国鉄時代からのR31型シートが並ぶ客室内。 モケット変更により雰囲気こそ変わりましたが、空間に漂う重厚さと広々感は健在です。 シートピッチは登場以来、不変の1,160mm。リクライニングを倒した時の急スピードっぷりも不変です(^_^; 両脇のアーム部分、そしてセンターアームにも律儀にかけられた真っ白リネンと リクライニングのレバーが懐かしさを感じさせますね。 登場初期のモケットは深いワインレッド色で、それはそれは高級感のある雰囲気だったそうです。 その後、明るめのワインレッドに不思議なドット模様を細かく施したモケットへと張り替えられ、 現在はグリーン系統の幾何学模様を描いたモケットへ変わっています。 1988年から1989年頃、東北・上越新幹線では全座席にフルカラーの「車内設備案内パンフ」を搭載していました。 この中に出てくる「グリーン車」の写真、なぜかR35?タイプの座席が写っています。 200系のグリーン車(2階建てを除く)には、R31のほかにもR35が存在していたようです。 また、グリーン席でのサービス内容もこの案内パンフレットに書かれており、 「ソワニエ」乗務以前にも各種サービスが存在してたようです。 |
100系譲りのシャークノーズをもった200系には、2階建グリーン車が2両連結されていました。 「スーパーやまびこ」なんて呼ばれた最速列車で走っていた頃が懐かしいですね。 この2階建て車輌、けっこう人気者だったのですが、本家本元の100系が東海道から消えてほどなくして こちらも人知れずひっそりと引退、あっけなく廃車解体されてしまいました。残念・・・ 2階部分にあるグリーン席。100系新幹線をお手本にしながらも、まったく異なった趣きになっています。 天井はゆるいボールドを描き、これが天地の圧迫感を軽減させています。照明はもちろん間接照明。 シートピッチは1,160mmで、平屋建て200系のグリーン車と同じピッチ展開。 センターアームレストには、他では例を見ないデザインのオーディオパネルが搭載されていました。 テーブルはインアーム式のみを採用。2つ折りのワイドに広がるタイプのテーブルです。 登場初期にはアームレスト内側に小物ポケットがありましたが、こちらはいつの間にか撤去されています。 この車輌が花形として君臨していた1991年から1998年まで、「ソワニエ」と呼ばれる客室乗務員が乗務していました。 |
シャークノーズの200系H編成には、9号車と10号車に2階建て車輌が2両組み込まれていました。 9・10号車とも2階部分はグリーン席のオープンキャビンでしたが、1階部分はそれぞれで設備が異なっており、 9号車の1階は個室、10号車の1階はカフェテリアとなっていました。 個室は「1人用グリーン個室」が3部屋、「2人用グリーン個室」が1部屋、「4人用普通個室」が5部屋設定されていました。 グリーン個室のほうは、通路と完全に仕切ることができる完全なコンパートメントタイプ。 普通個室のほうは、通路とは簡単なアクリル製パーテーションで仕切られたセミコンパートタイプ。 「1人用個室」「2人用個室」とも、基本的な室内サービス設備は同じで、 マガジンラック・大型テーブル・オーディオコントロールパネル・アナログ時計・室内灯コントロールパネルのほか、 コンセントやコレクトコール専用電話・ビデオ再生専用のテレビも装備されていました。 また、個室ドアの施錠はカード式で、東海道の100系同様にカードは記念に持ち帰ることができました。 「1人用」のほうはリクライニング機構のない、単純なシングルソファー。 床への据付型ではなく、簡単に持ち上げることのできるもので、自由に向きを動かすことができました。 「2人用」のほうはシングルソファーとセミダブルソファーがそれぞれ1台ずつ、合い向かいにセット。 こちらは電動リクライニング機構を備えたソファーで、ヘッドレスト部分も高さが自由に変えることができました。 |
開放型の4人用普通個室は、パーテーションで区切っただけの「セミコンパートメント」的な造り。 大きな折り畳み式テーブルを備え、グループ旅行の際に「使ってみたいな」と思わせる雰囲気を漂わせていました。 ちなみに、4人集まれば特急料金だけで利用可能。個室料金はかかりませんでした。 アームレスト内側にはオーディオコントロールパネルを装備。ソファー頭上には荷物棚が設置されています。 ソファーは完全な固定型で、リクライニングなどはできません。 「やまびこ」の一部列車では、車内マッサージサービスが行われていました。 その名も「トレインマッサージ てもみん」 2区画のうち、1つはマッサージ器具を備えたマッサージ室。もう1つは待合室として使われていました。 当時は、なかなか好評だったようで、順番待ちができるほどだったそうです。 このユニークなサービスは、この2階建車輌の引退と同時に終了となり、別列車に引き継がれることはありませんでした。 |
200系新幹線は第一線での活躍中に大規模な編成組み換えやら改造やらが繰り返されたので、 特に普通車ではアコモデーションが多種多様になっていました。 廃車が進んでいた晩年には、同じ編成中でも前のほうと後ろのほうで全く違う座席が並んでいることも。 基本的には、登場当時からの「D21型」シートが、晩年も自由席に残っていることが大多数でした。 このシートはリクライニングをすると、バックレストの傾斜と同時に座面が迫り出して、座席全体の角度がつくというもの。 2人掛けのほうは回転可能ですが、3人掛けのほうは回転が不可能で、 車内の中心からデッキ側に向かって固定された、離反式の構成となっています。 200系には幼少の頃からお世話になっていたので、この座席も何度も座ってきましたが、 あまりポジティブな印象は持ち得なかったというのが正直な感想です。 なんだか妙に「腰が抜けた」ような体勢になってしまい、また膝から足元の空間が窮屈に感じられます。 「とき」がまだ各駅停車タイプだった頃、12両編成を8両編成に組み替えた「とき」用「G編成」が登場しました。 この「G編成」に「D21型」から100系普通車でおなじみとなった「R53型」を指定席車に搭載する車輌が登場。 もちろん3人掛けも回転が可能になり、「D21」時代から比べると大幅に居住性がアップしました。 その後、2階建車輌の「H編成」・つばさ/こまち併結の「K編成」・最高速度を引き上げた「F編成」の指定席車輌に 「R62型」シートが続々と搭載されるようになり、指定席車は3人掛けも回転する座席がデフォルトとなるようになりました。 この「R62型」の3人掛け席は、アームレストが台座に固定されていて、バックレストだけが回転するようになっています。 ちなみに200系普通車のシートピッチは座席交換などが行われても、一貫して980mmピッチは不変。 回転可能となった3人掛けでは、現在のE2系同様にバックレストが異常にそそり立った体勢になりました。 |
H編成に組み込まれた2両のダブルデッカー車もうち、1両は1階に従来のビュッフェに替わってカフェテリアが設置されました。 東海道新幹線100系のカフェテリア同様に、「走るコンビニ」のような小分けの惣菜などがたくさん並んでいましたが、 E4系登場のあたりから積み込み品がE4系ミニショップの品揃えに統一されるようになり、 また車内販売用のワゴンも改良されて商品が多く搭載できるようになったことから、 大きなショーケースはスペースを持て余すようになって、寂しい雰囲気が漂うようになってしまいました。 2003年11月30日をもってこのカフェテリアは完全に営業を終了。 H編成そしてこの2階建車輌も2004年のゴールデンウィーク明けに一斉に運用から離脱して廃車されていきました。 カウンターやショーケースはセンターアイランド方式で、100系とは違った一風変わったレイアウトでした。 ギャレイには電子レンジやジューサーなどの調理機器が揃っていて、最盛期には調理品も販売していたそうです。 スペースの一角には簡単なバータイプのスツールとカウンタを設置したイートインコーナーも設けられていました。 |
大宮暫定開業の当時から、東北・上越新幹線列車の共食設備といえばこの「ビュッフェ」でした。 今なおファンの間で話題に上る「カレーライス」をここで食べたという方も多いのではないでしょうか? 基本的なレイアウトは0系新幹線の37型ビュッフェとほぼ同一の仕様。 販売カウンタで車内をギャレイと通路に仕切り、通路窓側にスタンドカウンターが設けられていました。 デジタル式のスピードメーターは、200系最高速列車「あさひ」が275Km/hをマークする瞬間を ここでドキドキしながら見守ったファンは少なくないはず?! 客室とビュッフェを仕切るドアの擦りガラスに書かれた「ビュフェ」の文字、個人的にかなり萌えポイントです。 最後まで残っていたビュッフェは、大きな改造が施されることも無く登場当初のままの姿で消えていきました。 無機質で直線的な雰囲気が漂う車内には、“1980年代”に流行ったデザインが凝縮されているようです。 |
200系の洗面台は、基本的に画像左の三面鏡を備えたスタイルを基本としたものがほとんどで、 蛇口の給水が単純なプッシュ式のものとセンサー式のものが半々くらいに見られました。 一部には大幅にリニューアルされた洗面台もあり、近年のE系列車輌で見られるような、 ハンドソープやハンドドライヤーもビルトインされた、センサー式の自動給水タイプへと変化。 ただ、このリニューアルは編成単位というより車輌単位で行われていたようで、編成組み換え等もあって、 1つの編成内に古いタイプの洗面台から新しいタイプの洗面台まで、ごっちゃに混在していました。 |
「国鉄型」らしい無骨で素っ気のない雰囲気のデッキは、今となってはなんとも懐かしく感じられます。 そして壁面とツライチにカチッと収まった「冷水器」。これまたシンプルな機能美を感じさせる「国鉄」の傑作ですね。 200系ではほとんどの車輌でこの「冷水器」が最後まで現役で残されていました。 |