「山形新幹線」に続く、ミニ新幹線方式で田沢湖線を改軌して1997年3月に開通した「秋田新幹線」。 秋田新幹線用の車両には、新開発の「E3系」車両が投入されました。 山形新幹線の400系よりもさらなるスピードアップを目指し、最高速度は時速275Km/hでの運転が可能に。 東北新幹線上での併結相手には高速車輌のE2系が組まれ、高速運転で秋田への到達時間の大幅な短縮が実現しました。 列車愛称は一般公募が行われ、獲得票数トップとなった「こまち」が命名されました。 当初はその愛らしい言葉の響きが高速列車には似合わないという意見もありましたが、すぐに定着。 今では「秋田新幹線」というよりも「こまち」のほうが通りがよいというほどまでに一般利用者に定着した愛称になりました。 俊足の脚力と、E2系との併結で巨大な座席数が確保できる点を買われて「やまびこ」「なすの」でも活躍中。 現在ではE2系のほか、新型高速車両で「はやぶさ」型のE5系も併結相手として組まれています。 2013年には後進の新型車両「E6系」の登場が予告され、「E6系」のデビュー後はE3系の引退が予定されています。 |
グリーン席です。念の為。 しかし、何というか・・その・・後述の普通車との差がほとんど無いように感じられるのですが・・・ 室内はストーン調の装いでとってもシック。なかなかイイ感じです。個人的にはJR東日本の新幹線の中で一番好きな雰囲気です。 座席は、全体的に柔らかめ。フカッと体全体が包まれるようですが、そんな中にも程よい張りがあって好感触。 黄色いカバーが掛かったピロー部分は上下可動式。おそらく「はやて」のグリーン席のピローと同じ素材だと思うのですが、 座席全体のフィット感がこのピローとのバランスも良く、「はやて」グリーンよりイイもののように感じました。 テーブルは、背面折り畳み式にインアームの両方を装備。ただ、インアーム式のほうは大きさが中途半端であまり役に立ちません。 フットレストは収納・展開での2面構成。フットレストを下ろした状態で固定できるのは、「はやて」と比べて高ポイントです。 さて、座席単体としては、私は合格点に達しているように感じたのですが、問題は「こまち」の走行距離です。 座席定員を確保するための2+2→4アブレストだとは思うのですが、結果グリーン車らしからぬビンボーくささがあちらこちらに。 まずアームレストのしょぼさ。通路幅を確保するがために、あまりにもアームレストの幅が削られすぎています。 正直、首都圏の普通グリーンに革を貼った程度にしか感じられません。 センターアームレストの幅の無さも同様。隣席との「仕切り」程度にしかならず、肘掛として使おうとすると、 隣席の乗客との「無言の肘掛奪い合い」となるのは明らかです。 少しでも座席幅を広げようとしたのか、センターアームの下部が削られているのも、実はあまり効果が感じられません。 体と座席センター部分に中途半端な空間が出来てしまい、乗っているうちにこの妙なスカスカ感が気になります。 長距離走行のミニ新幹線に求めたい・・・「3アブレストの大型シート」「オーディオサービス」「液晶テレビ」「レッグレスト」など。 しかし、併結相手の「はやて」のグリーン席とレベルを合わせておかないと、定員の少ない「こまち」ばかりが混んでしまう・・・ このあたりの「はやて」グリーンとの平均化が、結果「物足りなさ」に繋がってしまっているのではないでしょうか。 ならば、「こまち」グリーン車の発券システムに、東京と田沢湖線内まで乗る利用者に限定した発券ブロックをかけて、 少しでも座席に付帯するアメニティ装備をアップさせて欲しいなぁと思います。 ちなみに「こまち」のグリーン車では「はやて」と同様に、アテンダントによるドリンク・おしぼりサービスがあります。 |
普通車はグリーン車同様に、天井から荷棚にかけてアーチ状のデザイン処理がなされています。 2002年12月から「こまち」は全席指定になりました。 登場当時より「指定席」の車輌は980mm、「自由席」車は910mmと、シートピッチに若干の差があります。 さらにリクライニング角度の深さにも差をつけるという、面倒な処置をやってのけています。 結局「全席指定」制となった後も、全編成ともこのピッチ差とリクライニング角度差は改められてはいません。 モケットが「ブルー」の席は元自由席車(16/15号車)。「ブラウン」の席は指定席車(12/13/14号車)。 指定券を買う際は、当然12・13・14号車がお得といえます。 元「自由席」座席の肩の部分には取っ手を取り付け。多客期に通路にあふれた乗客を想定しての配慮。 全席背面テーブルを装備していますが、車椅子専用席の直後になる席の通路側席のみインアームテーブルを装備。 座席の回転はアームレスト後方の「矢印マーク」のレバーを引いて回転させます。 |
2002年の増備車のR18編成から突然にE257系タイプの座席へ変更されました。 座面スライドにカップホルダーと、これだけでもユーティリティレベルがアップしているのですが、 なんとフットレストまで装備するという出血大サービスぶり。・・・なにかあったのかJR東日本!? このフットレストは下がった状態での固定はできません。足を載せていないとビョン!と元に戻るタイプです。 アームレストに目をやると、センター・サイドともに革張り処理が省略されています。 人によってはこの点だけで「レベルダウン」と評価する人もいるでしょう。(プラスチックのって、触るとヒヤッとするし) これらの座席を装備している「R18」編成、登場時には「こまち」の全席指定化がなされていたのですが、 なぜか以前の指定席号車と自由席号車でのシートピッチ格差を発生させています。 「R17」より前の編成と定員を合わせるという点では致し方ない処置ではありますが・・・・ (いまさら旧自由席号車のシートピッチをいじって、窓割りを合わせる大改造はさすがに難しいでしょうね。) ちなみに今回の座席ではリクライニング角度の差はなく、全ての普通車が同じ深さまでリクライニングします。 |
サニタリーは11・13・15号車の秋田(大曲)方に設置されています。各箇所とも男性用と洋式個室。和式個室はありません。 洗面台は温水全自動給水。照明が暗い上に、アルミパネルを多用しているのでムーディーな雰囲気です。 11号車(グリーン車)には車椅子対応個室があり、収納式のベビーベッドが装備されています。 デッキの出入り台には、新在直通車のシンボルでもある折り畳みステップ。 ドア幅よりも大きめに作られていて、ステップに足を掛けたときの不安感を少なくしています。 電話コーナーは13号車と15号車、飲料の自販機は13号車にそれぞれ設置されています。 デッキの隙間を埋めるように設けられた「バゲージスペース」は14/15/16号車に設けられています。 スキー板/スノーボードに対応できるだけの、縦方向へ余裕のある造りになっています。 |