TEMU2000系「普悠瑪型車両」の大量導入により、これ以上の増備は終了かと思われていたTEMU1000系「太魯閣型車両」 しかし、2014年末に台湾政府から2編成の追加増備が発表され、2016年初めに3次増備の2編成が相次いで日本から台湾に輸出されました。 この3次増備編成のうちTEMU1013+1014には、台湾サンリオとのコラボレーションにより、車体に大掛かりなハローキティーのラッピングが行われました。 すでに台湾サンリオとのコラボで「ハローキティジェット」を多数機運航してきた実績のある、台湾のエバー航空が両社を仲立ちし、 「太魯閣型車両」の車体には、世界一周旅行を楽しむキティーちゃんとその仲間たちが大きく描かれるラッピングが実現しました。 2016年4月から、金・土・日曜日に樹林(台北)−知本(台東)間を一往復する限定ダイヤで運行を開始しましたが、 あまりの人気の高さに、指定券は毎週売り切れが続出。 太魯閣キティーグッズの販売開始日には鉄道ファンとキティファンが台鐵ショップに長蛇の列を成すなど、社会現象に近い状況を巻き起こしました。 2016年10月のダイヤ改正からは、人気に応えるように運行日と運転本数が大幅に追加されました。 (この「新太魯閣ハローキティー列車」は、2019年7月にハローキティーラッピングが解除され、現在は一般塗装に戻っています) |
ハローキティーワールドは外観だけではなく、車内もキティーちゃんで溢れ返っています。 キティーちゃん大好きな女子(男子も?)にとっては、まさに夢が叶ったかのような「キティーちゃんと旅ができるワンダフルな列車」。 まさか「走るサンリオピューロランド」が、台湾で実現するとは誰が予想できたでしょうか。 エバー航空の「キティージェット」で台湾へ飛び、台湾国内の移動は「キティー特急」で。これが今一番ホットな台湾旅行です(?) 3次車では、1・2次車とは違う座席が搭載されています。掛け心地などは、この3次車のものが一番良いように感じられます。 (最新型のTEMU2000系普悠瑪の座席と比べても、こちらのほうが格段に上を行っているように感じました) 背中をしっかりホールドするようにバックレストが成型されていて、高速走行時に感じる激しい揺れが、前のタイプの座席よりだいぶ緩和されています。 リクライニング時に、座面がチルトする構造にはなっていないのですが、 臀部に当たる部分にヘコみがあり、奥が深く、前方に向かってなだらかに流れるような形状にヘコんでいるので、太腿から先が自然に投げ出せる姿勢が取れます。 足先にフットレストはありませんが、前の席の台座部分はスッポリと空洞になっているので、前席下部に思い切り足を投げ出すことができます。 客室内のインテリアは2種類あり、1・3・6・8号車は赤のシートモケットに、壁や荷棚の縁にはピンク系のラッピングが施されています。 一方、2・4・5・7号車は青系のシートモケットに、壁や荷棚の縁がオレンジ系のラッピングとなっていて、双方で雰囲気がかなり異なります。 青系のほうは「太魯閣列車のイメージカラー」という感じですが、赤系のほうは「女の子の部屋」という感じで「かわいい」が炸裂しています。 座席はフリーストップリクライニングで、最大まで倒すとけっこうな傾斜量になります。 テーブルはインアーム収納タイプを装備し、座席背面は下部に網ポケットがあるだけで、見た目に実にシンプル。 テーブルにはドリンクが置ける円形のフチがありますが、太魯閣列車は揺れが激しく、カーブでの車体振り子動作もハンパなく傾斜して走るので、 飲み物をテーブルに置くことはまずおすすめできません。壁側に付いているドリンクホルダーを使用したほうが間違いありません。 座席の肩の部分には、通路を歩く時の手掛かりとして球形のグリップが装着されています。 ヘッドレストカバーは、運行初日の大量持ち去りが伝説のニュースとなりましたが・・・・。 現在は持ち帰られてもいいように、コストの安い不織布製のものになりました。 ただ、あのニュースがあまりに話題になりすぎたせいか、不織布になった今でも持ち帰る人はほとんどいないようです。 窓間に柱の部分には、ランダムにキティーちゃんやその仲間たちが顔を覗かせています。 全ての柱にこのステッカーが貼られているわけではないので、乗車して、もし目の前にキャラクターがいる席だったら、ちょっとした当たり席かも。 ちなみに、客室やデッキなどの、車内にいる全てのキティーちゃんは台鐵の車掌さんのユニフォームを着用した恰好をしています。 こんな姿のキティーちゃんが見られるのも、この列車だけの「限定サービス」です。 1号車と8号車の運転室側には、車椅子スペースがあり、デッキ仕切りドアも車椅子での通り抜けが容易なように幅広サイズとなっています。 また、車椅子スペースの対面には小部屋があり、ここは赤ちゃんへの授乳時などに使えるマルチスペースとなっています。 |
デッキは、客室よりも大掛かりなハローキティのラッピングが施されています。 乗客が乗車してまず最初に通るのがこのデッキ空間なので、ここでキティーちゃんのお出迎えを受けたら気分はハイテンションになること間違いなし。 1・3・6・8号車はピンク系の装飾、2・4・5・7号車はオレンジ系の装飾になっていて、壁に貼られているキティーちゃんのステッカーはそれぞれ微妙に異なっています。 携帯電話の充電・通話コーナーには、スマートフォンを持ったキティーちゃんの姿も。 トイレの個室内は特に何の装飾もされていませんが、1号車と8号車の乗務員室兼授乳室の内部は壁一面がピンク色。 車内販売のワゴンも、この列車専用のキティーちゃんデザインになっていて、オリジナルキティーグッズをたくさん車内で販売しています。 1号車と8号車の運転室寄りのデッキには、乗車記念スタンプが設置されていました。(2016年8月の乗車時にはスタンプは撤去されてしまっていました) |
台湾の鉄道旅行では駅弁が旅行者から大変な人気ですが、この列車ではキティーオリジナルデザインのお弁当が販売されています。 台北側始発の列車では日式トンカツ弁当、台東側始発の列車では台東の民族料理をベースにしたもので、内容が異なっています。 お弁当の積み込み数には限りがあるので、このオリジナル弁当を食べたいなら、乗車後に早めの購入をおすすめします。 車内で販売されてい台鐵オリジナルキティーグッズは、台北駅や高雄駅などにある台鐵グッズショップ「夢工場」でも購入できます。 ポストカード、ステッカー、クリアファイルといった手頃な物から、台鐵車掌の制服を着たキティーちゃんのぬいぐるみやスマホケースなど。 さまざまなグッズがラインナップされています。 グッズの種類は運転開始当初よりも徐々に増えつつあるので、今後も多くのキティーグッズが追加されるかもしれません。 |
車体側面にラッピングされたキティーちゃんは、世界一周旅行がテーマになっています。 1号車は、台北や台湾西海岸側の観光地をめぐる旅。 2号車は、日本と中国をめぐる旅。 3号車は、オーストラリアとニュージーランド。 4号車は、ヨーロッパ各国。 5号車は、アフリカ大陸。 6号車は、アメリカ合衆国。 7号車は、南極と北極。 8号車は、台湾の東海岸線沿いの観光名所。 各国の観光名所を訪れるシーンや、民族衣装に身を包んだキティーちゃんがいたりして、その全てを写真に収めて記念撮影したくなるほど凝ったものになっています。 ところどころにエバー航空のキティージェットが飛んでいるのは、ご愛嬌。 「新太魯閣HELLO KITTY彩繪列車」の乗車レポートは、ブログをどうぞご覧ください。 台湾に行ってきました 〔2016年8月〕 その9:台湾の夜は超可愛凱蒂猫瘋狂的晩上 台湾に行ってきました 〔2016年8月〕 その10:台鐵の座席指定システムがヤヴァイ件 台湾に行ってきました 〔2016年8月〕 その13:太魯閣自強426次 花蓮→玉里→知本 台湾に行ってきました 〔2016年8月〕 その14:知本駅で太魯閣キティー特急を撮影 台湾に行ってきました 〔2016年8月〕 その15:太魯閣自強441次・自強435次 知本→台北 |