■□■ ＢＡの“ワールドイメージ” エアライナー ■□■
1997年、ブリティシュエアウェイズが発表した新ＣＩの発表は、世界中の航空ファンをあっと驚かせました。
「World Image」と名づけられたＣＩのコンセプトは、ＢＡを「地球規模の航空会社」としたもので、
世界各国のアーティストの作品をＢＡフリートの尾翼に描くという、空前絶後の巨大プロジェクトでした。
当初発表された採用アートは10数種でしたが、次第にその種類は予定を遥かに上回るまでに増えていって・・・
ＢＡの拠点、ロンドン・ヒースロー空港は一大「美術館」の様相を呈するまでになりました。
革命的で斬新なこのＣＩ、まさに「地球規模」で世界中の人々の目を楽しませてくれましたが、
思わぬところから波紋が広がり終焉を迎えます。
その「思わぬところ」とは、お膝元・イギリス。この新ＣＩは保守的な気質の英国人から猛反対に遭ってしまったのです。
国旗「ユニオンフラッグ」がコンコルドにしか採用されなかったのも、愛国心の強いイギリスの人々には受け入れ難いものでした。
時を同じくしてユニオンフラッグを機体デザインに採用した「ヴァージン・アトランティック航空」の新塗装機が登場。
どちらが英国を代表する「フラッグ・キャリア」なのか・・・イギリス国内では大きな論議の的となりました。
結局、この「ワールドイメージ」は自国民から受け入れられないという異常事態で結末を迎え、
数年で次々と英国国旗をイメージした「ユニオン・フラッグ」へと統一され、数々の「ワールド・アート」は姿を消しました。
The Union Flag - United Kingdom 〜ユニオン・フラッグ − イギリス〜
「大英帝国」の象徴。デザインのベースとなったのはケント州にある造船所で数百年に渡り保管されてきた国旗。
当初、この「ユニオン・フラッグ」はコンコルドのみに塗られていたが、全てのＢＡフリートの尾翼を飾ることになった。
 Concorde |
 Boeing747-400 |
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 Airbus A319 |
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 Airbus A321 |
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Wunara Dreaming - Austraria 〜ウナラ・ドリーミング − オーストラリア〜
ＢＡで、というよりカンタス航空でおなじみの「ウナラ・ドリーミング」カラー。
同じ「ワン・ワールド」に属するアライアンスメンバー同士ということで、デザインを融通しあったそうです。
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 Boeing757 |
Naranji Dreaming - Austraria 〜ナランジ・ドリーミング − オーストラリア〜
こちらもカンタス航空の特別塗装機でおなじみの「ナランジ・ドリーミング」カラー。
デザインは「ウナラ」「ナランジ」とも、本家カンタス機を手がけた「バラリンジ・デザインスタジオ」
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Water Dreaming - Austraria 〜ウォーター・ドリーミング − オーストラリア〜
「水の波紋」をイメージしたアボリジニ・アート。デザインはオーストラリア在住のクリフォード・ポッシム氏。
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 Airbus A320 |
Waves and Cranes - Japan 〜ウェイブ アンド クレインズ − 日本〜
我らがニッポンも「ワールドイメージ」シリーズの一角を担っていました。
デザインは画家・香山又造氏による「波と鶴」。ＢＡスタッフの間では人気の高いデザインのひとつだったそうです。
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 Airbus A320 |
Delftblue Daybreak - The Netherlands 〜デルフトブルー・デイブレイク − オランダ〜
オランダの伝統的なデルフト陶器に描かれる模様や風景をそのまま尾翼に描いた「作品」。
まるで尾翼が陶器でできているかのように見えてくる美しさでした。デザインはオランダのヒューゴ・カーグマン氏。
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Chalsea Rose - England 〜チェルシー・ローズ − イングランド〜
ロンドン南西部に位置するチェルシー地方のバラをモチーフにした作品。
「最高に美しい！」 「ゴチャッとしてなんだかワケがわからん」と、評判・評価が大きく分かれたデザインでした。
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 CRJ100 |
 DHC-8-Q300 |
Golden Khokhloma - Russia 〜ゴールデン・コークローマ − ロシア〜
ロシアの伝統漆器に描かれる花の模様をモチーフにした作品。漆と墨に金の縁取りが美しい。
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Blomsterang - Sweden 〜ブロムステラング − スウェーデン〜
スウェーデンのウルリカ ハイドマン-バリエン女士の絵画作品。原色を使って植物を描いたもので、派手さではトップクラス。
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Ndebele - Southern Africa 〜ウンデベレ − アフリカ〜
アフリカ南部に住んでいるウンデベレ族のエメリー・マサナボ女史の幾何学アート。
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Ndebele - Southern Africa 〜ウンデベレ − アフリカ〜
同じくアフリカ南部に住んでいるウンデベレ族のマーサ・マサナボ女史の幾何学アート。エメリーさんとマーサさんは双子の姉妹です。
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Blue Pool - England 〜ブルー・プール − イングランド〜
イギリス在住の陶芸家、サリー タフィン女史の作品の一部分を描いた作品。
この絵の現物は、お皿と壷に描かれているというから、そのカラフルさにはオドロキです。
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 Boeing757 |
Rendezvus - Hong Kong 〜ランデブー − 香港・中国〜
香港在住の高名な書道家、イップ・マン・ヤム氏の作品。彼の氏は中国本土では大変高い評価を得ている。
香港が元イギリス領であったためか、この作品を纏った機体は「ワールドイメージ」の中でも大変多かったそうです。
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 Airbus A320 |
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Wings - Denmark 〜ウィングス − デンマーク〜
デンマークの有名デザイナー、アーノルディ氏のアート作品。
一見「雲」のようですが、実はたくさんの「翼」を組み合わせたアートです。
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 Airbus A320 |
Crossing Boaders - Egypt 〜クロッシング・ボーダーズ − エジプト〜
エジプト在住のチャント アベディシアン氏作成の壁掛けの一部を描いたデザイン。
1000年の歴史を持つエジプト絵画を現代風にアレンジしたもので、どこか可愛らしさも漂う作品でした。
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Paithani - India 〜パイタニー − インド〜
インドのメーラ女史が織る伝統織物をそのまま尾翼に描いたデザイン。
金の糸を惜しげもなく使った作品の美しさは「ワールドイメージ」の中でも「ピカイチ」と評判でした。
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Animals and Trees - Kalahari Desert 〜アニマルズ アンド ツリーズ − カラハリ砂漠〜
カラハリ砂漠に住むンコークホー族のアーティスト、クコイズ女史による作品。
伝説の神話を元に、オアシスに集う動物たちと生い茂る木々をカラフルに描いています。
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Waves and the citys - USA 〜ウェイブ アンド シティーズ − アメリカ〜
ニューヨーク在住の現代画家、ジェニファー コビラーズ女史による抽象芸術作品をデザインしたもの。
ナミナミ模様が美しいデザインでしたが、抽象的な作品だったため「好き」 「嫌い」が分かれるデザインでした。
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 DHC-8 Q300 |
Koguty Lowickies - Poland 〜コグティ・ロゥキィズ − ポーランド〜
ポーランドのアーティスト、ダヌーク ヴォイダ女史の切り絵細工の作品をデザインしたもの。
古くから伝わる伝統民芸ですが、「切り絵」とは思えない緻密さ・美しさです。
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Grand Union - England 〜グランド・ユニオン − イングランド〜
イングランドのアーティスト、クリスティーン バス女史のバラをモチーフにした作品をデザインしたもの。
バラはイングランドの象徴ともいえるものでしたが、「イングランド」作品が数種類存在したためか、このデザイン・フリートは少数派でした。
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Whale Rider - Canada 〜ホエール・ライダー − カナダ〜
カナダ在住の木彫りアーティスト、ジョー デービッド氏による、伝説の「クジラ遣い」をモチーフにした作品。
尾翼にデザインを移した際に原画を大きくはみ出てしまったため、何を描いているのか分からないものになってしまいました。
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Benyhone Tartan - Scotland 〜ベニホーン・タータン − スコットランド〜
スコットランドの毛織物職人、ピーター マクドナルド氏によるタータン作品。
数多くの受賞歴を持つ同氏はヨーロッパでは有名で、このデザインを施した機体は人気が高かったそうです。
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 Airbus A320 |
Bauhaus - Germany 〜バウハウス − ドイツ〜
ドイツのセラミシスト、アンティエ ブリシュゲンマン女史による作品。
三角形のタイルを複雑に組み合わせた幾何学模様で、いかにも「ドイツ！」というデザイン・カラーでした。
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Colum - Ireland 〜コラム − アイルランド〜
アイルランドのケルト人の間で伝わる「古代文字」を抽象的に表現した、ティモシー オニール氏の作品。
カラフルなラインが複雑に入り組むデザインは、どこの空港でも一番目立つ存在でした。
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Primavera - Romania 〜プリマベラ − ルーマニア〜
ルーマニアのアーティスト、モラッグ女史によるテーブルクロスデザイン。
「プリマベラ」とは「春」のことで、春らしいピンクとグリーンの色遣いが美しい作品でしたが、BAフリート内では少数派でした。
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Teaming up for Britain 〜ティーミング アップ フォー ブリテン〜
--British Olympic Association--
厳密には「ワールド・イメージ」に属するデザインではありませんが、同時期に出回っていたオリンピック・カラーです。
英国国旗「ユニオン・ジャック」をロイヤルマスコットのライオンの顔にデザインしたもの。
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 Airbus A320 |
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