「大和八木」を出ると風景は徐々に山間部へと変わり、「桔梗が丘」を過ぎた辺りからはいっそう山深く、 トンネルが連続して続きます。 「新青山トンネル(5,652mで地下鉄を除く民鉄では最長)」で有名な青山峠では、かなりのアップダウンが、 そして急勾配の山登りが続くことが先頭の展望から伺えます。 |
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トンネル内では、客室の照明がいっそう際立ち光ります。 最近は直接照明や半間接照明がトレンドとなり、すっかり影を潜めてしまった「間接照明」ですが、 「アーバンライナー・ネクスト」では「間接照明」を採用しています。 さらに、壁面に投影されるスポットライトなど、意外と凝った演出。 両端のターミナルが地下駅なのと、山間部ではトンネルが続くということで、 昼間でも車内が闇に閉ざされることが多いため、開発時から「照明」には特にチカラを 入れたそうです。 |
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運転室寄りデッキに誇らしげに掲げられた「ブルーリボン賞」プレート。 歴代の近鉄名阪ノンストップ特急がその栄誉に輝いてきたように、「アーバンライナー・ネクスト」でも その時代の先進性を称えられて、名誉あるプライズに輝きました。 |
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「近鉄・アーバンライナー」というと、こちらのイベントが思い浮かぶ方も多いのでは? 大阪線から名古屋線へ。「伊勢中川」駅に入ることなく短絡線を通って「都市間直行ノンストップ」運転をする 「アーバンライナー」。この短絡線の通過時に運転士の交代が行われます。 (この短絡線の説明図をこちらからご覧頂けます。) 一時期はカーテンで運転室を隠して、走行中の交代が見えないように(=走行中に運転士が一瞬でも席をカラにする ことによって乗客の不安感を煽らないように)していたようですが、今ではカーテンを閉めることも無く、堂々と運転士さんの交代劇が目の前で繰り広げられています。 難波からの運転士さん(右の半袖シャツの乗務員さん)は、ここから車掌さんに。 難波からの車掌さん(左の上着を着た乗務員さん)が、ここから名古屋まではハンドルを握る運転士さんに早変わり。 そして列車は瞬間的に運転士不在となった間もゴトゴトゴト・・・と急カーブの短絡線を低速で通過して行きます。 |
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さきほどの中川短絡線で列車の進行方向が西向きに大きく変わったので、座席に差し込む直射日光も さほどでもなくなりました。 三重県に入ると平野部の落ち着いた風景が広がります。 「津」「四日市」といった都市の駅も「アーバンライナー」はガンガン通過。ひたすら名古屋を目指して 高速運転を続けます。 近鉄のジョイフルトレイン「楽」とすれ違い。立て続けに「あおぞら」号とも出会いました。 |
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揖斐川・長良川を一気に鉄橋で渡りきると、そこはもう愛知県。 さらに木曽川鉄橋と、長大な鉄橋が続きます。 |
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名古屋直前で出会ったアーバンライナーは、初代の改装車「アーバンライナー・プラス」 「アーバンライナー」は難波発列車の名古屋着が--:05、難波行きの名古屋発が--:00の規格ダイヤなので、 アーバン同士のすれ違いはほぼ同じ地点で見ることができます。 |
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左手に名古屋駅ビルのツインタワー、そして右手にJRの「ワイドビュー」気動車がたむろする基地。 ここまでくれば、もう終点「近鉄名古屋」はすぐ目と鼻の先。 JR線の下へと潜るように地下線を進み、車輪を軋ませてカーブしながら地下ホームへと滑りこみます。 |
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近鉄難波から2時間5分。名古屋駅に到着しました。 特急降車ホームを直進すると、なんとそのまま東海道新幹線の連絡乗り換え改札に突き当たります。 名古屋−大阪間で乗客を奪い合うライバル同士なのに、近鉄のこの気前の良さはいったい!? と、思ったら実は伊勢志摩方面への乗り換えの利便性を高めた施策だそうで。 名阪の移動に「アーバンライナー」の2時間はかなり“買い”です。スピードこそ新幹線には敵いませんが、 レギュラーシートでも座席は「ゆりかご式」でかなりアメニティレベルが高いですし、車窓に映る景色も 変化に富んでいて厭きることがありません。そして料金は新幹線の半分というのも魅力・・! この近鉄名古屋駅の「新幹線直行乗り換え口」、実は東京方面から来る大阪方面への利用者に向けた “自信”を誇示するエントランスゲートなのかもしれません。 |