「鉄道ファン」なら、行きに新幹線「つばめ」を使ったなら、鹿児島から福岡への戻りには「はやとの風」号や「しんぺい」号を乗り継いで行くのが オーソドックスな行程となりましょう。 が、今回はその風光明媚な山越えやループ線を捨ててでも乗っておきたい飛行機があったのです。 それこそが、戦後の日本復興のシンボルでもある「YS-11」機! 「プロジェクトX」で、そのドラマチックな開発秘話などが世間一般にも知られるようになると、 にわかに「YS-11」人気も熱を帯び始めたのでした。 まずはチェックインカウンターへ。 JALとJASの統合後、JASグループの一員だった「JAC-日本エアコミューター」もJALのカウンターに統一されました。 主に鹿児島県内の諸島へ向う便を受け持つ「JAC」なだけあって、奄美や屋久島などのおなじみの島々の空港名がボーディングインフォボードに連なっています。 |
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チケットを購入した時点で窓際を希望したのですが、指定された席は「3D」でした。 この「3番列」の席は、YS-11では窓割りが座席配置と合っていない「窓の無い窓側席」なのです。 カウンターで別の窓際席への変更を申し出ると、「1D」が空いているとのこと。 ただし、この席は身障者用スペースとなっているそうで、 「離陸までに座席の移動要請があった場合は、無条件で別の通路側の席に移動してもらいます」という 条件付きでしたが「1D」席への変更をお願いしました。 待ち時間に撮ったヒコーキの画像はこちらからどうぞ… |
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空港デッキでひとときの撮影の後、手荷物検査を受けて搭乗ゲートロビーへ。 指定されたゲートへ着いたちょうどその時、ガラス張りの向こうに1機のYS機が到着するのが見えました。 “くるん”っと機体を旋回させる瞬間を狙って、1カット、パチリ。真正面向きの「癒し系」なフェイスが撮れました。 月並みな感想ですけど… 「0系新幹線と兄弟みたいに似てるなぁ〜」 |
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やがて待機ライン上でピッタリ停まると、プロペラの回転も緩くなり完全に動きを停止させました。 |
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ドアが開くと、折り畳み式のはしごがスルスルスル〜…ッと出てきて・・・・。 |
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そのはしごがステップとなって、続々と乗客が下りてきました。 初めて見る「折り畳みステアウェイ」の動きに見とれていると、 もう1機のYSがこちらに向って来ました。 |
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立て続けに到着した2機のYSに、さらに奥には終日駐機状態のYSが1機。 日本に残っている全9機のYSの3分の1が、いまこの瞬間に鹿児島に集っていることになります。 |
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いよいよ搭乗ゲートが開かれ、ボーディングが始まりました。 ゲートを抜けた先でバスに乗り込み、ついに間近の距離でYS-11とご対面!! |
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この日の3652便は、けっこうな乗客数が乗りこむようでしたが、格段「飛行機ファン」でもなさそうな人までが (今時のファッションに身を包んだお姉さんまでが!)すぐにステアウェイを上らずにデジカメで、携帯のカメラ機能でYS機を撮影していました。 「すぐに乗り込まずに、飛行機にカメラを向けているのが自分だけだったら恥ずかしいなぁ〜」と思ったのですが、 思いも寄らぬプチ「撮影会」状態に、ちょっと安心。そして私も周りに負けずに撮りまくってしまいました(笑) JACの誘導員さんも「早く乗り込んでくださ〜い」なんて声掛けすることなく、みんなの気の済むまで 撮影させてくれました。誘導員さん「どうもありがとう〜!」 |
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最後にYSの象徴「ロールスロイス・ダートエンジン」と「プロペラ」をカメラにおさめて、 ステアウェイを上り、機上の人となりました。 |