非電化区間の東部幹線および南廻線をメインステージに走る「自強号」用の気動車。 「自強」号の輸送量増強と高速化によって、新形式車両が作られ、数多くの車両が製造されました。 現在、DR2800系・DR2900系(DR3000系)・DR3100系の3タイプが活躍中です。 いずれの車両も日本製のディーゼルカー。 東部幹線の電化区間延伸が進捗するまでは、しばらくこの3系式の大車輪の活躍が見られそうです。 |
1982年に登場したDR2800系。西部幹線で大活躍していたEMU200系電車のディーゼルカー版として製造されました。 製造メーカーは東急車輛。東急車輛は1966年に特急「光華」号用のDR2700系の製造も担当しています。 車内は台湾仕様になっていますが、壁面やリノリウムの床面などに、どことなく日本の「国鉄型特急」の面影が感じられます。 座席はリクライニングシートで、シートピッチは1,000mmを超えるワイドサイズ。日本の特急グリーン車並みの居住性です。 背面を倒すと、それに連動して座面がスライドしながら前方が持ち上がる、座面チルトタイプ。 足元にはTバータイプの跳ね上げ式フットレストが装備されています。 座席周りにテーブルはなく、窓下に唯一ドリンクホルダーがあるのみ。座席背面にはチケット差しとポケットが付いています。 客室中央には中華風の円形ゲートがありますが、これはただの飾りではなく、中には床下から天井へと排煙管が通されています。 車内には「緊急脱出口」が設けられていて、この部分は座席が設置されていないので、座席前後が異様に広くなっています。 緊急時に脱出のために窓ガラスを割るためのハンマーも、客室壁面内にセットされています。 編成は3両で1本として組成されていて、台北方の先頭車の運転席脇には前面展望が可能な座席が2名分設置されています。 通常は3両を2本つなげた6両が基本編成となり、3両ごとに増結して9両・12両、最大で15両編成で運転されています。 |
東部幹線の輸送量増強のために、1986年に登場したDR2900系。 DR2800系の基本仕様をそのままにマイナーチェンジが施された車両ですが、製造元が東急車輛から日立製作所へと変更されています。 そのため外観が、裾絞りで曲線的なDR2800系に対して、DR2900系では直線的で力強いイメージに変わりました。 南廻線の開業に伴い、1989年に製造されたDR3000系は、DR2900系とほぼ同一性能で日立製作所が製造を行いましたが、 座席定員などに変更が生じているため、新たにDR3000系という新形式が与えられました。 こちらの画像で紹介しているのはDR3000系の客室内。 壁面が木目調パネル、床面も座席部分は茶系統(通路部分は赤)となり、全体的に落ち着いた雰囲気が好印象。 座席はリクライニングシートですが、座面チルト機能はなく、単純に背もたれが倒れるだけとなっています。 足元のフットレストは高さ調節が可能となっています。 シートピッチは1,000mm以上の広さを確保。リクライニング傾斜量の大きさともあいまって、日本の特急グリーン席並みの居心地です。 |
1998年に東部幹線の輸送量増強と、E1000系PP電車並みの居住性を備えた車両として製造されました。 DR3000系の増備車両として計画されましたが、今度は製造元が日立製作所から日本車輌へと変わったため、多くの仕様が変更に。 新たにDR3100系という形式が与えられています。 正面デザインが大きく変わり、軽快なフロントマスクとなったので一般の人にも「新型車が来た」と分かりやすくなっています。 車内は「E1000系電車のディーゼルカー版」を目指しただけあって、E1000系の居住性に近づけられています。 DR2800系・DR2900系と比べると、車内が明るくて軽快な雰囲気です。 車内が広く感じられるのは、DR3100系では客室中央の中華風のアーチがなくなったのが理由かもしれません。 床下と天井をつなぐ排煙管がコンパクトに壁面に通せるようになったので、この部分にも座席が設置されています。 この区画は窓サイズが若干スポイルされるのと、壁からの出っ張りが窓側席にやや干渉するので、ハズレ席かも。 座席はE1000系車両に搭載されているものと同じタイプのもの。リクライニングはけっこうな深さまで倒れます。 シートピッチは、これまでの自強用車両と同様に1,000mm以上の広さを確保したワイドピッチ。 DR2800系の総数45両、DR2900/3000系の総数102両と比べて、DR3100系は総数30両と少なめ。 もし旅先で出会えたら、ちょっと幸運かもしれません?! |