「(キョコウ号/ジューグワンハオ)」は、台鐵の特急「自強号」を補完する形でダイヤが組まれている長距離列車です。 JRにおける「急行」と同じ種別ランクに相当する列車で、自強号よりも停車駅が多めなので小規模都市間移動の利用者も多いです。 ほぼ全ての「キョ光号」は機関車が牽引する客車列車で運転され、「自強号」を補完する役割となってはいるものの、 「自強号」は新型電車化による高速ダイヤへ移行しつつあり、スピード・ダイヤ面で年々開きが大きくなってきています。 足が遅い「キョ光号」ですが、運賃が安いことと車内設備が自強号と比べて見劣りしないこともあって、台湾では人気があります。 ごく一部の「キョ光号」には「商務座」と呼ばれる、JRの「グリーン車」に相当する特別車両が連結されています。 「商務座」に乗車する場合は、「自強号」の運賃が適応されます。 |
車内は大型の座席が2+1の横3列で並び、見た目にも豪華な雰囲気が感じられます。 座席はどっしりとした安定感のあるもので、座席クッションの柔らかさもなかなかのもの。 ランバー部分には上下可動式のランバーサポートが付いていますが、座席によって厚みがマチマチで、これはメンテナンス頻度によるものかと。 その人の体格にもよるとは思いますが、ランバーサポートは薄めのほうがしっくりくる感じです。厚みが大きいと腰が押し出されすぎる感じです。 枕も上下可動式。一番下まで下げるとかなり下まできますが、ここまで下げて使う人はまずいなそうです。 大人だと、ほとんどの人は一番上まで上げて使う人がほとんどでしょう。 外側の肘掛の先端にはパネルが埋め込まれていますが、「チャンネル」と「ボリューム」の表示があることから、音楽サービスの操作パネルのようです。 ただ、パネル上には何も文字表示が無く、座席周りにもヘッドフォンなどを挿入するジャックがないことから、パネルだけが過去の名残になっているようです。 テーブルはインアーム収納式のものを装備。座席背面は下部にマガジンポケットが装着されています。(台湾の人はゴミ入れとして使うことが多いようです) 足元はかなり広く、足を思いっきり伸ばすこともできます。フットレストは装備されていません。 商務座の車輌は一般車両からの改造のようで、一般車よりシートピッチが広くなっているので、ほとんどの席で席位置と窓割が合っていません。 画像は「BCK10603」のものです。 |
「商務座」は「1A号車」として、1号車よりもさらに先頭(もしくは1号車よりもさらに最後部)に連結されることが多いです。 1号車寄りのデッキには、大型の荷物置き場と給湯器とトイレが設置されています。 トイレの脇には小さな部屋があります。乗務員用のスペースという感じですが、乗務員は常駐していませんでした。 客室内の案内ピクトグラムに「電話」マークがありますが、車内のどこにも電話は設置されていません。 このスペースはおそらく、以前「電話コーナー」だったのではないかと思われます。 |
こちらは「BCK10606」の車内です。「BCK10603」と比べると、天井の照明に違いがあります。 |
こちらは普通車の車内です。 E1000系やDR3000系列のの自強号車両と比べると、シートピッチはやや狭めですが、座席や周辺設備は遜色ないレベルなのがわかると思います。 |