美術館をあとにして、次に登山鉄道の強羅駅へ向かうことにしました。 ここから強羅駅へ行くには、路線バスは強羅駅を経由しないので「施設巡りバス」というのに乗らなければなりません。 施設巡りバスと路線バスとは停留所の場所が違うので、「バス停はどこかな〜」とウロウロ探していると、目の前でバスに行かれてしまいました! 結局バス停で次のバスを待つこと20分。寒風吹き抜ける中で凍え死ぬかと思いました(マジで)。 |
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「施設巡りバス」は専用のラッピングが施されたバスで運行されていて、箱根にちなんだイラストがバス一面に描かれています。 「はて・・・・クマと金太郎は箱根が舞台のお話だったか?」と思い、自宅に帰ってきてから調べたら、 金太郎伝説は箱根の「足柄山」が発祥なんだそうです。 (ちなみに「金太郎は我が町が発祥!」という場所が日本に20ヶ所くらい あるそうな(笑)) |
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山の斜面になる日の当たらない場所には、ご覧のように雪が積もっています。 箱根ではすでに深夜・早朝に雪が降っているようです。 バスは美術館などを廻って、どんどん標高の低い方面へと走っていきます。 途中には企業保養所が集まった場所もあり、有名な一流企業の名前を掲げた保養所がいくつも見受けられました。 中には企業名を掲げたまま閉鎖になっている建物もあって・・・イメージ低下にならないのかしらとちょっと心配に(^_^; |
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登山鉄道の強羅駅に着きました。 ロッジ風の建物からは「登山電車」と「登山ケーブルカー」が出ています。 最初はケーブルカーで早雲山へ行ってみようかと思ったのですが、 箱根湯本まで戻る所要時間を詳しく知っているわけではなく、帰りのロマンスカーに乗り遅れてもなぁ・・と思い、登山電車で箱根湯本まで 下ることにしました。 |
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登山電車のホームに入ると、ちょうど電車の発車時間でしたが、立ち客も出るほどの混雑だったので 次の電車で行くことにしました。 どうやら「2001」と書かれた電車が、次の箱根湯本行きの電車になるようです。 |
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こちらはケーブルカーの乗り場。ものすごい傾斜なのがここからでもよく分かります。 ケーブルカーと登山電車は乗り場が隣同士で、ほぼ段差無しの乗換えが可能になっています。 |
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登山電車の乗り場の脇には「1」と書かれた電車。登山電車の運行を陰で支える事業用車両です。 |
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強羅駅は下車ホームと乗車ホームが別に分かれているので、 強羅駅に到着した電車は一度駅から出て、転線してから乗車ホームに入線してきます。 入線してきた箱根湯本行きの電車は2000系。登山電車にしてはスマートなスタイルで、 比較的最近の電車であることがうかがえます。 |
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車内に入ると・・・暖房が効いてて「あったか〜い!」 車内は観光列車らしくボックス席が主体のレイアウト。そして運転席の直後には、こんな展望席も設置されています。 ホームで電車を待っていたのは私を含めて3人。乗車して、迷うことなくすんなりこの席に収まりました(笑) |
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展望席の天井にはこんなプレートが掲げられていました。 1989年に導入された2000系電車は、「サン・モリッツ」号の愛称が付けられています。 これは、箱根登山鉄道とスイスの「レーティッシュ鉄道」と姉妹鉄道であるのが関係しています。 ちょうどこの2000系の登場した年が、両鉄道の姉妹関係10周年と重なったので、それを記念して 「レーティッシュ鉄道」屈指のリゾート地「サンモリッツ」から由来した愛称を付けたのでした。 |
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強羅駅を出発した電車は、とにかく坂道を下り続けていきます。 線路は、山と断崖絶壁に挟まれた僅かな空間をゴロゴロゴロ・・と音を立てながら走っていきます。 途中には80‰という、とんでもない急坂もあり、これを機関車の後押しなども無く車輪のチカラだけで 登って下っていくっていうんだから、この箱根登山鉄道の電車は小さくとも侮れないパワーの持ち主です。 こちらからサン・モリッツ号から見た前面展望の動画がご覧いただけます。 (AVI形式/1分/約10MB/音声なし/QuickTimePlayerかWindowsMediaPlayerが必要) |
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途中の駅で何度か行き違いがあります。 行き違う電車は古めかしい電車から、このサンモリッツ号のような近代的な電車まで様々。 行き違いの停車でも「どんな電車がやってくるのかな?」と、飽きることはありません。 画像の電車はなんと昭和2年(1927年)に導入された電車! 今年で御年78歳というおじいちゃん電車ですが、 スルスルと難なく山道を登ってくる姿には、そんな歳を感じさせないほどパワフルです! |
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急勾配の登山鉄道には途中、スイッチバックが3箇所。 急勾配をムリなく(というか、この登山電車の坂は普通から考えればムリの連続っぽいが)登ったり下ったりするための スイッチバックですが、箱根の自然と景観を破壊することなく、そこに溶け込むように線路を敷設した結果の「スイッチバック」でもあるそうです。 スイッチバックでは運転士さんと車掌さんが入れ替わって、バック運転などはしません。(この急勾配でバック運転しろっていうほうが無茶) |
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そして登山電車はトンネルの連続でもあります。 大部分のトンネルが狭く古めかしいので、先頭から見るトンネル突入シーンはまるで某テーマパークのアトラクションのよう。 山を貫く長いトンネルを掘らず、短いトンネルを連続して掘って、断崖絶壁を縫うように走る線路敷設にしているのは、 1919年の開業当時に「箱根の自然を車窓から堪能してもらおう」という考えが会社にあったからだそうです。 それから80余年経った今、その頃の考えの恩恵をこうむれることに感謝感謝。 |
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そして、数々の鉄橋も登山電車の見どころのひとつ。 木々に覆われて底の見えない谷を渡る鉄橋はスリル満点です! 画像は、登山電車の撮影地で有名な「出山鉄橋」を渡るシーン。 |
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箱根湯本に戻ってきました。 強羅から箱根湯本までの所要時間は30分強。でも実際には「あっという間に着いてしまった」という感じがしました。 ちなみに強羅駅の標高は553メートル。箱根湯本駅の標高は108メートル。 かの碓氷峠・横川〜軽井沢間の標高差が約550メートル。こちらの登山電車の箱根湯本〜強羅間の標高差は約450メートル。 これを電車のチカラだけで登ってしまう箱根登山鉄道の電車のスゴさ! |