釧路からは釧網本線を辿って網走へ。釧路駅で待っていたのはキハ54型の単行列車です。 車内はすでに乗客でいっぱい。地元高校生に買い物帰りのおばあさん。 旅人のおぼしき乗客は見たところ乗ってなく、完全な生活列車の雰囲気です。 発車後、うっかり眠り込んでしまい、目覚めると、釧路湿原はもう終わりかけの方でした。 湿原風景のなかを行く車窓が目玉の路線なのに、大失敗・・・・! |
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一両編成の列車は、ディーゼル音を響かせてゴトゴトと進みます。 天気は一向に晴れる気配はなく、緑に潤う湿原も、トーンが落ちて沈んだ風景に。 道を進むに連れ、人家は少なくなり枯野が続きます。 |
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キハ54型には、特急車の廃車発生品と思われる座席が装備されていました。 しかし、座席の回転はできず、 車輌中心にむかって両端から座席を配置した「集団見合い型」の配置になっています。 ですので、車内真ん中の席は4人掛けのボックス席になっています。 車内にはトイレも設置されていて、長い時間の乗車も安心。 |
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沿線には放牧場が点在していました。 馬や牛が放牧されていて、シトシト降る雨に打たれながら、のんびりと草をはんだり、座りこんだり。 思わず「お〜、ウシだ〜」とちょっと身を乗り出して窓の外を見てしまいますが、 他の乗客は、見なれた風景なのかこんな光景にも見向きもしません。 |
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釧路から1時間で「標茶(しべちゃ)」に到着。 乗客の半分が下車して行きました。しかし下りて行っただけの乗車があったので、車内は引き続きの状態。 標茶で下り列車と交換。運転本数の少ない本線なので駅での待ち合わせが新鮮に見えます。 相手方のディーゼルカーを見て初めて「SENMO-LINE」のロゴマークに気が付きました。 主役はもちろん「タンチョウ鶴」です。 |
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画像は「南手子屈(みなみてしかが)」駅の駅舎です。 この駅に限らず、この路線の小駅はみな、こんな風情です。 しかもよくよく見ると、昔の貨物列車の最後尾に連結されていた「車掌車」のなれの果て・・。 比較的大きな集落が見えてくると「摩周(ましゅう)」に到着。 この駅で大半の乗客が下車して行き、車内は一気に静かになってしまいました。 |
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<「摩周」からは、いよいよ奥地の風景に変わります。 深い森を抜け、朽ち果てそうなトンネルに吸い込まれ闇を抜けるとまた荒地。 途中の駅で乗客が下りて行きましたが、見渡しても付近に人家はなく、いったいどこへ帰るのでしょう・・・。 乗客も少なくなり、軽くなった列車はゴロゴロゴロ・・・と音を立てて走って行きます。 |
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途中、緑駅で2度目の下り列車との交換。さきほどの「標茶」から1時間ぶりに対向列車と出会いました。 向こうも同じキハ54型。ここで運転手さんが交代ですが・・・ よく見ていると、向こうの運転手さんがこっちに乗ってきて、こちらの運転手さんは向こうの列車に乗りこんでいきました。 ここで、来た道を折り返す行路のようです。 |
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清里町まで来ると沿線に人家が戻り始めました。 知床斜里を出て大きくカーブすると、海がグーンと迫ってきました。これこそが「オホーツク海」!! ちょうど雲の切れ間から太陽の光がこぼれ、波間に光が輝きましたが、あっという間にまた曇り空に逆戻り。 寒々しい北の海がひたすら続きます。 列車の後ろから去って行く風景を見ていると、海の向こうに知床半島が遠く見えました。 |
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臨時停車場の「原生花園」駅にも停車。ここから数人のハイカーが乗ってきました。 ここからは網走まで、もうすぐです。国道と併走しながら、風景は徐々に都会に近づいて行きます。 |
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やっと終点・網走に到着!!実に3時間半のローカル線普通列車の旅でした。 ホームに下りたつと、乗り換え階段に向って猛然とダッシュ! 次に乗る「オホーツク」号まで、たった3分の乗り継ぎなのです!! そしてダッシュしているのは私だけではなく、「オホーツク」号をめざす数人の乗客も必死にダッシュ! 体を伸ばしている間もなく、当然「網走監獄」を模した駅舎なども拝めるはずもなく、慌しく東の果ての駅をあとにします。 |
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