東武鉄道の日光線系統の主力特急に大変革がおきた1991年7月のダイヤ改正。 「デラックスロマンスカー」が全て新型特急「スペーシア」に置き換わり、車両の玉突き格落ちで古豪5700系が引退。 そして特急を補完していた「快速急行」は、この300系・350系の登場により「急行」へと格上げがなされ、 それまでの「だいや」号は「きりふり」号に、「おじか」号は「ゆのさと」「南会津」号へと愛称も一新されました。 スペーシアと同じカラーリングを纏い、一見「スペーシア」と同系統の特急車のように見えますが・・・・ 実は、かつての「急行・りょうもう」で使われていた1800系を改造して、車内は若干のリフレッシュに留めた程度となっています。 東武線内の種別整理により、現在は「特急」となった300系・350系。 同じ特急のスペーシアかと思って予約するとガッカリ・・・、でもマニアには往年の1800系の面影が楽しめる貴重な存在?? ウィンターシーズンの「スノーパル2350」、ハイクシーズンの「尾瀬夜行2350」にもこの300系・350系が使われています。 |
かつての急行「りょうもう」号、1800系に簡単な改造を施しただけなので、基本的に客室内は1800系時代と大差ありません。 これで「特急料金」を取っていいものか・・・と思いますが、「スペーシア」に比べて若干安めの料金設定となっております。 シートピッチは960mm。座席は1800系の後期に導入された、角ばったデザインのものが搭載されています。 さて、この座席。全くリクライニングしません。 バックレストもわずかな角度でしか傾斜が付けられていないので、座ってみるとほぼ直角スタイルでの姿勢を余儀なくされます。 座面・背面ともクッションが激しくヘタった様子も無く、この点の柔らかさは程ほどで好印象でしたが・・・・ いかんせん、背中をもたれかかる姿勢になれないのがキツいです。 足元にはフットレストも装備していますが、このシートピッチでは不要というのが実の感想。 逆にフットレストが無いほうが足を伸ばせて、少なからずともゆったりできそうな気がします。 窓下の壁側には、東武の優等列車の証し「折畳みテーブル」も装備しています。 背面のテーブルを引き出すと中にはドリンクホルダー。ちょっと「観光バス」っぽいユーティリティです。 |
| | | | |
| |
トイレコーナーは、6両編成の300系では1号車と6号車に、4両編成の350系では1号車と4号車にそれぞれあります。 いずれも和式のみで、中も一昔前の国鉄型特急を思わせるような、素っ気無い雰囲気。 洗面台は個別で設置されておらず、トイレ個室の中に設置されている小さな手洗いシンクだけとなります。 飲料の自動販売機は、6両編成の300系では1号車と6号車に、4両編成の350系では1号車と4号車に。 300系・350系には「スペーシア」のようなビュッフェ設備は無く、また基本的に車内販売もありません。 電話コーナーは、6両編成の300系では5号車に、4両編成の350系では3号車にあります。テレホンカード専用となっています。 |