天下茶屋」と立て続けに停車して大阪側での乗客確保に努めていますが 乗ってくる人は皆無・・・。 「住ノ江」駅通過時に見えた「住ノ江検車区」では、数編成のラピートがまだ朝寝中でした。 |
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同じ「難波」を基点とする「近鉄」よりも、「南海」のほうが早くから車窓に畑地が広がり始めます。 よく乗る地元の常磐線と似たような、なんてことない平凡な風景が続くのですが、 円形に枠取られた窓から見ているとまるで別の国の風景に見えてくるから不思議です。 |
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「堺」「岸和田」「泉佐野」と停車して、「難波」から乗り込んだ乗客を ポツポツと下ろして行きます。 もともと少なかった乗客がこうした途中駅で降りていくので、 本来の目的である「空港アクセス」より「近距離の用務客輸送」のほうが比重が大きいようで。 画像は「泉佐野」駅。上り本線のホームは橋上化が完了していて、この下り本線も橋上化工事の 真っ最中。 「泉佐野」を出発すると、いよいよ空港線へと進んで行きます。 |
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どんどん高架線を登っていく「ラピート」。 「泉佐野」を出ると、じきに左手からJRの空港線が迫ってきて・・・ 複雑に入り組む橋桁と高架橋の間をすり抜けて、JRの空港線と合流。 |
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空港橋の手前、「りんくうタウン」にも停車。 以前は「ラピートα」「ラピートβ」ともガンガン通過していた駅ですが、周辺に巨大アウトレットモールや 事務棟ビルなどが次々とオープすると同時に「ラピート」の停車駅に加わるようになりました。 空港利用客の頭打ちに悩む「ラピート」。そんな中、南海が打ち出した施策が、 今まで通過していた、周辺にビジネスビル群を抱えたりショッピングセンターを擁する途中駅に 「ラピート」を停車させることで、短距離利用者を取りこんでリピーターになってもらおうというものでした。 「りんくうタウン」を出てすぐに巨大な鉄橋に突入。 まさに「海の上を走る」光景は、丸枠窓の雰囲気ともあいまってSF映画にでもありそうなワンシーン。 |
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「難波」を出て40分。終点「関西空港」駅に到着。 登場当時の「ラピートβ」は、難波−空港間を35分で結んでいましたが、5分の延びは停車駅を追加してきた分。 それでも時間の感覚からすると「40分乗っていたとは思えない」速さを感じます。 かなりのスピードで走っているようなので“速度”は出ているのですが、 「空港橋」周辺以外は車窓に見えるものにインパクトがあるあるわけではなく、 やはりそれ以上に「濃密なインテリア」空間が与えるものが体感時間を短くしているのではないかと。 空港駅のホームに降り立った人は悲しいほどにまばらでした。 あっという間にひっそりとしてしまったホームに残された、まるで海の深淵の佇むブルーのボディ。 丸窓の向こうのオレンジの光りだけが、生気息づくかのように温かくこぼれていました。 |