1996年3月、北近畿エリアの山陰本線などの電化開業に伴い、ディーゼル特急・急行は183系型電車特急へと一斉に姿を変えました。 この時、行先方向別に特急愛称が設定され、一挙に「まいづる」「はしだて」「きのさき」「たんば」「文殊」の愛称が生まれ、 既存の「北近畿」を加えて、北近畿エリアは様々な愛称の特急が行き交う“特急街道”となりました。 これら特急は京都・大阪から福知山を経てX字状にネットワークを形成していることから、 「北近畿ビッグXネットワーク」というネーミングが生まれました。 このエリアで活躍している183系特急は、485系特急から交流機器を撤去改造を施したもので、JR東日本などに残る183系とは別物。 外観は先頭部屋根上のヘッドライトなど、485系の頃の姿をよく残しています。 2011年3月より新型特急287系の投入が行われ、「北近畿」「文殊」の愛称は「こうのとり」へと変更。 183系も徐々に287系へと置き換えられる予定で、183系は順次引退となる予定です。 |
ここで紹介しますのは、B編成と呼ばれる国鉄色にピンストライプを追加した外観塗装の編成のグリーン車になります。 「クロハ」と呼ばれる、グリーン車と普通車の合造構成になった車両で、グリーン車内は2+2配置の4列構成。 全16席の小さな空間となっています。 (このほか、ブルーとベージュをベースにした新塗装の編成があり、こちらは1両丸々グリーン車の「クロ」。座席は281系「はるか」と同じものが搭載されています) 座席は、京都総合車両所に所属の583系(きたぐに編成)のグリーン席と同じタイプのもののようです。 シートピッチは最大1,200mmで、標準的な1,160mmより少々広めになっています。 座席周りの設備は、テーブルはインアーム収納タイプのみを装備。背面収納テーブルはなく、背面には小物ポケットだけが付いています。 リクライニングは、肘掛先端の小さなレバーを上に上げると倒れる仕組み。リクライニング量はかなりのもので、この点だけはリッチな気分に。 足元にはフットレスト。収納と展開の2ウェイのみで、高さ調節などはありません。床面はカーペット敷きで防音はそこそこ。 グリーン席にして致命的なのが、普通車時代の窓割にグリーン車ピッチで座席を配置したため、窓割が全く合わない座席がある点。 下り列車基準で、2番列は完全に窓間の柱に当たってしまいます。1番列は窓柱に近く、ここも車窓を楽しむには位置的に微妙な列。 3番列だけが「当たり席」と言えるかもしれません。 普通車との間にはちゃんとドアが設置されていて、空間を仕切ることで「グリーン室」として独立した空間を作っています。 仕切り間には縦長の荷物置き場があり、下段にはゴルフバッグやスーツケース、上段にはボストンバッグやキャリーバッグが収納できそうです。 |
普通車の座席は、数編成を見た限りでは車両によって2タイプが混在しています。 485系のリフレッシュ改造でお馴染みさんの「R55」型と、オリジナル「R51」にリクライニングストッパーをつけた「R51C」型。 「R55」のほうが多数派のようで、「R51C」のほうは一部先頭車に残っているという程度のように見受けられました。 おおよそ、利用時には「R55」のほうに当たることが多いのではないでしょうか。 座席モケットは、ダークブラウンとシルバーブルーのツートンで、どちらのタイプの座席も同じものが使われています。 ヘッドレストカバーの背面部分には、乗車券・特急券を入れるポケットが付いています。 乗車中の様子を見ていると、このポケットに券が入っていると車掌さんは黙って抜き取り車内改札を進めて行きます。 乗車後すぐにポケットに券を入れて居眠り始める乗客もいて、利用者にもこの小さなポケットの存在は浸透しているよう。 シートピッチは従来からの標準910mm。今や特急でこのシートピッチは狭いと感じてしまいます。 国鉄色を纏ったB編成の普通車はピッチ拡大が行われていない分、窓割りは全席で合っているので指定席利用時には安心。 (その他編成で「スーパー雷鳥」などからの転入車はピッチ変更が行われていて、窓割が合わない車両があります) |
サニタリーコーナーは各車両のデッキに設置。グリーン席のある車両は洋式トイレ、その他の車両は和式トイレとなっています。 缶ジュースの自動販売機は、B編成では車掌室のある2号車か4号車に設置されています。 |