新青森−新函館北斗間の北海道新幹線開業に伴い、JR北海道も新幹線車両を保有することになりました。 北海道新幹線の列車のほとんどは東北新幹線と直通運転となることから、北海道所有の車両はJR東日本のE5系をベースとすることに決定。 E5系と同じスペックを持ち、共通の運用・保守整備が可能な「H5系新幹線」がJR北海道初の新幹線車両として誕生しました。 外観の形状やカラーリングはE5系と同じながら、センターラインのカラーリングに北海道のラベンダーなどを連想させる「彩香パープル」を採用。 内装も座席はE5系と同じものを搭載しつつ、随所にJR北海道オリジナルのこだわりをちりばめ、H5系のオリジナリティを出しています。 H5系は10両編成4本が製造され、うち2本は北海道側で緊急時など用に待機し、毎日2本が営業運転に投入されています。 |
【01運用】 新函館北斗6:35発−<はやぶさ10号>−東京11:04着/11:20発−<はやぶさ17号>−新青森14:43着−盛岡新幹線車両センター青森派出引き上げ 盛岡新幹線車両センター青森派出より回送−新青森17:44発−<はやぶさ32号>−東京21:04着−上野駅回送引き上げ 上野駅より回送−東京21:32入線/21:44発−<やまびこ223号>−仙台23:47着−仙台新幹線総合車両所引き上げ 【02運用】 仙台新幹線総合車両所より回送−仙台6:25入線/6:40発−<はやぶさ95号>−新函館北斗10:07着−函館新幹線総合車両所引き上げ 函館新幹線総合車両所より回送−新函館北斗12:44発−<はやぶさ22号>−東京17:04着/17:20発−<はやぶさ29号>−新函館北斗21:48着 (やまびこ223号とはやぶさ95号のグランクラスは、シートのみのサービス) |
10号車はE5系と同様に「グランクラス」が設定されています。 シートスペックやサービスなどは、全て東北新幹線のE5系で運用されている列車と共通となっています。 E5系の「グランクラス」と大きく違っているのがすぐ分かるのが、カーペットのデザイン。 E5系は深紅のカーペットですが、H5系は水面に光が乱反射して輝いているかのような美しい柄になっています。 このデザインは津軽海峡や函館湾、大沼の景色をモチーフにしたもので、夜間の運転時には、まるで座席が水面に浮いているかのような感覚になります。 シートピッチは1,300mm。座席は電動リクライニングで最大45度まで倒れます。足元には、足全体を支えるレッグレストがリクライニングと連動してせり出てきます。 テーブルはアームレストの座席内側に収納されていて、取っ手を内側に引っ張ると中から折り畳み式のテーブルを引き出すことができます。 またアームレスト先端には2面式のカクテルトレイがあり、グラスだけを手元に置いておく場合にはテーブルを出さずにカクテルトレイだけで済みます。 枕元の脇から伸びているコードのようなものは読書灯。先端の金属部分をまわすと灯ります。フレキシブルアームになっているので、好きな角度に自由に設定できます。 アームレスト先端の下部には、電源ポートが各席1口ずつ用意されています。 人的サービスとしては、グランクラス専任のアテンダントが乗務していて、軽食やドリンクのサービスを受けることができます。 軽食は和食と洋食のどちらかを選択。いずれも沿線の食材などを使ったメニューとなっていて、季節ごとに内容が変わります。 また、軽食とは別に、パウンドケーキやおかきといったお菓子も提供されます。(どちらか1つのみ) (メニューの詳細は、JR東日本のグランクラスサービスのページで確認することができます→http://jreast-shinkansen.com/granclass/ そのほかアメニティサービスとして、スリッパ・アイマスクがもらえるほか、ブランケットの貸し出しサービスも行われています。 H5系で運用される列車のうち、「やまびこ223号」と「はやぶさ95号」のグランクラスは「シートのみサービス」となっています。 アテンダントが乗務しないため、食事やドリンク、アメニティなどのサービスはありません。 (グランクラスの座席・サービスについては、E5系のページにさらに詳しい写真やレポートを掲載しています。ぜひご参照下さい。【座席探訪 JR東日本 E5系新幹線】) |
9号車はグリーン車です。グリーン車も座席はE5系と同じですが、カーペットの柄がJR北海道オリジナルとなっています。 モノトーンの光が交錯するような柄は、夜明けに輝く流氷をモチーフにしたもの。 また壁面の色は、E5系ではわずかにベージュがかっていたところを、H5系では「北海道の乳製品を連想する純白」となっています。 座席のヘッド部分には、上下に動く枕が付いています。好きな高さに設定できるので、長時間の乗車で一眠りしたい時にはとても便利です。 足元には電動式のレッグレストを装備。これも自由に自分に一番フィットする角度で止められるので、リラックスして座れます。 読書灯はヘッド部分の脇にあり、手元のコンソールにあるボタンで点灯・消灯を操作します。 座席背面の収納テーブルは、展開させた後にさらに手元に引き寄せることができます。 外側のアームレストにはカクテルテーブルが収納されているので、飲み物やちょっとした小物だけを置いておくには便利。 センターアムレーストの先端下部には電源ポートが2口並んでいて、各席1口ずつ使うことができます。 ブラインドを下ろすと、ここにもJR北海道のオリジナルデザイン。E5系では幾何学模様でしたが、H5系では雪の結晶が描かれています。 |
1号車〜8号車は普通車。これまでの新幹線と同様に、2+3座席配列となっています。(山側2列・海側3列) 座席はE5系と同じものが搭載されていますが、通路の床面にはH5系オリジナルの装飾として雪の結晶が描かれています。 また、ブラインドには縄文土器の文様やアイヌ文様をモチーフにした模様をあしらっています。 シートピッチは1,040mm。前席の下も空洞になっているので、ぐんと足を伸ばすことができます。 全席に上下可動式の枕を装着。自由な高さで止めることができるので、自分の一番リラックスできる位置を選ぶことができます。 リクライニングもかなりの角度まで倒すことができ、リクライニングと連動して座面が前へスライドして動くようになっています。 E5系の普通席では、コンセントが窓側席のみでしたが、H5系では前席の下部にもコンセントが設置され、全席コンセント付きになりました。 |
乗降口はドアとその周辺の内側がJR北海道のコーポレートカラーである「萌黄色」になり、乗車時から北海道への旅の期待感が高まります。 グランクラスとグリーン車の乗降口のカラーリングは、E5系が赤だったのに対して、H5系では紫の色合いが強いワインレッドになっています。 デッキ設備については、編成中の位置など全てE5系と合わせられています。 サニタリーコーナーは奇数号車の新青森寄りデッキに。1・3・7号車には洋式トイレ・男性用トイレ・洗面台・女性専用トイレ。 洋式個室内には、ベビーベッドとベビーキーパーが設置されています。 5・9号車には、車椅子対応の大型多機能トイレと、間口の広い車椅子対応の洗面台が設置されています。 E5系では、グリーン車・グランクラス客専用の9号車のトイレのみウォシュレット付きでしたが、H5系では全ての洋式トイレにウォシュレットが付きました。 女性専用トイレは、洋式個室と洗面台が専用の空間が通路とは直角に設置され、出入りする時の他者視線への抵抗感を和らげています。 トイレ個室内には姿見と着替えをする時に使える踏み台が、洗面台には側面鏡があり、身だしなみを整えるのに便利になっています。 5号車には多目的室が、またその対面にはAEDが設置されています。 |
【E5系】センターラインが「はやてピンク(躑躅ピンク)」 |
【H5系】センターラインが「彩香パープル」 |
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【E5系】ハヤブサをモチーフ |
【H5系】北海道の雄大さと北海道に飛来する「シロハヤブサ」をモチーフ |
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【E5系】ドア内側が赤。木目が細かく、色調がナチュラルな印象 |
【H5系】ドア内側が赤紫色。木目が粗く、色調がワイルドな印象 |
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【E5系】ドア内側がベージュ色 |
【H5系】ドア内側がJR北海道のコーポレートカラー「萌黄色」 |
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【E5系】ドアの縦長の窓の幅が太いが、下まで届いていない |
【H5系】ドアの縦長の窓の幅が細く、下まで長く続いている |
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【E5系】深紅一色のレッドカーペット |
【H5系】津軽海峡・函館湾の水面が輝く様子をイメージ |
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【E5系】落ち着いた色調のブラウン系 |
【H5系】流氷の夜明けをイメージ |
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【E5系】奥行きを感じさせるストライプ模様 |
【H5系】雪の結晶を敷き詰めて、北の雪景色をイメージ |
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【E5系】グレーベースのサンド調で、ハードなイメージ |
【H5系】パステルカラーの水玉模様で、ファニーなイメージ |
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【E5系】木目の流れが横方向 |
【H5系】木目の流れが縦方向 |
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【E5系】木目の流れが横方向 |
【H5系】木目の流れが縦方向 |
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【E5系】木目の模様が細かく、ナチュラルな色調 |
【H5系】木目の模様が粗く、色調が濃くてワイルドな印象 |
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【E5系】窓側席のみ(最新の一部編成は全席に設置) |
【H5系】前席の下部にもコンセントが有り、全席に設置 |
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【E5系】蛍光灯(最新の一部編成はH5系と同じ仕様) |
【H5系】LED |
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【E5系】幾何学模様 |
【H5系】雪の結晶の模様 |
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【E5系】横方向のストライプ模様 |
【H5系】縄文土器の文様やアイヌ文様をモチーフ |
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【E5系】便座脇に操作パネルを設置(最新の一部編成はH5系と同じ仕様) |
【H5系】壁面に操作パネルを設置(トイレットペーパーホルダーの上) |
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【E5系】日本語での案内あり |
【H5系】ピクトグラムのみ |