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仙台を発車した後も順調に東北本線を快走。

前回の乗車時には運転打ち切りとなってしまった「白石」駅も一瞬で通過。 「北斗星」4号は快走を続け、ひたすら南下していきます。


沿線のあちらこちらでは、この3月でお役御免となった455系電車が留置されているのが見られました。
常磐線の415系電車同様に、郡山工場に運ばれて解体される順番を待っているところでしょう。

新幹線開業前には、長大編成を組んで東北本線の急行電車として活躍していた電車ですが、 ローカル電車としての役割も終焉を向かえ、いよいよ完全引退は目前のようです。


さて、朝食を摂りに食堂車へ。

この日の「北斗星」号は個室もB寝台もほぼ満席満室状態でしたので、食堂車も朝から満卓大盛況。
しばらく個室でのんびりしたあとに、8時00分過ぎに再度食堂車へ行ってみました。 半分くらいのテーブルが埋まっていたものの、オープン直後のガヤガヤしたうるささは無く、 優雅なインテリアの食堂車に似合う落ち着いた雰囲気でした。


メニューを手に取ると、 モーニングは以前の「和定食」「洋定食」というスタイルではなく、共通食材にパンセットか御飯セットを選ぶというものに変わっていました。

パンセットを注文して、クリスタルランプ越しにしばし遅い朝の食堂車の車窓を眺めます。  途中停車の郡山駅ではまだ朝の通勤通学の風景。ホームで通勤電車を待っている人たちから食堂車へ注がれる視線がこそばゆい!  この、窓1枚を隔てた内と外の世界の大きな違いこそが、朝のブルートレインの「優越感」。


テーブルに並べられた朝食は・・・・以前のスタイルとは大きく違って、 1枚プレートになっていました。

ハムはウインナソーセージになり、フライドポテトは蒸かしたポテトに。そして和食と食材を共通化のためか、魚料理が追加されています。 ヨーグルトと季節のフルーツも、両者を和えたものになっています。
全体のグレードは上がりも下がりもしていないように思いますが・・・なんかパッと見が「ファミレスのモーニングプレート」に見えるのは私だけでしょうか(^_^;


自分の寝台でのんびり朝ごはんにしたいという人には、テイクアウトのお弁当やサンドイッチがおすすめ。こちらも仙台からの積み込みです。

そのほか、北斗星グッズや北海道のお土産品、シャワーセット(シャンプー・タオル)も販売されています。


上りの「北斗星」なら、編成最後尾のデッキから後展望が楽しめます。 (下り「北斗星」は最後尾が電源車なのでこの展望が見られません)

列車は、撮影地として有名な鉄橋を通過中。数々の特急・急行がひっきりなしに行き交った東北本線ですが、 今やすれ違うのは、短い編成のローカル電車と長い編成の貨物列車ばかり。


「カシオペア」「北斗星2号」が10時前に上野駅に着いてしまうのに対して、この「北斗星4号」の上野着は11時過ぎ。 午前中の長い時間をまったりと車内で過ごせるのが「北斗星」4号の利点です。

ロビーカーではソファーに腰掛けて外を見つめる旅人がいれば、仲間との談笑に華を咲かせるグループもいて、 ゆるやかで贅沢な時間が流れています。


自室へ戻り、シーツや毛布を片付けてベッドをソファーにすれば、「ロイヤル」はベッドルームからリビングに早変わり。

こうしてみると、あらためて「ロイヤル」の室内の広さを実感。たった一晩を過ごすだけの空間には勿体無いようで、 数日間乗り続ける「超・長距離列車」としての「ロイヤル」をぜひ体験してみたいものです。


「黒磯」を過ぎ「宇都宮」に着く頃には、すれ違う列車も見慣れた湘南カラーのステンレス電車が増え、いよいよ首都圏そして終点が近いことを感じさせます。

車窓に見える貨物列車の機関車も、赤ベコ「ED75」から青い「桃太郎」へ。


「大宮」駅に到着。様々な路線が交差する交通の要所なだけあって、予想以上の乗客がここで下車していきました。

「鉄道好き」なら、ここまで来たら終着「上野」まで乗るだろうと思うのですが、 一般の利用者で新宿・横浜方面へ帰るという人には、上野まで行くより、ここ大宮で湘南新宿ラインに乗り換える「便利さ」のほうが 実際に支持されているみたいです。


大宮駅を出ると、すぐに車窓を横切っていくのは東武鉄道のロマンスカー「スペーシア」。

新宿発の「スペーシアきぬがわ」号ですが、JR・東武の直通運転が始まって1周年を迎えた今でも、 JR線上で「スペーシア」と出会うと一瞬驚きます。


「浦和」「赤羽」と快調に通過。お隣を走る京浜東北線の電車もラクラク追い抜かして行きます。

「尾久」の広大な車両基地と機関車基地が見えてくると、もう終点「上野」はすぐそこ。 車内放送が「終点での乗り換え案内」を告げると、急に名残惜しさが込み上げてきます。


ガクンとスピードを落として、大カーブに車輪を軋ませながら上野駅地平ホームへと吸い込まれていく「北斗星」。

はるか遠い地から一夜をひた走ってきたブルートレインが終点へと滑り込んでいく・・・ 何度体感しても、この瞬間には充実感と寂しさが交じり合った何ともいえない気分が満ちてきます。


「上野」駅到着。定刻より10分ほど遅れてのフィナーレでした。
薄暗い13番線ホームは、北海道での楽しかった思い出に沸く乗客たちの笑顔で包まれます。 ブルートレインの終点で見られる「倦怠感」のようなものが、「北斗星」では感じられないのがさすがの存在です。

今回乗った「ロイヤル」は、「オロハネ24-501」。 JR東日本の「北斗星用予備車両」で、この時期の増結車と繁忙期の臨時「北斗星」、稀にある検査時の代車でしか本線上に現れない、ちょっとレアな車両です。


カシオペア専用機に掲げられた「北斗星」のマーク。意外とお似合いです。

上野駅到着後、機関車の周りでは記念撮影の順番待ちの人だかりが絶えません。
もう20年目を迎えようという「北斗星」ですが、まだまだ人々の憧れの存在であることは、 個室のチケットがプラチナ化している状況と、この人だかりが証明してくれています。


普段の「フリーエリア乗り倒し」「乗り目的」とはちょっと違う旅でした。

現地での滞在時間は決して長くはありませんでしたが、見たかったところを効率よくじっくりと見て回れたし、 青函トンネルを越えて広範囲で動いたので、滞在時間に及ばずとも充実した行程でした。












-SONIC RAIL GARDEN-

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