JR東日本 200系新幹線



「ひかりは北へ」のキャッチフレーズで建設工事が進められた東北・上越新幹線。
昭和57年の両新幹線開業から国鉄民営化、東京延伸、ミニ新幹線の開業と激動の時代を走り抜けてきた200系新幹線。
新機軸搭載のE系新系列車輌の増備により平成9年に初の廃車が出てからは、その退役は止まるところなく、
グリーンラインの新幹線はもはや風前の灯。現在はごく少数のオリジナル編成が臨時列車で活躍中。
このわずかに残った編成も数年のうちには完全に引退するものと思われます。

(グリーン車・個室はこちらから)


※※※ 現在200系は全てリニューアルされ、ここで紹介するインテリアの車両は現存しません ※※※






普通車









200系新幹線は第一線での活躍中に大規模な編成組み換えやら改造やらが繰り返されたので、
特に普通車ではアコモデーションが多種多様になっていました。
廃車が進んでいた晩年には、同じ編成中でも前のほうと後ろのほうで全く違う座席が並んでいることも。

基本的には、登場当時からの「D21型」シートが、晩年も自由席に残っていることが大多数でした。
このシートはリクライニングをすると、バックレストの傾斜と同時に座面が迫り出して、座席全体の角度がつくというもの。
2人掛けのほうは回転可能ですが、3人掛けのほうは回転が不可能で、
車内の中心からデッキ側に向かって固定された、離反式の構成となっています。

200系には幼少の頃からお世話になっていたので、この座席も何度も座ってきましたが、
あまりポジティブな印象は持ち得なかったというのが正直な感想です。
なんだか妙に「腰が抜けた」ような体勢になってしまい、また膝から足元の空間が窮屈に感じられます。


「とき」がまだ各駅停車タイプだった頃、12両編成を8両編成に組み替えた「とき」用「G編成」が登場しました。
この「G編成」に「D21型」から100系普通車でおなじみとなった「R53型」を指定席車に搭載する車輌が登場。
もちろん3人掛けも回転が可能になり、「D21」時代から比べると大幅に居住性がアップしました。

その後、2階建車輌の「H編成」・つばさ/こまち併結の「K編成」・最高速度を引き上げた「F編成」の指定席車輌に
「R62型」シートが続々と搭載されるようになり、指定席車は3人掛けも回転する座席がデフォルトとなるようになりました。
この「R62型」の3人掛け席は、アームレストが台座に固定されていて、バックレストだけが回転するようになっています。

ちなみに200系普通車のシートピッチは座席交換などが行われても、一貫して980mmピッチは不変。
回転可能となった3人掛けでは、現在のE2系同様にバックレストが異常にそそり立った体勢になりました。







カフェテリア





H編成に組み込まれた2両のダブルデッカー車もうち、1両は1階に従来のビュッフェに替わってカフェテリアが設置されました。

東海道新幹線100系のカフェテリア同様に、「走るコンビニ」のような小分けの惣菜などがたくさん並んでいましたが、
E4系登場のあたりから積み込み品がE4系ミニショップの品揃えに統一されるようになり、
また車内販売用のワゴンも改良されて商品が多く搭載できるようになったことから、
大きなショーケースはスペースを持て余すようになって、寂しい雰囲気が漂うようになってしまいました。

2003年11月30日をもってこのカフェテリアは完全に営業を終了。
H編成そしてこの2階建車輌も2004年のゴールデンウィーク明けに一斉に運用から離脱して廃車されていきました。

カウンターやショーケースはセンターアイランド方式で、100系とは違った一風変わったレイアウトでした。
ギャレイには電子レンジジューサーなどの調理機器が揃っていて、最盛期には調理品も販売していたそうです。
スペースの一角には簡単なバータイプのスツールとカウンタを設置したイートインコーナーも設けられていました。







ビュッフェ









大宮暫定開業の当時から、東北・上越新幹線列車の共食設備といえばこの「ビュッフェ」でした。
今なおファンの間で話題に上る「カレーライス」をここで食べたという方も多いのではないでしょうか?

基本的なレイアウトは0系新幹線の37型ビュッフェとほぼ同一の仕様。
販売カウンタで車内をギャレイと通路に仕切り、通路窓側にスタンドカウンターが設けられていました。
デジタル式のスピードメーターは、200系最高速列車「あさひ」が275Km/hをマークする瞬間を
ここでドキドキしながら見守ったファンは少なくないはず?!

客室とビュッフェを仕切るドアの擦りガラスに書かれた「ビュフェ」の文字、個人的にかなり萌えポイントです。


最後まで残っていたビュッフェは、大きな改造が施されることも無く登場当初のままの姿で消えていきました。
無機質で直線的な雰囲気が漂う車内には、“1980年代”に流行ったデザインが凝縮されているようです。







洗面台/トイレ





200系の洗面台は、基本的に画像左の三面鏡を備えたスタイルを基本としたものがほとんどで、
蛇口の給水が単純なプッシュ式のものとセンサー式のものが半々くらいに見られました。

一部には大幅にリニューアルされた洗面台もあり、近年のE系列車輌で見られるような、
ハンドソープやハンドドライヤーもビルトインされた、センサー式の自動給水タイプへと変化。
ただ、このリニューアルは編成単位というより車輌単位で行われていたようで、編成組み換え等もあって、
1つの編成内に古いタイプの洗面台から新しいタイプの洗面台まで、ごっちゃに混在していました。







デッキ設備








「国鉄型」らしい無骨で素っ気のない雰囲気のデッキは、今となってはなんとも懐かしく感じられます。
そして壁面とツライチにカチッと収まった「冷水器」。これまたシンプルな機能美を感じさせる「国鉄」の傑作ですね。
200系ではほとんどの車輌でこの「冷水器」が最後まで現役で残されていました。




(グリーン車・個室はこちらから)







座席探訪 トップページへ  座席探訪 新幹線ページへ  座席探訪 寝台列車ページへ  座席探訪 JR北海道ページへ  座席探訪 JR東日本ページへ  座席探訪 JR東海ページへ  座席探訪 JR西日本ページへ  座席探訪 JR四国ページへ  座席探訪 JR九州ページへ  座席探訪 民鉄各社ページへ  座席探訪 海外の鉄道ページへ  座席探訪 バスページへ  座席探訪 エアラインページへ