北の大地、ぐるり旅 北海道に初上陸してきましたの続き



【特急】すずらん4号  札幌 14:37 → 東室蘭 16:11

「すずらん」4号を待つ列は入線前から延び始め、
電車が入線する頃には、上野駅の特急「ひたち」や「あさま」を思わせるほどの列になりました。

自由席はかなりの乗車率で、ほとんどの座席が埋まりました。
指定席は1両の半室分ですが、こちらも半分くらいの席が埋まっています。
今日の「すずらん」4号の編成は、781系の試作編成。車番「901」の文字が光ります。

この781系、今でも特急車として活躍はしていますが、
次々に登場する新機構を備えた新型電車/気動車におされてすっかり看板列車の座から下りてしまいました。
もうまもなく、後継車が登場してもいい時期かも知れませんね。
札幌を発車後、大きく車内が動くのが苫小牧。ここで車内の乗客は半分以下になってしまいました。

苫小牧を過ぎると、なだらかな丘陵や牧草地帯が広がり、のどかな風景が続きます。
途中停車の「白老」「登別」は観光スポットでもありますが下車して行く人はまばらで、いかにも「用務客」といった人ばかり。

さらに「幌別」「鷲別」と、「スーパー北斗」号の停まらない駅もこまめに停まり、乗客を下ろして行きます。
「東室蘭」に到着。ここから「すずらん」号は終点の室蘭まで「普通電車」に早変わり。
ホームではたくさんの学校帰りの高校生が「すずらん」号を待っていました。

ドアが開くと同時に、高校生がドッと乗りこんできて、ホームに下りるのに一苦労です。
「下りる人が先」は常識ですよ! どこの地方でも、こういう光景は共通なのですねェ…



【特急】スーパー北斗13号
東室蘭 17:01 (17:43) → 札幌 18:18 (南千歳18:40)


次はいよいよ道内最終ランナーの「スーパー北斗」。ところが、思いもよらない放送が駅構内に響き渡りました。

「鷲別−幌別間で踏切事故が発生いたしました。詳細は情報が入り次第お知らせ致します。」
「「スーパー北斗」13号は、一つ前の「北斗」11号が事故現場にて停車中ですので運転再開のメドは立っておりません。」

やがて上り線の運転は再開し、15分ほどの遅れでキハ283系の函館行「スーパー北斗」16号が入線してきました。
「スーパー北斗」16号は通常1分の停車時間ですが、遅れを取り戻すためか、すぐに発車。
下りる人、乗りこむ人でバタバタしながら、大混乱のうちに函館に向けてものすごい加速で走り去って行きました。

そして残ったのは一陣の風と、「スーパー北斗」13号を待つ人のイライラ…

やがて放送で「間もなくスーパー北斗13号が到着いたします。なお当駅発車のメドは立っておりません。」
そんな放送が流れるや否や、「スーパー北斗」13号到着。
すでに車内には抑止で運転再開がいつになるか分からない案内が流れているのか、
車内の乗客が大挙してホームに下りてきて、タバコをふかしたり、買い物したり・・・

画像は別の号車のものですが、私に指定された席は最悪なこと修学旅行生と同じ号車。
ワーワー、キャーキャー、車内はとんでもなく騒がしく同じ号車の一般乗客は、半分あきらめ顔です。
車内で待つこと30分… 車内放送で情報が流れることもなく、周囲の人々のイライラは募るばかり。
車内販売のツインクルレディもあちこちで質問攻めにあっています。

そして17時40分すぎ。なんの前触れもなく列車は動き出しました。
あまりに突然なので、ホームに出ていた人に乗り遅れた人がいたんじゃないかと思うほど。

しかし、列車の加速は素晴らしく、あっという間に100km/h台に到達。
カーブでは惜しげもなく大きく振り子を作動させながら疾走します。
突然、列車のスピードがガクンと落ちます。ノロノロ運転で大きく大破した車を横目に、事故現場を徐行で通過。
そして、また一気に加速。速度は常に100km/h台をキープしたままで疾走。

はたして札幌で乗り継ぐ「北斗星」4号に間に合うのだろうか?
車掌室へ向うとホテルフロントのようなオープンカウンター。そのカウンタ越しに車掌さんに話しかけます。
「北斗星」6号に間に会うかどうか聞いてみるとこの先の遅れが広がる可能性があるので、
「南千歳で下りたほうが確実ですねェ。」との回答でした。
この列車の前を行くのは、183系の「北斗」号。
同じ130km/hを出せる「HET183」改造型でも、振り子運転をしない183系ではどうしても「スーパー北斗」と差が出てしまいます。

そして、ついに前の「北斗」号に追い付いてしまったようで、「只今一つ前の北斗号が登別駅停車中です。」
「停止信号ですのでお待ち下さい。」と、遅々としてスピードが上がらなくなってきました。
「スーパー北斗」13号は、車掌さんの言っていたとおり、遅れが40分から1時間10分に広がってしまいました。

結局、列車を南千歳で捨て「北斗星」4号を待つことに。 下り「北斗星」1号を下りたその駅とはなんとも皮肉な感じです・・・。

道内最後となる道のり、俊足ランナーの旅はなんとも慌しく、混乱した中での幕切れとなりました。
実は、札幌で買い物タイムを準備していたのですが、この遅れのせいでそれもパーに。
ここ南千歳駅のキオスクは閉店済み。駅の周囲にも店舗らしき建物は見当たりません。
南千歳駅の窓口の人に「このあたりでお土産が売っているようなお店はありませんか?」と聞いてみると、
「ここからエアポート号に乗って、空港に行ったら土産物屋がありますよ。」とのお言葉。

なるほど、空港か!それは思いつかなかった!さっそく、快速「エアポート」号で、新千歳空港駅へGO!
地下にもぐり、数分で空港駅に到着。
新千歳空港駅は深い青をメインに、赤をワンポイントに。こちらもデンマーク国鉄との共同デザインです。

改札コンコースからエスカレーターで上の階に上がると、あるわあるわ。土産物屋のオンパレード!
なんとかおみやげ品を買うことが出来ました。
空港駅から南千歳まではたった数分ですが、指定券を買って指定席車uシートに体験乗車。
切符を買うときも、「南千歳までですか?」とちょっと、いや、かなりびっくりされてしまいました。
この「ぐるり切符」は道内の指定席が乗り放題ですから、こんな細かなところでも使ったほうが得と言うもの。

uシート車内も北欧デザインで、ブルーをメインにレッドを所々に配色。JR九州とはまた一味違ったビビットな色使いです。
発車後、車内改札も来ることなく、すぐに地上に出て南千歳到着です。





             






            
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