
初代・山形新幹線車両の400系の置き換え用に2008年に登場したのがE3系2000番台車両です。 |
2010年までに全12編成84両が製造され、全ての400系の置き換えが完了しました。 1999年の新庄延伸で増備されたE3系1000番台をベースとしていますが、275Km/hでの走行が可能。 東北新幹線区間では、当初は400系を引き継いでE4系との併結運転が行われていましたが、 2012年からは併結相手がE2系になり、時速275Km/hでの運転を開始しました。 その後E2系の引退が進んだことから、2024年からは併結相手がE5系になりました。 内装もかなりバージョンアップされ、山形の風土を感じるインテリアデザインを採用。 普通車にもコンセントが設置されたり、16・17号車の旧自由席車もシートピッチが拡大。 400系引退後は、長らく山形新幹線の最大勢力として活躍。 2014年からは山形の県鳥「オシドリ」をイメージしたカラーリングに塗装変更が行われました。 2025年8月現在、後進のE8系の増備の途上にあり、E3系2000番台は順次廃車が進行中。 2025年度内での全車引退が予定されています。 エクステリア・インテリアデザイン:GK Design Group, Inc. (撮影時期:2009年・2011年) |
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グリーン車/GREEN CAR (FIRST CLASS)
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グリーン席です。「やはり」というか、「当然」というか・・・・横4列のグリーン席になってしまいました。 400系を置き換えるために登場したこの新型車両。 横3列のどっしりした、ゆとりある400系のグリーン席を継承することは叶いませんでした。残念。 シートピッチは1,160mmで、標準的なグリーン席のシートピッチとなっています。 横4列・ストーン調の座席・ストライプ模様の床・・・・「こまち」「つばさ」で見慣れたE3系列新幹線のグリーン車イメージを強く感じさせる内装。 しかし、この車両ではいろんな設備が追加されていて、これまでのE3系とはかなり異なるものとなっています。 座席足元のフットレストが姿を消し、足を支える設備がレッグレストに変わりました。 肘掛内側のスイッチで展開・収納が行え、電動式でゆっくりと動くので自分の最も寛げる角度で展開させる事ができます。 センターアームレストの先端には電源コンセントが装備され、2つ口が用意されているので「全席コンセント付き」となっています。 電源はAC100V、50Hzで2アンペアの容量となっていて、ノートパソコンの電源ポートや、携帯電話やiPodなどの充電が主用途。 テーブルは背面収納とインアーム収納の2タイプを装備し、用途に合わせて好きな方を選んで使う事ができます。 パソコンを使うなら背面テーブルを。A4大のノートパソコンが置けるワイド幅になっています。テーブルは最大重量5Kgまで。 ちょっとした食事ならインアームテーブル。飲み物を置いておくなら、背面テーブル下のドリンクホルダーが便利です。 |
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天井荷物棚の下には読書灯を装備。電球からLED式になり、かなりの明るさが手元まで届く。
丸いボタンはリクライニング。その下はレッグレストのコントロールパネル。E655系と同じもののよう。 |
センターアームレスト先端の電源コンセント。 | 2つ口が設置され、窓側席・通路側席のどちらでも使う事ができる。
座席背面には収納式のフック。帽子掛けや買い物袋を下げておくのに使える。 | その下のマガジンポケットにはゴムフックがあり、傘を掛けておくのにも使う事ができる。
座席背面のマガジンポケットとドリンクホルダー。マガジンポケットには車内誌と車内販売メニュー。 | マガジンポケットの上に見える丸いゴムフックは、座席上部のフックに傘を掛けた時の傘ホルダーとして使う。
カーテンはロールブラインド式。よく見ると「べにばな」柄がプリントされている。 |
テーブルは、インアーム収納式と背面収納式の2タイプを装備。 |
レッグレストは電動式。任意の位置・高さで止めることができる。 |
ちなみに、画像奥の席のレッグレストが最大の高さまで上げた状態。 |

普通車/ORDINARY CAR (ECONOMY CLASS)
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濃い目の朱色とブラックのツートンカラーの座席が整然と並ぶ普通車。 特に座席上部の赤系基調のカラーリングは、車内に入った瞬間にかなり目に鮮烈に映り、強く印象に残ります。 この赤は、山形新幹線沿線の特産品である「紅花」「サクランボ」をイメージしたものだそうです。 これまでの山形新幹線の400系・E3系1000番台では、指定席はピッチ980mm・自由席はピッチ910mmで差別化を図っていましたが、 今回のこの車両では指定席・自由席ともシートピッチが980mmに統一されました。 自由席では着席定員が若干減ることになりましたが、座った時に足元に広がるゆとりが増したことは喜ばしいことです。 リクライニングは、背もたれが倒れるのと座面がスライドする2way展開。JR東日本の新型特急車では、もはや当然の設備です。 窓側下部にはコンセントが1つ口設置されています。位置的に通路側席の乗客には使いにくく、不公平感があるのが残念なところ。 ちなみにデッキ寄りでデッキを向いた位置での席では、壁面に大形テーブルと一緒にコンセントが通路側にも設置されています。 座席背面には収納テーブルマガジンポケットとドリンクホルダー。上部には収納フックが装備されています。 座席足元には跳ね上げ収納式のフットレスト。 天井荷物棚下には読書等も。グリーン席同様に、電球タイプからLED照明に変わって照度がかなりアップしました。 車椅子対応席は12号車の東京寄りに1席が設置されています。回転時は通路向きでの固定はできません。 |
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車椅子対応席の後ろの席は、向きによって通路側席がテーブル無しになってしまう。 この席だけインアーム収納テーブルを装備しているので、下り窓側席は2タイプのテーブルが使えるボーナス席。
デッキ仕切り壁は木目調。暖かみを感じ、目に優しい色調で車内の雰囲気を明るいものにしている。 |
座席背面にはマガジンラックとドリンクホルダー。E257系「あずさ」以来、見慣れたセッティングである。 | 丸いゴムフックは、座席上部のフックに傘を掛けた時の傘ホルダーとして使う。
座席背面上部には収納式のフック。帽子掛けや買い物袋を下げておくのに使える。 |
足元には跳ね上げ収納式のフットレスト。前座席の下は空洞なので、座席下へ足を伸ばすこともできる。 |
センターアームレストは、跳ね上げて座席間へ収納することができる。 |
カーテンはロールブラインド式。サクランボ柄となっていて、地域性を演出している。 |
窓下の足元には電源コンセント。1つ口のみなので、実質窓側席の占有装備品。 |
デッキ向きの席は壁に大形収納テーブルと電源コンセントを装備。ここだけは通路側席もコンセントが使える |
天井荷物棚の下には読書灯を装備。グリーン席同様に電球からLED式になり、かなりの明るさが手元まで届く。 |
シートヘッド部分は両脇がそそり立ったヘッドサポートタイプ。居眠り時に頭を支えて、頭がフラフラとならない。 |
窓間には収納式のコートフックが装備されている。 |
前席がフルリクライニングするとこのような感じ。比較的余裕を感じるのは、やはりピッチ980mmのおかげか。 |
座席はツートンカラー。上半分の赤は「蔵王の紅葉」「紅花」「サクランボ」のイメージだそう。 |
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トイレ・洗面室/TOILET・SANITARY SPACE
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サニタリーは11・13・15・16号車の新庄方に設置されています。各箇所とも洗面室と男性用個室と洋式個室。和式個室はありません。 (15号車は洗面室と洋式個室のみ) いずれも洋式個室には収納式のベビーベッドが設置されています。 洗面台は温水全自動給水。ハンドウォッシュ・乾燥温風も手をかざすだけでセンサーによって自動的に動き出します。 特に乾燥温風はこれまでの洗面台の弱い風に比べてかなり強力になり、温風だけで手を乾かすことができるようになりました。 サニタリースペースはいずれも、照明が暗い上にアルミパネルを多用しているのでムーディーな雰囲気です。 ちなみに洗面室の物掛けフックは山形鋳物。サクランボの柄が入っていて、ここでもさりげなく地域性をアピール。 11号車(グリーン車)のサニタリースペースは車椅子対応となっています。 大形の洋式個室にはウォッシュトイレが設置されており、このほかにもベビーベッド、着替え用の踏み台も設置されています。 通路を挟んで対面には、車椅子のままでも使える幅広の大形洗面台が設置されています。 |

乗降口・デッキ設備・大型荷物収納スペース/ENTRANCE・DECK SPACE・BAGGAGE SPACE
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11号車と12号車のデッキドアは車椅子対応で幅が広めになっています。 カード式の公衆電話は13号車と16号車に。AEDは13号車に設置されています。 スキー板やスノーボード収納を主目的としているであろう、縦長の荷物置き場は12・14・15・16・17号車に。 全てのデッキには、防犯目的の監視カメラがドア上部に設置されています。 11号車グリーン車のデッキの手すりは山形鋳物製。サクランボの模様が入れられていて、ちょっとシャレた演出です。 乗降ドア脇の行先表示機はフルカラーLED。列車名・行先を日本語/英語で交互に表示するほか、停車駅などもスクロール表示。 |
