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車窓に見える通過駅にも徐々に人の姿が多くなり、いつもどおりのウィークデイの1日の始まり。 外の世界と、こちら側の世界。窓ガラス1枚を隔てた内と外では「現実」と「夢世界」が背中合わせ。 ホームで青い列車が通り過ぎる光景はいつもと変わらない光景で、でもきっとこの列車が ある朝から姿を見せなくなっても、別の光景がそれに取って代わって「普段」という毎日は続いていくのでしょうね。 でも50年間「あさかぜ」が見てきた朝は、50年の間にこの車中で目覚めた全ての人にとっても 同じ特別な朝であったのは事実。いや、そうだと信じたい・・・。 |
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「痛勤ラッシュ」の序盤戦を迎え始めた「横浜」駅。 このホームに出入りする湘南電車とは明らかに違うブルートレインなのですが・・・ こちらを格段気に留める人もなく、 みんな新聞を読んだり携帯電話のメールを打ったり。 う〜ん、もうちょっとこっちを物珍しそうに見る視線があって欲しかったなぁ。 |
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B寝台のほうは、昨晩の広島駅のあとにちょっと乗車があったようですが、 それでもほとんどの寝台に使われた形跡はなく、ほぼ全行程でカラッポの車両がほとんどだったようです。 きれいに折り畳まれたリネンと浴衣、そこにキチッとセットされたハンガーが なんだか物悲しそうに見えました。 |
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品川駅を通過すると、車内の数少ない乗客も下車準備に動き出しました。 私も部屋の中で下り支度を整え、到着に備えます。 せっかくの「シングルデラックス」、デッキで待つのはなんだか勿体無いようで、ギリギリまで個室内で 東京の高層ビル群を眺めていました。 |
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ついに東京駅に到着。山口県内での大雪の中、遅れもなく定刻の到着です。 「あさかぜ」から下り立った人は本当にごくわずか。両手の指で数えられるほどという表現が 大げさではないほどです。 早朝の冷たい空気が顔と指先でピシッと弾け、ちょっとボーッとしていた頭を一瞬で目覚めさせました。 これぞ、冬場の夜行列車の終着駅! |
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「あさかぜ」廃止までちょうど1ヶ月を切った今日。 沿線で見かけたファンの数から、東京駅で待ち構えるファンは相当な数だろうと思っていたら さほどでもなくて拍子抜けでした。 下関から14時間30分、一晩中延々と客車を引っ張ってきたEF66型機関車。 鼻筋の通った凛とした顔に、50年前から変わらないデザインのヘッドマーク。 感傷的なものを排除したとしても、やっぱり文句無しにカッコいいです!! |
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EF66型機関車は、次に到着する「富士」号を東京駅から品川の基地に回送する際の先頭に立つため、 ここで「あさかぜ」から切り離されます。 機関車が神田方に移動すると、姿を現したのは客車のノッペリした顔。 なんだかキョトンとした表情ですが、ずっと「あさかぜ」として走り続けてきた長年の功労者(車)なんです。 |
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さあ、品川の基地への回送準備が整いました。 「あさかぜ」の最後尾に連結されたのは、1本前の「出雲」号を東京まで引っ張ってきたEF65型機関車。 真っ赤な「出雲」のヘッドマークと、真っ白な「あさかぜ」のトレインマークが顔をあわせて・・・ ゆっくりゆっくり「あさかぜ」のブルーの客車が東京駅を離れていきました。 こちらから東京駅を出て行く「あさかぜ」号の回送列車の動画が見られます。 (AVI形式/約45秒/約7MB/音声なし/2005.02.01) |