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鹿児島中央駅近くのレンタカー屋で車を借りて、目的地を目指します。
過去にトヨタ「Will Vi」、日産「マーチ」をレンタカーで借りたことがありますが、今回は軽自動車で車種は事前に選べないかたちでの予約。
現地で貸し出されたのは、日産「ピノ」でした。
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鹿児島中央駅前から走ること約1時間30分。南さつま市の海岸線までやってきました。
駅前を出たときはドンヨリとした曇り空でしたが、このあたりの空は真っ青に快晴。
海の青と空の青のコントラストに、旅気分が高まります!
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やって来ましたのは、今回で3回目の訪問となる「笠沙恵比寿」です。
前回来たのが2003年の7月でしたから、ちょうど6年ぶり。
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今晩はここに一泊。チェックインを済ませて部屋へと入ります。
ロフトタイプの客室は、1階が和室のリビングルーム、2階が洋室のベッドルームになっています。
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2階ロフトから見下ろした1階リビング。必要最低限なものだけ揃えた、シンプルな部屋。
室内には琉球畳が使われているそうで、部屋に入ると今でも畳のいい匂いがフワリとします。
テレビ・冷蔵庫・電話があり、洗面台とトイレも完備されています。
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2階ロフトの洋室ベッドルーム。ほんとにベッドが2台とナイトテーブル置かれているだけで、ほかには何もありません
このシンプルさがいいのです。
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この「笠沙恵比寿」は、ドーンデザインと水戸岡先生の主導でデザインがなされています。
部屋の座布団もご覧のとおり、どこかで見たことのある柄のものが。
私もその1人ですが、フロントの方の話では、ここを訪れるJR九州のファンやドーンデザインのファンも少なくないそうです。
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和室の真ん中には、ちゃぶ台。 その上には茶器とお茶菓子が用意されています。
このちゃぶ台、木を削り出しのままに組み上げたようなもので、ニスなんかも塗られた様子が無く、木そのものという感じです。
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部屋を出て、併設の(というかこちらが施設のメイン?)の博物館を見に行きました。
以前来た時は、博物館の閉館時間後の到着だったので、博物館をじっくり見るのは今回が初めてです。
大きなホールには、笠沙地方の漁業に関する展示物が並んでいます。
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東シナ海を漂流して、笠沙の海岸線に打ち上げられた様々な物が、実物のままに展示してありました。
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ペットボトルやプラスチックケースの類。やはり韓国や中国のものがほとんどです。
中には、中国にいた頃に見覚えのあるミネラルウォーターのペットボトルも。
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こちらは食品のビニール包装やライター、洗濯粉のパッケージなど。ほんとに何でも流れ着くんですね・・・。
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こちらは「ゴミ」の類ではなく、海の生物が力果てた末に流れ着いた亡骸の数々。
カメの骨なんて、初めて見ました。
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ヨットに関する資料を集めたライブラリー。世界一周を成し遂げたヨット「垂乳根号」についての資料も多くあるようでした。
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「蔵」のような建物の中は映像シアター。
笠沙の町や海を空撮でダイナミックに、まるで飛んでいるかのように見せる映像が流れていて、思わず見入ってしまいました。
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中庭を通って、宿泊施設のあるメインの建物へ戻ります。
どことなく琉球文化が混ざったかのように見えるカラフルな建物は、ドーンデザインお得意のドット模様や市松模様、縞模様が随所に。
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フロント脇にはミュージアムショップ「萬屋」。
「萬屋(よろずや)」というだけあって、オリジナルグッズや笠沙の特産品、笠沙で作られた焼酎など品揃えは豊富。
宿泊者向けにアメニティ類や食品・飲料なども取り揃えられていて、宿泊中も便利に使えるお店です。
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まだ夕方の早い時間ですが、もうお風呂の用意ができているというので先に入ってきちゃいました。
この日は大きな展望浴場が女性用で、男性は小浴場と海水ジャグジーが使えるようになっていました。(翌朝は男性用と女性用が入れ替わる)
海を眺めながら大きなジャグジーに浸る・・・至福の一時で、身も心もサッパリ!
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過去2回ここに来た時はいずれも天気が悪くて、ここに来たお目当てが中止でガッカリでしたが・・・・
今回は天気もよく、ついに念願の「お目当て」がかなう時が来ました!
海に沈む夕陽を、船に乗って大海原の真っ只中で見ようという「サンセットクルーズ」です!
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ちなみに、乗り込むのはこんな船です。「クルーズ」というと、豪華なクルーザーなんかを想像しそうですが・・・(笑)
引退した漁師さんから譲り受けた漁船を、笠沙恵比寿で使うように改造した船だそうで、船自体は今でも漁船そのもの。
逆にこういった船のほうが海との距離感も近くて、波の揺れや海風をダイレクトに感じられそうです。
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いよいよ日の入りの時間が近づいてきました。
厚い雲に遮られてしまっていますが、空はもうオレンジ色一色です。
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もう完全な日の入りを迎える直前の頃。
強い光に照らされて、陰陽のコントラストを造る雲と鋭利な反射に揺れる波。確実に動きながら沈んで行く太陽の姿を、海の上から見守ります。
漁船に乗り込んだ誰もが、自然の作り出すダイナミックな「ショー」に、言葉も出ずに固唾を呑んでその姿を見届けます。
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太陽が完全に沈むと、空は一気にオレンジ色から群青色へ。まるで境目から海と空が反転したかのような2つの青のコントラスト。
まさに昼から夜へと変わる瞬間の中を、漁船はゆっくりとしたスピードで桟橋へと戻ります。
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大海原の真っ只中から笠沙恵比寿へと戻ってきました。クルーズは約1時間ほど。
明かりの灯った建物が近づいてくると、なんだか我が家に帰ってきたかのような「ホッ」とした安堵感が漂います。
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桟橋で船を下りて、宿泊棟へと戻ります。
桟橋デッキから眺めた建物は、まるで神聖な神殿のよう。
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「サンセットクルーズ」から戻ってくると、食事の準備ができているというのでレストランへ。
レストラン「秋太郎」は、木のぬくもりに溢れた温かみのあるインテリア。
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宿泊客の夕食は、「岬の宴」というコース料理が振舞われます。
まずは「地魚盛り」。 笠沙の海で獲れた魚の刺身の盛り合わせ。
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続いては「焼き物」。 ヒラスの西京焼きです。
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コース内の「鍋物」は、夏なので「冷やし豚しゃぶサラダ」。
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これらメインのほかに、「茶碗蒸し」「白身魚の野菜甘酢あんかけ」「高菜」「「タカジ潮煮」「ゆかりご飯」「豚汁」が出てきました。
一見すると量がそんなに多くないように見えますが、けっこうお腹いっぱいになります。
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最後はデザート。 笠沙恵比寿特製グラスに入っているのは「アップルゼリー」。
リンゴ特有の匂いと甘さの中に、サワーのようなあっさりした味わいで、これなら何杯でもいけてしまいそうです。
このほかにも単品メニューやドリンクメニューもあり、コース以外にも海の幸やワイン・笠沙焼酎も楽しめます。
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周辺にはコンビニやレジャー施設は無く、「笠沙恵比寿」は本当の意味で「田舎の夜」に包まれます。
建物のすぐ目の前は海と漁港。客室にいても、耳を澄ますと波の音と海風の音が聞こえてくるほど静か。
時間の流れはいつもより3倍くらい長く、ゆっくりとしたものに感じられ、「笠沙恵比寿」の夜は更けていきます。
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