特急「オホーツク」で活躍中の平屋構造グリーン車です。 形式は「キロハ182」を名乗り、普通車と合造となっています。そのためグリーン席定員は21名とやや少なめ。 キハ281系「スーパー北斗」タイプの座席を装備していますが、オーディオ装置の搭載は省略されています。 デッキは車体中央に設けられ、グリーン席と普通席を分けていますが、ここに電話室と喫煙ブースが設置されています。 業務用区画(車販スペース?)だったところに簡易改造を施しただけのつくりで、素人目にも「?」な感じが漂います。 |
「北斗」「とかち」系統で使われているハイデッカー・グリーン車はキハ183系「北斗」のページをご参照いただくとして、 ここではメイン画像に据えている、他のハイデッカーグリーン車とは一味違っている「キロ183-508」について。 ハイデッカーグリーン車は、北斗用130km/h対応の183系2550番台もあわせて、8両が存在します。 この8両、基本的には画像のように“噴火湾ブルー”を用いた「HETカラー」と呼ばれる塗装になっているのですが、 「キロ183-508」だけはどうしたことか、ブルーではなくラベンダーで塗られています。 また、この一族はキハ281系のグリーン席をベースに、オーディオ装置を省略したタイプの座席が搭載されているのですが、 ここでも「キロ183-508」だけはオーディオ装置を装備した座席を搭載して“異色”っぷりを醸し出しています。 シートモケットも、他車はキハ281系仕様なのに対して、この車両だけはキハ283系仕様になっています。 車内備え付けの無料配布冊子「JR-HOKKAIDO」にはオーディオサービスの案内が掲載されていますが、 この車両が「とかち」へ投入されるのを見越してか、しっかり「とかち号オーディオ番組案内」が載っています。 |
現在の「スーパーとかち」といえば、キハ283系やキハ261系が充当される高速振り子特急ですが、 ちょっと前までは「2階建グリーン車を連結した、リゾート風特急」のことでした。 2階がグリーン席・1階が普通車個室で構成される「キサロハ182」は、同列車の「定期特急のリゾート列車化」を狙ったもの。 グリーン席は画像が無いので、JR北海道のパンフレットから拝借してますが、空間全体がかなり狭く見えることから、 搭載されていた座席がかなり大型のハイバックシートであったことがうかがえるようです。 このグリーン席には、当時のリゾート特急ではおなじみであった液晶パーソナルTVが全席に搭載されていました。 シートピッチは1,180mm。インアームテーブル・読書灯・スポット空調を装備しています。 最初は、画像のようなピンク系のモケットでしたが、後にキハ283系グリーン席に似た雰囲気のモケットに変更され、 パーソナルテレビも全て撤去されてしまいました。 1階には、現在でもあまり例のない普通個室(普通車料金で利用できる個室)が5部屋設置されていました。 特急指定券に個室料金(札幌−帯広で4,000円でした)を追加すれば1人でも2人でも利用できるという料金システム。 この個室の最大の特徴はソファー部分が可動式で、常に進行方向向きにセットできるという点。 左右の壁面には「背もたれ」となるクッション材が貼られていて、ヘッドレストも取り外し式で着脱自在でした。 室内には空調の操作パネル・室内灯の調節パネル・オーディオスイッチがあり、「個室」らしい設備が揃っていました。 この2階建車両、現在は高速運転の「スーパー」特急に王座を明け渡し、 その特殊な用途から活路を見出せずに「釧路運転所」で保留扱いとなっています。 ディーゼルエンジンを持たない付随車、かつ2階建という大重量スペックが現在の状況下ではネックのようで、 わずか10年ほどで活躍の場が失われてしまったのは残念というほかありません。 (2階グリーン席の画像は「スーパーとかち登場告知パンフレット」のものです。) |
「オホーツク」では、「R51」シートを搭載した車両がまだかなり投入されています。 このタイプの座席、しばしば「簡易リクライニングシート」と称されますが、 最大傾斜角度でストッパーが効くタイプの座席ですので、厳密には「簡リク」ではありません。 でも、今やフリーストップ・リクが当たり前の時代にこの座席では「簡リク」と呼ばれても仕方ないかも。。。 モケット柄は大多数を占めるのが「タンチョウ柄」。ヘーゼルナッツが懐かしい「オリジナル」タイプのほか、 ごく少数派に「ラベンダーカラー」も存在するようです。 ちなみにJR北海道のキハ183系はリニューアル・リフレッシュ工事のテコ入れがマチマチで、 座席タイプの換装から座席モケットの種類・床面張り替え・デッキ仕切りドア交換・仕切り壁面張り替え 荷物棚飾り帯張り替え・カーテン交換などの観点で調べ始めると、そのとてつもないバリエーションにもはや「泥沼」状態。 おおよそ全てを調べ上げて把握するのは不可能に近い状態です。 |
国鉄特急車リニューアルの王道である「R55」シートを搭載した車両です。 この「R55」を装備している車両は比較的モケット柄が固定されていて、「タンチョウ」「ヘーゼルナッツ」、 そして下で紹介している「北斗タイプ」の3種類にまとまるようです。 ただ、ご覧のようにソデ体とテーブルがラベンダー・肘掛けがグレイッシュブルーに仕上げられている座席もあり、 調べ始めると一筋縄ではいかないような予感。。。。 |
「R55」タイプで、主に特急「北斗」の2550番台に装備されているのが、この茶色系の「北斗タイプ」 2550番台はリフレッシュ工事が集中的に行われたためか、車内インテリアのバリエーションが統一されています。 詳しくはキハ183系「北斗」のページをご参照下さい。 |
主に「とかち」系統の車両で見られる「785系SWAタイプ」と「キハ283系タイプ」の座席を装備した車両です。 共に新型特急車両の座席を、ほぼそのままのスタイルで持ってきているので、 数あるキハ183系シートバリエーションの中では間違いなくトップクラスの快適さでしょう。 「785系SWAタイプ」はほぼ全てが「タンチョウ柄」となっていますが、ごくごく少数派に「ラベンダー」が存在する模様。 この座席は「スーパーとかち」(2階建車両連結列車)登場時のリニューアルで搭載され始まったのが最初のようです。 「キハ283系タイプ」は、全てがキハ283系の初期タイプの座席をタンチョウ柄のままで搭載しています。 ちなみにシートピッチは標準940mmですが、しっかり跳ね上げ式のフットレストを装備しています。 |
「サロベツ」「はなたび利尻」で見られる、「キハ261系タイプ」の座席を搭載した車両です。 市松模様の床面に、緑・赤・青の原色シートが“Tilt261”の雰囲気を醸し出しています。 指定席車両(グリーンとレッドの席)はシートピッチ拡大が図られていて、1,040mmピッチとなっています。 当然ながら、窓割りがあっていませんので「柱とにらめっこ」な席がいくつか存在します。 この指定席車両、なんと「全席側面壁下部にコンセントを設置」という爆裂出血大サービスっぷり。 自由席車両(ブルーの座席)は、940mmピッチのままで座席の換装だけが行われています。 ご覧の通りですが、残念ながらこちらには、コンセントは設置されていません。 |
「まりも」「夜行オホーツク」「はなたび利尻」に連結されているスハネフ14・オハネ14型寝台客車です。 14系客車なので、183系気動車とは全くの別形式・別カテゴリですが、両形式を併結した夜行特急は北海道ではおなじみ。 客室はオーソドックスな上下2段式の「B寝台」となっていて、モケット変更などのリフレッシュ工事が行われています。 夜行特急での運転時には、毛布・マクラ・リネン類・ハンガー・スリッパがセットされ、寝台特急と同じサービスが受けられます。 スハネフ14型の13番・14番区画は女性専用寝台となっていて、ピンク色の「女性席」シールが貼られています。 同じくスハネフ14型の15番区画は壁と向かい合わせですが、どことなく隔離された雰囲気があるので、 ちょっとした「二人用個室」感覚で利用できます。 オハネ14型のほうには「更衣室」が設置されていて、スハネフ車15番区画のような寝台はありません。 スハネフ14型−−「まりも」2号車・「夜行オホーツク」3号車・「はなたび利尻」3号車 オハネ14型−−「まりも」3号車・「夜行オホーツク」「はなたび利尻」では基本的に連結なし (基本編成で運転時の号車位置となります。増結時・検査での代車運転時などでは異なる場合があります。) |
デッキとは反対側の車端部に洗面台とトイレがあります。トイレはいずれも和式。 洗面台はご覧のように、簡単なパーテーション設置工事が行われていて、完全に2区画に分かれています。 一部の車両にはドリンクの自販機が設置されていて、車内販売のない夜行運転でも飲み物は手に入ります。 |
サニタリーコーナーのリフレッシュ度合いは、これまた車両や時期によってまちまち。 「北斗」系統と宗谷特急「サロベツ/はなたび利尻」は、基本的に洋式トイレで統一されているようです。 一方「オホーツク」系統は、古めかしい和式トイレに陶製シンクの洗面台を備えた車両が大多数です。 |