東海道・高崎・宇都宮の各線と湘南新宿ラインで大活躍の、おそらく首都圏グリーン車で誰もが馴染みのある形式だと思います。 基本ベースは211系の、JR化直後で新製車両がホットだった頃の「2階建てグリーン車」からのスタイルが受け継がれています。 (というか、あの初代「2階建てグリーン車」がエポックメイキングにして完成型であったということでしょうね。) 2階席はブルー系のシート、階下席と平屋席はパープル系のシートで、雰囲気が全く異なっています。 個人的には、パープルの色合いがちょっとダサいような感じを受けるのですが。 座席はどの位置(フロア)でも全く同じ仕様。シートピッチは970mmで統一されています。 リクライニングは意外と深く倒れます。椅子は座面・背面とも、やや固めな仕上げ。階下席のみ読書灯を装備しています。 座席背面にはゴムポケット、ドリンクホルダー、収納テーブル、小物フックと、何気に至れり尽くせり。 ちなみに、窓下や階段寄りの壁面の化粧板は、「成田エクスプレス」のグリーン個室で使われているのと同じ柄です。 リクライニングを倒す時より、戻す時のほうがレスポンスの発動が強く、けっこうスゴイ勢いで戻ります。 終着駅で、短時間のうちに清掃・整備して折り返さなければいけない運用を考慮しての圧力設定でしょうか。 |
小山区配属のサロユニット1001から1006番と、国府津区配属の2編成には、ちょっと変わった座席が搭載されています。 座席の肩の部分に手がかりとなる小さな突起が取り付けられている部分が、滑り止め加工を施したカバーとなっています。 一部では座席が通常の突起パーツ装備のものに交換がされているそうで、さらに少数派の座席となりつつあるようです。 (画像は国府津車両センターK02編成のもの。) |
E231系に混じって、まだまだ現役の211系です。なんか、このビードの入ったボディが一番目に馴染みますね。 登場時から一貫して東海道線での独壇場だったのですが、E231系の増備で一部のグリーン車が東海道線を追いやられ、 高崎線・宇都宮線へ活躍の場を移してから、組み替え・改番・サロ125・124の編入などもあり、遍歴がかなり複雑になりました。 画像は、現在高崎線・宇都宮線で活躍中の「サロ212・213」です。基本的に今も東海道線で走っているのと同じです。 2階席は淡い色調の座席が、階下席と平屋席はブラッシュ模様が入った若干暗いトーンの座席となっています。 登場時は、2階席がパープルとクリームのツートン、階下席と平屋席はイエローとクリームのツートンで明るい雰囲気でした。 シートピッチは970mm。座席背面には収納テーブルと網ポケットを装備。床面は通路・椅子側ともカーペット敷きです。 E231系とは逆で、2階席には読書灯とスポット空調、1階席にはスポット空調のみを設置しています。 E231系やE531系のグリーン席と比べると、リクライニング量が若干浅いように感じられます。 しかし、座面や背面のクッション材は、E231系と比べてかなり柔らかく、アームレストも革張りとなっていることから、 E231系のグリーン席よりも211系のグリーン席の方が高級に感じられます。 座席の回転は、通路側の足踏みレバーではなく、座面先端の黒いグリップのついたレバーで操作します。 (上野駅などでの折り返し清掃を見ていると、E231系に比べて清掃員の方たちがすごく大変そう) |
国鉄時代に新製された、211系グリーン車の元祖「サロ211・210」。現在は全車が東海道から高崎・宇都宮線へと転属しています。 「2階建てグリーン車」に対して「平屋グリーン車」と呼ばれ、ファンの間では「平サロ(ひらさろ)」の通称で呼ばれています。 画像は東海道で活躍していた時代に撮影したもので、「サロ211・210」の座席としては2代目に当たるものです。 初代はセンターアームレストや背面テーブルがなく、座席のシルエットももっとモコモコした印象のものでした。 2階建てグリーン車導入後に、そちらの座席レベルに合わせるために画像の座席へと改座が行われています。 シートピッチは970mm。グリーンの座席は原型タイプのモケットで、現在では少数派となっています。 |
「平サロ」は、東海道から高崎・宇都宮線への転属時に、寒冷地対策工事が施され、その時に座席モケットも交換されました。 現在は大多数が、画像のような柄入りのものへと張り替えられ、グリーン一色の原型色のものはごく少数となっています。 2階建て車に比べると天井が圧倒的に高く、開放感があることからこっちのグリーン席のほうが好きという利用者も多いそうです。 末端席と2列目の席の間には窓側に小さな折り畳みテーブルがあります。 これは戸袋窓に当たる末端席では窓の框部分に余裕が無く、他の席のように物が置けないためにそれを救済するためのもの。 電車の向きによっては、窓框に余裕のある2列目席でこのテーブルが使えるので、ちょっとオイシイ席となっています。 片側3箇所の窓が開閉式になっていますが、これは緊急時や非常時に外気との換気を行うためのもの。 窓から身を乗り出せるほど、大きくは開きません。 |
現在のE231系と繋がる、JR東日本最初の「新世代近郊電車」であるE217系です。もちろん新製時から2階建てグリーン車を連結。 当然如く2両とも2階建て車ですが、当時の113系や211系では片方が平屋建て車がほとんどだったので、 この「ダブル・ダブルデッカー」は非常にダイナミックな光景に見えました。 1階席はパープルブルー系、階下席と平屋席はブラウン系で、いずれも明るすぎず・暗すぎず。色合いも実に穏やかでシック。 シートピッチは、970mm。 私感ですが、首都圏グリーン車の中ではこのE217系の座席が最強ではないかと思います。 まず座席全体のクッション材の柔らかさ。固すぎず、柔らかすぎずで、久里浜→成田空港を乗り通しても全く苦になりませんでした。 背中部分・腰部分・座面部分のバランスがとても良く、特に背中下部から腰にかけてのホールド感が絶妙です。 肘掛部分にはちゃんとレザーが張られていて、肘を掛けた時に硬さや冷たさを感じることはありません。 これでゴムバンド式のマガジンラックではなく、ポケット式だったら言うことなしだったのですけど。。。。 リクライニングはそこそこの角度。これより倒れると、E3系「こまち」の初期普通車の座席と同じスペックになるんじゃないでしょうか。 座席の回転は外側の肘掛の後方にあり、レバーを上に引くとロックが外れて座席が回転します。 この座席の土台は「片持ち式」になっていて、座席を支えているのは壁側の一脚。通路側には座席を支える脚がありません。 元は掃除を容易にすると理由で採用されたそうですが、お客側からしても足を前席の下にグンと伸ばせるようになりました。 211系のグリーン車では2階席のみに読書灯が設置されていましたが、このE217系からは階下席のみに読書灯が設置されました。 また、窓のカーテンはこれまどの横引きプリーツカーテンからフリーストップ式のロールブラインドになり、 これらの仕様は、このあと誕生するE231系・E531系へと受け継がれています。 一部の車両には、秋田新幹線工事時に北上から秋田までを走った新幹線アクセス特急「秋田リレー」号の座席が使われています。 「秋田リレー号」に搭載された座席自体がE217系のものをベースとしていて、また「秋田リレー」からE217系に再搭載された際には、 シートモケットをE217系のものに張り替えて、引き出し式の灰皿も塞がれたため、見た目での違いはほとんど分かりません。 |
一見、E231系のグリーン席のようですが、これもE217系のグリーン席です。 湘南新宿ラインでのグリーン車サービスが開始された2006年10月前後頃から、この座席に換装された編成が出回り始めました。 この座席、E231系のものをベースにしているように見えますが、よく見るとE231系のものとは違うことに気が付きます。 2階席が青、階下席と平屋席は赤系のモケットですが、柄がE217系とE231系では異なっていています。 座席の色合いも異なり、E217系のほうが若干薄めで、E231系ほどドギツイ色合いではありません。 座席背面に目を移すと、E231系にはある小物フックとドリンクホルダーがE217系のほうにはありません。 今まで飲み物を車内に持ち込んだ時、当たり前にドリンクホルダーに入れていたので、この座席に当たると「あれッ?」と思います。 で、網のポケットにドリンクを差し込もうとすると・・・・意外と口が開かず、ペットボトルを入れるにはキツキツです。 ちなみに床面の脚支えが「片持ち式」となっているのは従来どおり。 今後、E217系のグリーン席は順次この座席へと置き換えられ、パープルブルーとブラウンを纏った独自の座席は消えていきます。 |
常磐線に初めて「普通グリーン車サービス」をもたらしたE531系です。グリーン席の基本ベースはE231系と全く同じもののようです。 E531系独自の装備が一つあり、マガジンポケット部にひょいと出ている輪型のゴム。 フック部分に傘を掛けた際に、傘の下のほうがフラフラとならないように、傘をホールドしておくためのものです。 また、細かい部分ですが、天井の蛍光灯カバーや階段部分の照明にE231系とE531系では違いがあります。 (E531系のグリーン席については、こちらでさらに画像数も多くご紹介しています→■) |
東海道線で長らく活躍していた「湘南電車」−113系電車。2006年3月にE231系への置き換えが完了して、全車両が引退しました。 211系への2階建て車投入が終わると、113系にも2階建てグリーン車が投入され、当時東海道線は4号車が必ず2階建て車でした。 現在、113系の2階建てグリーン車「サロ124・125型」は全車211系へと改造編入され、東海道線や高崎線・宇都宮線で活躍中です。 車内は元々が211系の2階建てグリーン車と同じだったので、現在でも一見しただけで分かる大きな違いはありません。 ボディラインが2階建てのイメージではなく、ストレートに太い帯で通されている車両は、元横須賀・総武線の車両→■ 成田空港アクセスの「快速エアポート成田」にも使われていたこの車両は、その当時に座席1区画が荷物置き場でした。 その後、東海道線へと転出した際にこの荷物置き場は撤去され、座席が設置されました。 よく見ると、荷物置き場の棚を形成していた頃の名残で、壁面にたくさんのビス止めが今でも残されています。 |
2006年3月に、113系と運命を共にして消えていった、純粋な113系のグリーン車「サロ110型1200番台」です。 かつては特急グリーン車改造の“ゲテモノサロ”なども活躍していましたが、最後まで残った113系のグリーン車はこれでした。 2階建て車に比べると貧弱な座席だったため、特に昼間の時間帯はダントツに不人気で、車内はガラガラなことが多かったですが、 全廃が近づくと、唯一の国鉄型普通グリーン車ということでファンの間で人気が爆発。こと、「駅弁が似合う車両」でもありました。 座席は、かつての国鉄の特急電車が装備していた簡易リクライニングシートにロック機構を搭載したもの。 リクライニングは1段階だけでロックが働き、つまり最大段階だけでストッパーが効くようになっていました。 シートピッチは970mmで、この数値は国鉄時代から首都圏の普通グリーン車の標準ピッチとなっています。 座席周りの付帯設備は、背面に網ポケット、壁側に小さなテーブルだけと、現在のグリーン車に比べると実にシンプル。 網ポケットは容量があり、口も大きく開くので使い勝手が良かったですが、テーブルは「小物置き」という程度のもの。 窓が各列に1枚ずつ、天井が高く、赤系の座席がズラリと並ぶので、全景を見ると「整然とした」という表現が良く似合いました。 |
集めた車内販売のメニューの画像です。少しづつ内容が変わっていっているのが分かるかと思います。 |