東日本の特急を乗り歩いてきましたの続き

郡山までの新幹線高速クルーズは終了。一転して国鉄型電車での「のんびり旅行」に変わります。


郡山での乗り継ぎ列車は、今や絶滅危惧種の583系電車。
かつては本州/九州の至る所で走っていたのがウソのような数にまで減少…
今や東日本では総数15両にまで減ってしまい、 イベント的な輸送でしかお目にかかれなくなってしまいました。

今回は特別料金不用の快速電車「光のページェント」号として登場。
列車名のとおり、「仙台 光のページェント」のイベントへ行く人向けの 臨時列車です。
カラフルでポップなヘッドマークはシール式です。落ちついたカラーリングの車体には ちょっと派手かも…!?

デビューから35年。 無数のひび割れは、冬季の厳しい条件下を走りぬいてきた証し。
寝台列車でもあること示す「★マーク」

国鉄時代、夜行列車や昼行特急が毎日「満員御礼」だった頃、
「昼は座席特急、夜は寝台特急」として使える電車として開発されたのが583系でした。
これは世界で初めての試みで、後にも先にも、世界中でこのような列車はこの583系が 唯一の存在です。
なにしろ滅多に乗車する事ができない同形式なだけに、「鉄」でパニック状態までの乗車率を 予想していましたが、
あまりの乗客の少なさに唖然…。

1グループごとに1ボックスで収まる程で、私もほぼ全区間で1ボックスを占領できました。
やはり一般の乗客は少なく、その大半が「鉄道ファン」でした。
夜行列車で運転していた頃は車内が寝台車になるので、天井が非常に高くなっているのが特徴。
荷棚に荷物が載っていないと、ガランとしていて殺風景な天井の高さばかりが目立ちます。

寝台車に変身する際のベッドがそこかしこに収納されていて、独特な雰囲気の車内となっています。

【14:13】郡山駅発車。

午後2時を過ぎたばかりだというのに、太陽はすでに低く傾いて、 薄暗く寒々しい風景が続きます。

列車はかなりのハイスピードで走りますが、長年走り慣れた道のりとはいえ、 そのご老体には無理が祟るようでちょっと心配。

沿線でカメラを構えるファンの数もさほどでもなく、こちらも拍子抜けでした。
列車は途中「本宮」「二本松」「福島」と停車。
どの駅でもさほどの乗車はなく、途中「二本松」で向かいの席に乗ってきた 高校生くらいの女性も「福島」で下車して行きました。
この列車の本来の目的は、あんまり果たされていないみたいです。
(私自身もその「本来の目的」とは外れた理由での乗車ですけど(^^ゞ)
独特な車内を形成する「ボックスシート」に夕日が射しこむと、
かつての東北特急の長い長い旅路の「わびしさ」「気だるさ」までが蘇るようです。

列車は快調に走りつづけ、静かな車内には「カタン カタン」というレールの音だけが 響いて来ます。
「福島」を過ぎる頃には、すでに空は夕闇が近くなり…

最後の停車駅「白石」でも乗車/下車はほとんどなく、
まるで記憶から忘れ去られてしまったかのような 存在のまま、終点「仙台」へ…
【15:56】仙台に到着。

まだ夕刻の時間帯にもかかわらず、すでに太陽の光は力薄く…
仙台駅では多くの「鉄」がこの列車を待ちうけていて、まるで撮影会の如く シャッターを切る姿が見られました。
先頭車の、まさに先頭部分。
個人的な印象ですが、583系がもっとも美しく感じられるのが この角度からのショットではないでしょうか…?
いかつい肩とボディーにひときわ映える「涙型」の目じり(!?)にあたる デザイン処理が、なんともいえない優美さを感じます。

今までの特急電車でも見なれた窓廻りの帯とヒゲの塗装も、
この583系のブルーでは、旅への不思議な「高揚感」が沸いてきます。
本日お世話になった車輌。「モハネ583-100」

製造年月日:1971年12月17日 製造会社:川崎重工業
定員:寝台時…45名 座席時…60名 新製配置:国鉄 青森運転所

現在までに、地球をおよそ156周にあたる距離を走行




             






            
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