北の大地、ぐるり旅 北海道に初上陸してきましたの続き



釧網本線 4736D〜9736D〜4738D 釧路 13:50 → 網走 17:16

釧路からは釧網本線を辿って網走へ。釧路駅で待っていたのはキハ54型の単行列車です。
車内はすでに乗客でいっぱい。地元高校生に買い物帰りのおばあさん。
旅人のおぼしき乗客は見たところ乗ってなく、完全な生活列車の雰囲気です。

発車後、うっかり眠り込んでしまい、目覚めると、釧路湿原はもう終わりかけの方でした。
湿原風景のなかを行く車窓が目玉の路線なのに、大失敗・・・・!

一両編成の列車は、ディーゼル音を響かせてゴトゴトと進みます。

天気は一向に晴れる気配はなく、緑に潤う湿原も、トーンが落ちて沈んだ風景に。
道を進むに連れ、人家は少なくなり枯野が続きます。


キハ54型には、特急車の廃車発生品と思われる座席が装備されていました。
しかし、座席の回転はできず、 車輌中心にむかって両端から座席を配置した「集団見合い型」の配置になっています。
ですので、車内真ん中の席は4人掛けのボックス席になっています。

車内にはトイレも設置されていて、長い時間の乗車も安心。


沿線には放牧場が点在していました。
馬や牛が放牧されていて、シトシト降る雨に打たれながら、のんびりと草をはんだり、座りこんだり。

思わず「お〜、ウシだ〜」とちょっと身を乗り出して窓の外を見てしまいますが、
他の乗客は、見なれた風景なのかこんな光景にも見向きもしません。


釧路から1時間で「標茶(しべちゃ)」に到着。
乗客の半分が下車して行きました。しかし下りて行っただけの乗車があったので、車内は引き続きの状態。

標茶で下り列車と交換。運転本数の少ない本線なので駅での待ち合わせが新鮮に見えます。
相手方のディーゼルカーを見て初めて「SENMO-LINE」のロゴマークに気が付きました。 主役はもちろん「タンチョウ鶴」です。

画像は「南手子屈(みなみてしかが)」駅の駅舎です。
この駅に限らず、この路線の小駅はみな、こんな風情です。
しかもよくよく見ると、昔の貨物列車の最後尾に連結されていた「車掌車」のなれの果て・・。

比較的大きな集落が見えてくると「摩周(ましゅう)」に到着。
この駅で大半の乗客が下車して行き、車内は一気に静かになってしまいました。
<「摩周」からは、いよいよ奥地の風景に変わります。
深い森を抜け、朽ち果てそうなトンネルに吸い込まれ闇を抜けるとまた荒地。
途中の駅で乗客が下りて行きましたが、見渡しても付近に人家はなく、いったいどこへ帰るのでしょう・・・。

乗客も少なくなり、軽くなった列車はゴロゴロゴロ・・・と音を立てて走って行きます。
途中、緑駅で2度目の下り列車との交換。さきほどの「標茶」から1時間ぶりに対向列車と出会いました。

向こうも同じキハ54型。ここで運転手さんが交代ですが・・・
よく見ていると、向こうの運転手さんがこっちに乗ってきて、こちらの運転手さんは向こうの列車に乗りこんでいきました。
ここで、来た道を折り返す行路のようです。
清里町まで来ると沿線に人家が戻り始めました。

知床斜里を出て大きくカーブすると、海がグーンと迫ってきました。これこそが「オホーツク海」!!
ちょうど雲の切れ間から太陽の光がこぼれ、波間に光が輝きましたが、あっという間にまた曇り空に逆戻り。
寒々しい北の海がひたすら続きます。

列車の後ろから去って行く風景を見ていると、海の向こうに知床半島が遠く見えました。
臨時停車場の「原生花園」駅にも停車。ここから数人のハイカーが乗ってきました。

ここからは網走まで、もうすぐです。国道と併走しながら、風景は徐々に都会に近づいて行きます。
やっと終点・網走に到着!!実に3時間半のローカル線普通列車の旅でした。

ホームに下りたつと、乗り換え階段に向って猛然とダッシュ! 次に乗る「オホーツク」号まで、たった3分の乗り継ぎなのです!!
そしてダッシュしているのは私だけではなく、「オホーツク」号をめざす数人の乗客も必死にダッシュ!

体を伸ばしている間もなく、当然「網走監獄」を模した駅舎なども拝めるはずもなく、慌しく東の果ての駅をあとにします。





             






            
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