2015年12月から東武鉄道は、台湾の台湾鉄路管理局と友好鉄道協定を締結しました。 その後、両社の特急車両に共通デザインのシンボルマークを掲出したり、双方の会社の乗車券を提示すると現地で割引乗車券が購入できるなどのサービスを展開。 友好鉄道協定の締結から約半年後の2016年6月。 東武鉄道は自社の特急「りょうもう」号で使用している200系車両に、台鐵の看板特急「普悠瑪(プユマ)」号に使用しているTEMU2000型車両の塗装を施した車両を登場させました。 カンパニーブランドイメージを強く持つ花形の特急形車両に、海外の車両の塗装を施すのは極めて異例のことで、台鐵との友好鉄道協定を大切にする東武鉄道の姿勢を感じさせます。 特別塗装編成には、200系の「208F」編成が抜擢され、細部にまで「普悠瑪」を感じさせる、徹底的にこだわった塗装が施されました。 「普悠瑪」塗装となった200系は、そのほかの編成の200系/250系に混ざって「りょうもう」号の運用に入っていますが、 東武鉄道のホームページでは「台鉄カラー『普悠瑪(ぷゆま)』りょうもう号運転予定一覧」を公開していて、突発的な運用変更が無ければ狙って乗車・撮影が可能となっています。 |
外観は「普悠瑪」に変身しましたが、内装は従来の「りょうもう」のままで大きな変化はありません。 東武鉄道の200系は増備が完了するまで長い時間を要したことから、座席も増備時期によっていくつかのタイプが存在することが知られていますが、 208F編成は、登場時から新規作成された座席を搭載しています。 背面はフリーストップ式のリクライニング機構を持ち、テーブルは窓下の折り畳み式のテーブルのみを装備。 座席背面のマガジンポケットは、ゴムバンドタイプとなっていて、使い勝手は正直言ってあまり良くありません。 足元には跳ね上げ収納式のフットレストが設置されています。 座席の肩の部分には、プラスチック製の手掛かりが取り付けられました。 200系は現在、新しく設計した座席への交換が進んでいますが、208F編成では座席交換はされずに、新座席と同じ柄のシートカバーへの交換が行われました。 新しい座席への交換は、1720系デラックスロマンスカーから流用した座席を搭載している編成から進んでおり、 比較的新しいタイプの座席を搭載している208F編成でシートカバーのみ交換が行われたということは、 1720系タイプの座席のみが新座席への交換対象となっていて、それ以外はイメージ統一のためにシートカバーのみの交換となる可能性が高いと思われます。 新座席は、個別に背面テーブルがあったり、センターアームレストがあったりと、ユーティリティの面では進化していますが、 掛け心地はどちらかというと退化してしまった感が否めないため、新座席を搭載した編成よりも従来の座席の編成のほうが「当たり」かもしれません。 外観デザイン面で目に付くポイントをいくつかご紹介。 各車両のセンター下部には、赤いラインの塗装が途切れて蜘蛛の巣のような丸いマークと数字が描かれていますが、これは東武鉄道の社紋と車両番号です。 TEMU2000型「普悠瑪」でも同じところに台鐵の社紋と車両番号が描かれていて、これを“東武200系バージョン”で再現したものです。 各先頭車の連結面寄りには、「2016」とサルのイラストが描かれています。 これは、2016年に増備されたTEMU2000型にも描かれているものと全く同じデザイン。2016年の申年に登場した記念に描かれたイラストです。 「普悠瑪」りょうもう号も2016年に登場したことから、このイラストが描かれました。 (ちなみに、TEMU2000型のこのマークは先頭車車端部ではなく、先頭車運転台真横に描かれています) 当初、このサルのイラストは2016年12月31日までの掲出予定でしたが、撮影・乗車した2017年3月現在でもまだ残されていました。 |