北の大地、ぐるり旅 北海道に初上陸してきましたの続き



【特急】おおぞら3号 南千歳 9:27 → 釧路 13:43

南千歳からは、石勝線経由で一路、釧路へ。
所要時間は約4時間30分。昼間の特急としてはかなり長めの旅路です。

入線してきた「おおぞら」号は、国鉄時代のキハ183系ですが、JR北海道らしい シャーベットトーンの爽やかなカラーリング。
2両目には2階建てのグリーン車が連結されていました。

車体を飾るロゴは「HET183」。何の略語かは見てのとおりです。
以前は「スーパーとかち」のロゴが入っていたと記憶していますが、
近くでよ〜く見てみると、うっすらと「SUPER TOKACHI」の文字が浮かび上がっていました。
列車は南千歳を出ると千歳線から離れるように大きくカーブし、景色はどんどん山深くなって行きます。
少ない平地部分は牧草が茂り、緑の絨毯のよう。

ディーゼル駆動のエンジン音が座席の全体にまで響き渡り、電車とは違うということを実感。
惰行運転で流したあと、すぐにディーゼルフル回転で力行運転。 少しもその運動を休めることはなく、精一杯に走り続けます。
トマム駅で小休止。単線のため、上り「スーパーおおぞら」号との行き違いをしばし待ちます。
やがてスノーシェルターに白い光を反射させ、青に続いて、ステンレスシルバーが弾丸のように流れて行きました。
少しの減速もせず、全くの手加減なしのフルスピード!

アッという間の通過で、まざまざと最新鋭列車キハ283系のパワーとスピードを思い知らされました。
ちなみに先頭車は、ランプケースが角張ったデザインのキハ283系先行試作車でした。
帯広を出てから、帯広から積み込みの「豚丼」と「十勝カマンベールチーズケーキ」を購入しました。

この「豚丼」も私が購入したすぐあとに売切れになりギリギリセーフでした〜。
甘味タレの豚肉は見た目より柔らかく、なかなかの味でした。
厚内を過ぎると、右手に太平洋が迫ってきました。
海岸に人影はなく浜辺に打ち上げられた海藻や漁業用の網が静かに朽ち果てて、物寂しげな雰囲気です。

線路は、海岸線と離れたり近づいたりを繰り返しては東へ東へと進み、列車はひた走ります。
海辺の集落は、トタンの壁も屋根も赤錆色。人の気配を感じさせない、まるで日本ではない別の国の風景のようです。
となりの車両は2階建て構造のグリーン車。
2階グリーン席は、通路とはスモークガラスの自動ドアで仕切られていて、「特別な空間」という雰囲気が漂っています。

1階部分は普通指定席個室。通路のデザインは、シティーホテルを思わせる雰囲気です。
これが普通個室の室内です。ちょっと見た目には狭そうですが、意外と奥行きがあるので広々としています。
個室料金や特別料金は不用で、指定席特急料金だけで利用できるのが魅力。

スピードアップに重心の高い2階建て車は高速化のネックとなるため、「スーパーおおぞら」では2階建て車を連結していませんが、
多彩な空間を展開できる2階建て車は、スピードで勝てない分を充分に補える素晴らしい存在です。
しだいに緑の平原は枯れた草木に変わり、荒涼とした大地が広がり始めます。

そこに人の生活臭は全くなく、ここは日本かと目を疑うほどの風景。
その中を駆けてゆく「おおぞら」号はこの風景に、いったいどのように映るのでしょう。
外からこの列車の走りゆく姿を1度見てみたいですね。

荒地の中にポツポツと沼が現れ始め、しだいに湿原へと風景は変わります。 水のある大地でも草木に緑はなく、続くのは枯れ野。
終点・釧路まであと十数分の地点の景色とは到底思えません。

やがて車窓に国道が現れて、車の往来があり家が建ち始め、人里に戻ってきたことに 不思議と安堵の感を覚えます。

車内放送が釧路到着を告げると、急に車内は慌しくなりました。 やはり、ほとんどの乗客が札幌から乗りとおしたようです。

終点の釧路には定刻の到着。長い長い距離を走ってきたのですが、数分の遅れもなく到着です。

釧路についたときには、なぜかヘッドマークが札幌と函館を結ぶ「北斗」号の表示になっていました。
ダブルデッカーの車輌です。基本的に「スーパーとかち」時代と変わっていないようです。

2階部分の窓は、グリーン座席の肘掛部分が窓の下辺なので、かなりワイドな窓ガラスを装備しています。





             






            
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