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夕暮れの早い北海道。陽の低い冬ともなればなおさらで、
16:00をちょっと回った頃にはもう夜の闇がすぐそこまで迫ってきます。
雪の中でギラリ光る、二条の鉄の筋。
どこまでも途切れずに、どこまでも進んでいけそうな気がするのは、
空路の「ワープ」感覚とは違う、「伝い辿り、繋がっていく」安心感。
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「上利別(かみとしべつ)」駅。
駅名板を照らす星のマークの入った照明は、スズランの花をモチーフにした意匠でしょうか。
そして高く積まれた切り出しのままの木材。雪は時間の経過とともに白から青へと世界の彩りを変えていく・・・
まるでお伽の世界のような光景が広がります。
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各ボックス席に1人納まっているかどうかくらいの人数の車内は、「足寄(あしょろ)」駅から少しずつ
乗客が増え、話し声と笑い声の賑わいが戻ってきます。
「池田」側の路線南部では、「足寄」からが乗客流動のあるエリアのようです。
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「本別(ほんべつ)」駅に停車。時刻表上では分からないのですが、ここでも対向列車の行き違い待ちのため数分停車する旨の
車内放送が流れたので、外に出てみました。
先ほどの「陸別」駅とは逆で、この駅の駅舎は下り線ホーム側になります。
改札口からは出ずに、雪の積もるホームをテクテクと軽く散歩。
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この「本別」駅は、本別町のコミュニティセンターも兼ねた複合施設「ステラプラザ」という大きな建物になっています。
が、下り線と上り線をつなぐ跨線橋は、かつての「国鉄・池北線」時代のままのような木造。
わずかな照明に照らされた階段と上屋は、数十年前の駅にタイムスリップしたかのようです。
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ワンマン運賃表示機には最後の停車駅「様舞(さままい)」駅からの料金が表示されました。
さぁ、いよいよ北の大自然の中を行く約3時間の旅も終点が目前です!
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「池田」駅直前、目の前をかすめて走り去っていくのは
札幌行き「スーパーおおぞら」10号。
ほんのちょっとの時間差なので、ちょっとだけ早めのダイヤならこの札幌行きの特急に乗り継ぎができるのですが・・・・
残念ながらこの列車の接続は根室本線の普通列車がターゲットのようです。
時間によっては長距離特急からの乗継ではなく、地元の生活列車の接続を重視しているのが「ふるさと銀河線」の特徴のようですね。
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すっかり夜の帳が落ちた「池田」駅に到着。
列車を下り立った人たちは、それぞれ向かいのホームの乗り換え列車や駅の出口に向かって消えて行き、
あっという間にホームは静まり返ってしまいました。
人影の消えたホームに響くのはディーゼルエンジンのアイドリングだけ・・・
この「北海道ちほく高原鉄道 ふるさと銀河線」は2006年4月を持って廃止となり、その長い歴史に幕が下ろされることとなりました。
国鉄〜JRの時代に次々に消えて行った北海道のローカル線。
十数年前の北海道鉄道路線図と見比べると、まるで現在のそれは「骨抜き」されたかのようにスカスカになってしまいました。
この「ふるさと銀河線」、道東に一筋の骨格を形成していただけに、また北海道の地図が寂しいものになってしまいます。
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