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南の国で“のりもの三昧”の旅 の続き



【日韓航路】ビートル101便 福岡港 8:30 → 釜山港 11:25

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明けて翌日。 今日は船に乗って、となりの国までちょっとお散歩。

JR九州の列車にはほとんどを乗り尽くしてきましたが、この「国際航路ビートル」には行先が行先なだけに乗る機会がありませんでした。 ですので、今日の「ビートル」乗船はまさに「念願叶って」なのです。

8:30に福岡港を出港なのですが、国際航路ということで手続きや手荷物検査もあるでしょうから、余裕を持って6:00にはターミナルに着くようにタクシーで向ったのですが・・・。 ターミナルの正面玄関は固く閉ざされたまま…?

続々と釜山行きの高速船に乗るという人が集まってきたのですが、玄関が開く様子はありません。 みんな「釜山行きってここでいいんですよね?」「国際線だから早めに来たんだけどねぇ」と不安な声を口々に交わしています。


結局、正面玄関が開いたのは7:00すぎ。

「やっと開いた…」と、みんな安堵のため息のつきながらターミナルの中に入ると、これまたターミナル内の各社カウンターは全て無人…?

ちなみに釜山行きの高速船は「JR九州ビートル」のほか「未来高速コビー」があり、ターミナルに集まった人の流れを見ていると「コビー」を利用する人のほうが多いようです。

7:30頃、まずJR九州カウンターにスタッフさんが現れ、 全ての釜山行国際航路の第一便となる「ビートル101便」のチェックインが始まりました。


こちらが発券されたボーディングパスです。

飛行機のボーディングパスと比べるとカラフルで「BEETLE」の写真やシンボルマークが入っていて乗船記念になりそうですね。

ちなみにチェックインの際に、希望する座席を指定することが出来ます。
もし釜山港や福岡港で下船の際に先を急ぐ場合は、1階席前方エリアを指定するといいでしょう。 スムーズに下船することができ、税関や入国審査で長い時間並ばずに済みます。


チェックインを終えて、2階の出発ロビーからいよいよ出国!と思ったら、ゲートが開くのは8:00からだそうで・・・。
航空各社の国際線のみならず、国内線と比べてもずいぶん悠長な感じです。

3階には送迎展望デッキがあるようなので行ってみました。 だだっぴろい展望デッキからはこちら福岡港(国際線)と博多港(国内線)に出入りする船がよく見えます。

画像のジェットフォイルは、九州郵船の対馬行き高速船「ヴィーナス」。


7:50頃、一隻の白黒ツートンのジェットフォイルがこちらに向ってくるのが見えてきました!

我らがヒーロー(?)、「ビートル」の登場です。
JR九州の得意技“ボディの数々のロゴマーク”から確認すると、今日の「ビートル101便」は「ビートル2世」のようです。
よ〜く観察すると、以前とロゴ配置が異なっていたり、ボディサイド上部の「BEETLE2」の看板が無くなっていたりと変化が見られました。 どうやら「ジェビ2」の就航時に、船体のペイントデザインの統一を図ったようですね。

こちらから福岡港展望デッキで撮影した「ビートル」入港の様子が動画がご覧頂けます。

8:00になり、いよいよ「ビートル101便」の出国手続きが始まりました。

出発ロビーの「デパーチャーズボード」にずらり並んだ釜山行き。
8:30,9:00,9:30,11:30…と、まるで幹線のL特急並みの本数の多さです!


税関と出国審査を抜け、辿りついたその奥は「日本」であり、すでに「外国」。

朝早い時間ながら免税店が開いており、空港の免税店同様に「お酒」やら「化粧品」「お土産物」を買うことが出来ます。

ちなみにお弁当などの食事モノはこの「免税店エリア」には無いので、船内ですぐご飯にしたいという人は、 国際ターミナルに来る前に用意しておいたほうがよろしいかと。 国際ターミナル内にもミニショップがありますが、品揃えにはあまり期待できません。


しばらく出国ロビーで待たされた後、「ビートル101便、準備が整いましたので、 只今よりご乗船を開始いたします」と案内の声が掛かると、ぞろぞろ人の列が桟橋へと流れ始めます。

まるで田舎の駅の跨線橋のような、吹きさらしの橋を渡り始めると、さきほどの真っ白い船体が目の前に 見えてきました〜!


近くまで来ると、ガスタービンエンジンの「キーン」という音がいっそう激しく聞こえます。

この耳をつんざくような音、どこかで聞いたことがあると思ったら・・・。
そう!空港の展望デッキで聞く、航空機のエンジンの音とそっくり。


「BEETLE2」のロゴマーク。「ビートル」ファミリーの中でも、1991年就航の「ビートル2世」は最古参。
現在は「ビートル3世」「ジェビ」「ジェビ2」という家族も増え、日韓航路の人気を支えています。

「あれ?『ビートル1世』はいないの?」と思う方がいるかもしれませんが…

「1世」は元々、博多とオランダ村(のちのハウステンボス)を結ぶ国内航路に就いていたのですが、 特急「ハウステンボス」と自社内競合してしまうということで、1994年3月31日で営業を休止。
「1世」の船体は、神戸と関空を結ぶ“サファイアライン”へとリースされていきました。

その後、「サファイアライン」の廃止と日韓航路の人気により「1世」は「ビートル航路」へと戻ってくるのですが、 この時、JR九州は「ビートル1世」の愛称を復活させるつもりでいました。
ところが、JR九州「日韓航路」の韓国側受入先であり、今回の「ビートル1世」船体のリース先となる「韓国高速海運」から「韓国では“カブトムシ”は馴染みが無いので、愛称を”ジェビ(つばめ)”にしたい」という 申し出があり、結果「ビートル1世」は「ジェビ」という愛称で福岡へと帰ってきたのでした。

ですので現在の「ジェビ」の愛称の船体こそが、「ビートル1世」そのものなのです。


桟橋からいよいよ船内へ。 船内はけっこう広々としています。

指定された2階席へ上がると、縦に貫くポールこそ違和感があるもの、船内の様子は「旅客機」そのもの! ちなみに「ビートル」の乗船定員は215名。これは国際線に就いている航空各社のボーイング767-300とほぼ同じ定員数。

「ビートル」には「ファーストクラス」こそないものの、座席自体はJR特急の普通車並みで、 シートピッチもJR特急と同等かそれ以上が確保されているので、飛行機よりもずっともゆったりした空間になっています。


船体後方から見た船内の様子。

ちなみに出港直前の様子ですが、乗客のほとんどは1階席にアサインされているようで、 2階席には数えるほどしか乗客がいません。


絨毯の「市松模様」、JR九州が特急車両で取り入れているものですね。

座席も、旅客機のそれよりもJR特急の485系や783系のR55に酷似しているので、 なんだか「今から外国行くゾ〜!」というよりは「電車でちょっとそこまでお出かけです」という印象が強かったり。
デザインワークの統一というのは、こういう効果もあるんですね。

以前の座席はモケットがブラック基調だったので、さらにJR九州らしさが出ていたのですが、 どうやら「ジェビ2」就航時に「ジェビ2」のものと統一されたようです。
ブラックベースのインテリアのほうが好感が持てたのですが…もう一度あの頃の姿に戻してもらえないでしょうか…JR九州さん!


出港時間になり、いよいよ「ビートル」はゆっくりと艇走しながらタンカーが行き交う福岡港から外海へと向います。

停泊中は「船酔い」を誘発しような揺れを感じるのですが、ひとたび走り出せば全く「揺れ」を感じることはありません。
船酔いに弱い人でも、「ビートル」をはじめとする“ジェットフォイル”でなら快適な船旅が楽しめそうです。





             




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