思えば「特急・あいづ」という列車、消えそうで消えずに、何かの折に復活することの繰り返し。 山形新幹線開業時にはパートナー(共通運用列車)を「つばさ」から「ひたち」に換えて生き延び、 上野直通運転が廃止になっても「ビバあいづ」なる観光特急に姿を変えて生き延び、 「ビバあいづ」の運行終了後も、青森から転属してきた485系で「快速・あいづライナー」になり、 その「あいづライナー」も廃止された後、2005年には観光キャンペーン列車として「特急・あいづ」が復活しました。 しかし、観光キャンペーンが終わると「特急・あいづ」の車輌は、東武直通特急「日光・きぬがわ」号へとシフトされ・・・・ そして2006年、夏。何度目となるのか、再び「特急・あいづ」が復活。 今度は赤と黒の衣装を纏い、赤ベコ「あかべぇ」をたくさん引き連れて、首都圏と「極上の日本−会津」を結びます。 |
黄色いリネンに会津のマスコット「あかべぇ」が大きく描かれているので、車内にはどこか微笑ましい雰囲気が漂います。 一見「おぉ!なんか新しいぞ!」と思わせるのですが、実は座席本体から天井・荷物棚・化粧板に至るまで、 インテリアの全てが特急「日光・きぬがわ」で活躍中の485系(言うなれば、先代の特急「あいづ」)とまったく同じです。 フリーストップリクライニングと座面スライド機能、アームレスト先端の収納式ミニテーブルも装備。 シートピッチも1,100mmピッチへと拡大されており、それゆえの「窓の無い窓側席」も発生しています。 車椅子対応席は5号車に設置。こちらも「日光・きぬがわ」編成のものと全く同じ型の座席がセットされています。 |
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余剰空間の穴埋めで設置された「荷物置き場」が、この「あいづ」編成にも設置されています。 「日光・きぬがわ」編成とは異なり、こちらは3号車と5号車の会津若松方デッキ寄りに。 サニタリースペースも、全て「日光・きぬがわ」編成と同じ仕様で統一されています。 洗面台と男女兼用の洋式個室、男性用個室で構成されている点も同一。和式個室はありません。 「国鉄型、全開!!」なデッキも「日光・きぬがわ」編成と同じようになっています。 天井の照明がスポットライトに変えられている点が、国鉄時代の特急電車に比べて唯一の「お化粧」でしょうか。 現在の「日光・きぬがわ」編成が東武直通特急に投入されるに先立って、2005年の観光特急「あいづ」で登場した際、 この時すでに日光特急への投入を考慮してか、デッキの出入り台にあるステップが埋められていました。 磐越西線ではまだホーム高が低い駅があるので、「あいづ」で走った時には踏み台を用意するなど苦慮したそうです。 しかし、この編成ではデッキにあるステップの穴埋めは行われませんでした。 今後もこの編成は「あいづ」号を中心とした、東北エリアでの観光特急としての利用を想定しているものと思われます。 |