登場から20年余りが経過した東武鉄道の看板特急「スペーシア」。 日本でも指折りの豪華さを誇るこの特急もやや草臥れてきた感が拭えなくなってきたところへ、東武鉄道は同車のリニューアルを発表。 開業を間近に控えて沸きに沸く、東武の一大プロジェクト「東京スカイツリー」をモチーフにした改装が施されることになりました。 ボディカラーには、「東京スカイツリー」ライティングカラーの「雅」と「粋」をイメージしたメタリック塗装に加えて、 東武の日光鬼怒川行き優等列車の象徴色の「サニーコーラルオレンジ」をそれぞれベースにした、3タイプカラーを設定。 インテリアも、一般席・個室席ともに座席モケットの張替えを行うほか、壁紙の張替えなどで、これまでの車内イメージを一新。 「スペーシア」は、「東京スカイツリー」が開業する2012年中に全9編成のリニューアルを完了の予定。 浅草〜スカイツリー〜日光鬼怒川と、東武鉄道の観光メインラインをつなぐフラッグシップトレインとして走り続けます。 |
ライトグレーを基調にしたインテリアで清楚な印象の一般席は、リニューアルによって目の醒めるような青系カラーに大変身。 東武鉄道の新しいCIカラーである「フューチャーブルー」をモチーフにしているもののようです。 モケットには、カラフルなパステルカラーのドット模様が目に楽しいデザインとなっています。 これは「東京スカイツリー」のロゴマークをモチーフにした柄で、「リズミカルで躍動感のある楽しい雰囲気」を演出しているとのこと。 腰掛そのものは以前からのもののままで、座席モケットの張替えに留めています。 すでに内蔵スピーカーが撤去された、大きく張り出したヘッドレストもそのままの形を残しています。 従来からの腰掛が非常に良い出来栄えだったので、下手な設計の新しいヤワな座席に交換されてしまうよりかは、ずっとも快適。 どっしりとした安定感のある掛け心地に、頼りがいのあるリクライニングは健在です。 シートピッチも、これまでの1,100mmという破格の広さを保っています。 「バブルの残り香」を感じさせるゴールドのトリムも、テーブル・帽子掛け・通路のカーペット押さえと客室内の随所に。 読書灯やスポット空調、インアームテーブルにフットレストなど、快適空間を演出する脇役たちもそのまま残されています。 |
6号車のコンパートメントカーは、リニューアルによってソファーがブラウン系のモケットに張り替えられました。 絨毯も同じくブラウン系のものに敷き替えられ、個室内は重厚さが増しています。 このブラウンは「日光・鬼怒川の自然豊かな大自然を連想させる」イメージとのこと。 個室も一般席同様にソファーモケット・絨毯・壁紙の張替えに留めているため、従来からの細かな設備は変わらず継続されています。 |
3号車のビュッフェも、壁紙の張替えリニューアルに留めていて、供食設備・サービスともに変わりはありません。 これまで通り、ビュッフェ営業列車ではギャレイのレンジを使ったホットミールの販売が行われています。 ビュッフェから3号車客室に至るカーブ壁面には、スカイツリーのキャラクター「ソラカラちゃん」のポスターが登場しました。 ビュッフェ隣接の電話室ですが、2012年3月31日で全ての車内電話サービスが終了。 公衆電話が残されている編成については電話室が封鎖され、電話機が撤去された編成については携帯電話コーナーとなっています。 |
デッキ部分は壁紙張替えの手が入った程度のリニューアルなので、あまり大きな変化は見られません。 3号車と4号車のボディサイドに大書きされている「SPACIA」のロゴは、リニューアルによって大きくデザイン変更されました。 これまでの直線的なロゴから丸みを帯びたゆるい字体になり、「I」の字は「東京スカイツリー」の塔体シルエットにデザイン。 その脇に並ぶ3連星は、スペーシアが結ぶ3大観光地「浅草エリア」「スカイツリータウン」「日光鬼怒川エリア」の意味が込めらています。 |