2014年7月の台東線電化工事完了に伴うダイヤ改正に向けて製造された、特急自強号向けの新型特急車輌がTEMU2000系です。 全編成が日本車輌で製造され、TEMU1000系太魯閣に続けて日本製の車両が台湾国鉄の新たな顔として活躍することになりました。 TEMU1000系で採用された振り子装置の搭載をやめ、TEMU2000系では台車の空気ばねを利用して車体を傾斜させる装置を採用しています。 列車名は前回のTEMU1000系を「太魯閣」と命名したときと同様に公募が行われ、台東地方の原住民プユマ族にちなんで「普悠瑪」と名付けられました。 2013年2月の旧正月輸送から運転を開始。それと同時に新造された車体の日本からの輸入も本格化し、翌2014年2月にTEMU2000系での自強号を大増発。 さらに同じ年の7月の台東線電化完了によるダイヤ改正で、台北〜台東間を結ぶ特急自強号のほとんどが「普悠瑪」に置き換えられました。 今後は、現行の自強号速度と輸送力アップ、そして最後の非電化幹線の台東〜屏東間電化工事完了に向けてTEMU2000系のさらなる増備が予定されています。 |
「普悠瑪」車両は8両編成。全てが普通車で「商務座」のようなビジネスクラス相当の特別車は設定されていません。 車内は白い壁と、赤系統のモケットを使った座席が並んだ明るい雰囲気となっています。 シートピッチは1,100mmとかなり広く、これはJRの特急グリーン車とほぼ同じくらいの広さとなっています。 座席は2席並びで背もたれの上部が真ん中に向かってへこむように傾斜している、変わったデザイン。 |
1号車と8号車には車椅子専用席と、大型の電動車椅子でもそのまま乗車できるように広いスペースが確保されています。 |
4号車と5号車には、4人用のグループボックス席が設置されています。大きなテーブルは、お弁当やお菓子などを広げるのにとても便利。 この席はボックス単位での販売となっていて、インターネットなどで座席予約する場合は4人以下の人数では空席に表示されません。 座席はほかの2人掛け席とまったく同じ作りです。リクライニングもできますが。座席を回転させることはできません。 このグループボックス席は、車内に千鳥配置されています。(くわしい座席番号は、シートマップをご覧ください) |
サニタリースペースは全ての車両に設置されています。8号車〜5号車は台東方デッキに、4号車〜1号車は台北方デッキに。 両先頭車を除く中間車両のサニタリースペースは、全て男性用トイレと男女兼用トイレで構成されています。 男女兼用トイレは、洋式トイレと和式に似た「中華式」ともいうようなトイレが、1車両おきに交互に配置されています。 男性用トイレを除く全てのトイレには折りたたみ式のベビーベッドが設置されています。 1号車と8号車のトイレは運転室直後に配置。通路側に大きくカーブしたデザインで車椅子対応となっており、個室内には男性用トイレと洋式トイレがあります。 |
3号車と6号車には授乳室が設置されています。 室内にはベンチソファーや折りたたみ式のベビーベッドやベビーキーパー、またおむつ交換を前提とした小さな洗面台やゴミ箱などがあります。 日本ではここまでの設備を持った列車は存在せず、台湾のユニバーサルデザインと公共施設への意識の高さを感じさせる設備です。 |
荷物置き場は、1号車と8号車は客室内の運転席側に、2号車〜7号車は各車両のトイレのある側のデッキに設置されています。 3号車と6号車のデッキには飲料の自動販売機が設置されています。 充電コンセントは客室内には設置されていませんが、各車両のデッキに「緊急充電用」としてコンセントが1口設置されています。 |