「きょう、あたらしいロマンスカーで」
初冬の箱根ワンデートリップ の続き


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列車はしばらくビルに囲まれた狭い隙間をトレースするように、右へ左へとくねくねしたカーブを通過。
前後を通勤電車に挟まれているのでスピードは上がらず、大変のんびりとした足取りで「TOKYO」の街並みを 後にしていきます。

やがて複々線区間に入ると・・・・まるで水を得た魚のように一気にスピードが上がり、展望席からは ジェットコースターのような迫力満点のパノラマが広がります!

こちらから複々線区間を行くVSE展望席パノラマ走行シーンの動画がご覧いただけます。
(AVI形式/1分/約10MB/音声なし/QuickTimePlayerかWindowsMediaPlayerが必要)


展望席からの眺めに魅入っていると、アテンダントさんがシートサービスのオーダーを取りにきました。
座席に備え付けのメニュー冊子から希望のものを注文すると、アテンダントさんは手元のPDAのような端末にセンサーペンで ピッピッピと注文を入力。このオーダーデータは無線LANに乗ってカフェコーナーへと送られるので、 オーダー係さんがいちいちカフェコーナーに戻って注文を伝える必要が全くありません。
アテンダントさんは次々と座席をまわって、オーダーを端末機に入力していきます。

多分、世界で一番進んだ車内サービスの形態でしょう。う〜ん、ハイテク!
ロマンスカーグッズのラインナップも豊富で思わず目移りしてしまいます。


アテンダントさんに注文した品が届くまでしばらく時間がかかるので、ちょっと車内をグルッと見てまわりましょう。

展望席の全景はこんな感じです。まるで曲面スクリーンを備えたシアターのようで、天井が緩やかなカーブを描いているので さらに空間の奥行き感が増すかのよう。

平日でも予約がすぐに埋まるというこのVSE展望席。もちろん今日も全16席が満員御礼です。


こちらは一般の客室。先に書いたように、丸いヴォールトルーフになっているので空間が大変広々としています。

各座席は5度ほど窓に向かって設置されていて、これが「5度」という数値以上に外に向かって座っている印象を受けます。  「VSEは頭から尻尾まで、全部が展望席」と言えるかもしれません。


3号車と8号車にある「ロマンスカーカフェ」です。シートオーダーサービスの拠点であるのですが、 大きな窓(客室の窓よりも大きい)に長テーブルのようなカウンターが設けられていて、 利用者の息抜きの場にもなっています。

天井にはなんと天窓もあって、今日のようなよく晴れた日には、天井から自然の光が燦々と降り注ぎます。


今はちょうどクリスマスシーズンということで、クリスマスツリーが飾られ、壁のオーナメントがクリスマスを演出していました。


ショーケースにはロマンスカーグッズが。

ちょうど子供の目の高さにショーケースがくるので、通りがかった子供にはイヤでも目に入ります。 そんなわけで、お子さん連れのお母さんがせがまれてVSEの模型を買っていくところに遭遇。 車内ですでに旅行気分が高まっちゃうVSEだから、お母さんもついつい財布の紐が緩んじゃうかも?!

ちなみに「VSEオリジナルかまぼこ」なんてVSEグッズ(?!)もあります。


こちらはなんと「サニタリーコーナー」。カーブを描く木目の壁面が優雅なこの空間、知らなかったら誰もここがトイレだなんて 思いませんよね。
鉄道車両のサニタリー空間というと、「直線的で無機質、飾り気一切無し」なのが普通、というかそういうものだと思わされてきたので、 VSEではこんなところでも「一般概念」を打破する意気込みを感じさせられます。

いやぁ、この手の「しっかりとこだわった車両」というのは、JR九州以外の「関東」では、おそらく初お目見えではないでしょうか?


驚きの空間はまだまだ続きます。 こちらは4人用のセミコンパートメントルーム、その名も「サルーン」。
フロストガラスのパーテーションで仕切られた準個室で、展望席と同様に大変チケットが取りにくい、人気のスペースに なっているそうです。

1区画が空室になっていたので、ちょっとソファーに腰掛けてみましたが・・・背もたれが垂直でちょっと疲れるかな?  もっとも、グループ客が大きなテーブルを囲んでワイワイ楽しく移動するための空間なので、そうした用途でならこんなところは気にならないでしょうね。
この日は8人グループが2区画に並びあって、大変賑やかに「車内宴会」を催してました。


ちょっと目線を変えると、こんなところにも「VSE」らしいこだわりが。

デッキに掲示された「編成の案内板」ですが、この手のインフォメーションはシールで壁にペタッと貼られているのが 常ですが、このVSEではアルミパネルに遊び心のあるイラストと世界共通のピクトグラムを描いています。


各客室のデッキ仕切り壁には大型の液晶ディスプレーが設置されています。
今までのLED式による電光情報表示板にかわるもので、私鉄優等車両では「近鉄ULネクスト」「名鉄ニュースカイ」などが 次々と導入していますね。

VSEでは前面展望の中継は行われませんが、沿線のポイントなる要所要所でこのように「まもなく○○を通過します」「まもなく○○が見えてまいります」 と車窓案内が流れるようになっています。最近の小田急は近隣アジア諸国からの旅行者への案内にもチカラを入れていて、 このVSEでも中国語や韓国語での案内がところどころで見られます。


さて、自席へと戻ってきました。オーダーしたものがもうすでに席に届いているかな?と思ったら、 まだのようでした。列車はもうすでに相模川を渡っているところで、行程も半分が過ぎようというところ。

オーダー漏れなのかな?とか、注文したものが終点に着くまでに食べきれるかなぁ?と、ちょっと心配になってきます。


と、じきに注文したものが運ばれてきました。
オーダーしたのはお弁当で「銀座大増・冬の味覚弁当」。海の幸と山の幸を詰め込んだ欲張りな内容で、ボリュームもそこそこ。 竹の子のなどの煮つけが美味しかったです(^-^)

満席でオーダーが殺到する場合、オーダーしたものが出てくるまでに若干時間を要するのは常態化しているらしいですが、 他サイト様のVSE乗車記やブログなどを拝見すると、今日のように本厚木を過ぎた頃に届くというのはかなり遅いほうのようです。 みなさんがお乗りになるときには、もっと早く届くでしょうからどうぞご安心を。


お弁当には温かい日本茶が付いてきました。

こだわりのVSEではホット缶飲料が渡されたり、紙コップで出てくるなんて事はありません。 ガラス製のカップに淹れられた日本茶が出てきます。熱さも「熱湯」ではなく、届いてすぐに飲めるような程良い適度な熱さ。

グラスに入った白い文字は「ODAKYU ROMANCECAR」で、ロマンスカーオリジナルのグラスです。 ちなみにこのグラスは車内販売でも購入が可能です。買って帰って、自室でロマンスカーカフェ気分を味わってみてはいかがでしょう?















-SONIC RAIL GARDEN-

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