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寒風吹き付けるホームから車内へ入ると、車両所ですっかり暖房を効かしてきた車内は
ホッとするような暖かさ。寝台列車特有の侘しい雰囲気でいっぱいですが、その暖かさに
思わず安心感と充足感が込み上げてきます。
寝台車は「北斗星」などの2段式B寝台と同じ構造。 手前の区画に見えるように、一部が「女性専用寝台」になっています。
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「寝台料金」を徴収する、れっきとした寝台特急の扱いなので、毛布やリネンやマクラ、浴衣にハンガーがセットされています。
道内夜行列車の寝台車は、「ぐるり北海道フリーきっぷ」では乗車運賃分のみが適応となり、特急料金と寝台料金は別料金になります。
今回「まりも」号の寝台車を奢ったのは、「まりも」号のみで行われている11月から5月の冬季期間を中心に寝台料金が6,300円から
半額の3,000円になるという大幅値引きサービスを利用してのことでした。
この料金値引きサービス、しっかり地元の利用の方に根付いているようで、今日の寝台はほぼ満席という盛況ぶりでした。
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そんなわけで、乗車距離が遠くなるにつれて寝台利用との料金差が小さくなる普通車指定席や自由席は
ご覧の通りの空きっぷり。
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寝台車のデッキには飲み物の自動販売機が設置されています。
「DRINKS」の「I」部分がさりげなくモジャ君。(いやかなり無理があると思うが(笑))
冬季の暖房運転中は車内がかなり乾燥するので、夜中にノドが渇いて起きてしまった時に
飲み物が買えるというのは大変助かります。
(ちなみにアルコール類はありませんのであしからず。。。。)
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今日の「まりも」号には、編成中のド真ん中に「回送車両」が連結されていました。
車内を通り抜けることはできるのですが、客室内は照明も点いてなくて真っ暗。
回送先で別列車の増結用に使われるのか、それとも検査の関係で回送運転させるところを
定期列車に繋げて済ませているのか・・・・
北海道のディーゼル特急ではこのような回送車を編成中に挟み込んで走らせている光景によく出会います。
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発車前に洗面台でハミガキをして顔を洗っておきましょう。
洗面台はオリジナルに手を加えたリニューアル仕様ですが・・・・取って付けたような「仕切り」のやっつけ仕事っぷりが
ちょっと笑えます。う〜む、アンバランス!
北海道の車両だけあって「お湯」のコックを押すと、すぐに温かいお湯が蛇口から滔々と流れ出すのはさすが!
ただ、自動給水ではない点が惜しかった! コックを押し続けないと給湯されないため、手のひらにお湯をすくって
顔を洗うってことができないんですわ。。。。
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列車が発車する頃には、寝台車はすっかり「就寝モード」。
ほとんどの乗客がそれぞれの寝台に納まって、早々にカーテンを引いてしまいます。
う〜ん、みんな乗り慣れているのね。。。
ちなみに車内改札は、発車前から車掌さんが各寝台にまわって来ます。「早くご就寝頂こう」というサービスの現れでしょうね(拍手!)
「まりも」号は「北斗星」号や幹線ブルトレのようなバカっ走りでかっ飛ばすような運転はせず、
まったりペースでのんびり走ります。 ですので、寝台に響いてくる走行音や大きな揺れは少なくて、
眠りに就き易い「やさしい夜行特急」。
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ちなみに普通車では、減灯時にここまで照度が落ちます。
普通車に乗っていたわけではないので減灯される区間は詳しくは分かりませんが、
上りの「まりも」号は、「白糠」駅発車後に消えて「新札幌」駅到着前に照明を戻すようです。
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ぐっすり深い眠りに就いて、峠の信号所での運転停車も、「新得」駅での上下「まりも」号の交換も、すっかり夢の中。。。
目を覚ますと列車は「南千歳」駅へと入っていくところでした。
「南千歳」では大きなスーツケースやバックパックを抱えた人が何人も降りていきました。
夜行運転ながら、道東の「エアポートアクセス」の任も担っている「まりも」号。
(でも空港行エアポート快速の初電まで1時間30分もありますけど・・・タクシーで空港へ行くのかな?)
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定刻5:50、「札幌」着。 朝早くからホームには人の往来があり、回送列車も含めて多種多様な列車が出入りしている
光景を見ると、「やっぱり札幌は北海道の中心なんだなぁ」と思います。
途中、深夜の駅でも乗車があったようで、釧路から満席だった寝台車はもちろん、
ガラガラに空いていた座席車からも多くの人が下り立ちました。
みんなまだ眠そうな顔・・・・寝起きの目を擦りながら歩き出す人波に混じって、
私も次なる旅へ。
ここ「札幌」から新しい一日のスタートです。
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