特急街道・北陸本線。
京阪神と北陸を結ぶ「雷鳥」系統には681系「サンダーバード」が先駆けて投入され、数年の時間を置いて683系が大量に登場。 一方、首都圏と北陸をアクセスする「はくたか」系統は、「ホワイトウィング」や「スノーラビット」の連続投入で485系投入の列車は一気に縮小。 名古屋圏から北陸へと走る「しらさぎ」は、メイン特急の中で最後まで485系が活躍し、新車投入が後回しとなっていました。 北陸と中京を結ぶ高速道路の建設が本格化する中、JR西日本では来たるべく高速バスの猛攻撃に先手を打つべく、「しらさぎ」への新型特急投入を決定。 すでに「北陸特急」の顔として君臨していた683系「サンダーバード」型車両を「しらさぎ」仕様として製造、新たに683系2000番台が付与されました。 2002年末に第一編成がロールアウト、翌2003年3月のダイヤ改正で一部の「しらさぎ」で営業デビュー。 同年7月には特急「しらさぎ」「加越」の全列車の新型化が完了という、異例のスピードで485系を置き換えました。 先頭フェイスやサイドのデザインは「サンダーバード」とウリ二つですが、JR東海乗り入れを意識したオレンジのラインがチャームポイントです。 |
グリーン車は、683系「サンダーバード」とほとんど同じ空間造形となっていて、一見しただけでは見分けがつかないほどです。 外観上では、座席の肩部分にはグリップが追加されているのが、すぐに目に付く変化となっています。 (現在、サンダーバード編成でもグリップ付きの座席が出回っています) シートピッチは1,160mm。2面展開のフットレストや上下可動式のヘッドピローは「サンダーバード」と共通の装備です。 付帯設備を展開させると、「サンダーバード」からさらにバージョンアップした点がいくつか見えてきます。 まず、インアームテーブルが片面展開から、2枚折りのワイドに広がるテーブルに変わりました。 また、センターアームレストが開閉式になっていて、開くと中からは液晶テレビ・・・ではなくドリンクホルダーが出てきます。 デッキ仕切り壁と対面になる席には、壁面に電源が設置されていて、車内でパソコンやモバイルの利用や充電が可能に。 (電源席は、名古屋・富山向きで1番ABC席。米原向きで10番ABC席。いずれもC席が1人掛け。列車は上下とも米原で進行方向が変わります。) 全席禁煙となっていますが、今回の「しらさぎ」用の683系では、2号車寄りに「喫煙コーナー」が設置されました。 巨大な窓と木製カウンターテーブルが設置されていて、けっこう凝ったスペースに仕上げられています。 喫煙コーナーとトイレコーナーとの間にドアを設置。さらに強力な換気装置と空気清浄機を搭載。 デッキとの仕切りドアもタッチセンサー式なので不要なドア開閉もなく、煙が客室へ流れるのを防いでいます。 ただ、それでも喫煙コーナーが混んでいると、9番10番席あたりでは軽くタバコの匂いが流入してくるのが分かります。 ちょっとのタバコの匂いも許せないという人は、1番2番あたりの弱番号の座席を指定してのチケット購入を薦めます。 ちなみに北陸本線内では「サンダーバード」などのグリーン車は大阪方で「1号車」なのに対して、 「しらさぎ」のグリーン車は「1号車」だけど富山方に連結されています。乗車時にはご注意を。 |
普通車は、「サンダーバード」車と同じく青系と赤系のインテリアカラーとなっています。 偶数号車は「サーモンピンク」、奇数号車は「グレーブルー」。 シートピッチは970mm。アームレスト先端の収納式小テーブルや荷物棚の下にある読書灯なども共通仕様です。 3号車と7号車には車椅子対応席が2席ずつ設置されていて、この号車のトイレも車椅子対応個室となっています。 「グリーン席」同様に、デッキ仕切り壁と対面の席にはパソコン電源と、さらに大型のテーブルが設置されています。 (電源席は、以下の通り。 2号車指定席---名古屋・富山向きで1番ABCD席。米原向きで18番ABCD席。 3号車指定席---名古屋・富山向きで1番ABCD席。米原向きで14番ABD席。14D席は車椅子対応席。 7号車指定席---名古屋・富山向きで1番ABCD席。米原向きで16番ABD席。16D席は車椅子対応席。 8号車指定席---名古屋・富山向きで1番ABCD席。米原向きで16番ABCD席。 9号車指定席---名古屋・富山向きで1番ABCD席。米原向きで14番ABCD席。 10号車指定席---名古屋・富山向きで1番ABCD席。米原向きで16番ABD席。16D席は車椅子対応席。 11号車指定席---名古屋・富山向きで1番ABCD席。米原向きで16番ABCD席。 列車は上下とも米原で進行方向が変わります。) |
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サニタリースペースは1・3・4・6・7・9・10号車の米原方に。全て洋式個室と男性用個室で、和式はありません。 車椅子対応サニタリは3・7・10号車に。7・10号車は通路を片側に寄せた、特に大きめの個室となっています。 電話ブースは3・6・9号車に。飲み物の自動販売機は4号車に設置されています 3・7・10号車の乗降ドアは、車椅子での利用を考慮してドア幅が広くなっています。 |