JR東日本 24系25形 寝台特急「出雲」
JR-EAST Series24-type25 Sleeper Express Train "IZUMO"


 1951年11月 東京−大社間の夜行急行に「いずも」の愛称を付与。
       東京−大阪間は「せと」と併結運転。
 1956年11月 「いずも」から「出雲」に改称。「せと」との併結運転終了。
 1972年3月 夜行急行から寝台特急に格上げ。車種は20系客車を使用。
 1976年10月 車種を24系25形に変更。A寝台個室も連結開始(のちの「シングルDX」)
 1978年10月 寝台特急「いなば」を「出雲」に改称。「出雲」は2往復化。
 1986年11月 1・4号は品川運転所、2・3号は出雲運転区に客車受け持ちが変更。
 1987年3月 1・4号にグレードアップ客車(食堂車)の連結を開始。
 1991年3月 2・3号にA寝台個室・B寝台個室の連結を開始。
       1・4号は食堂車の営業を終了し、売店営業に変更。
 1994年12月 1・4号の客車受け持ちが品川運転所から尾久客車区に変更。
 1998年7月 285系「サンライズ出雲」運転開始に伴い、2・3号は廃止。
       「出雲」の売店営業終了。食堂車はフリースペースとして残存。
 2006年3月 客車「出雲」廃止。愛称は「サンライズ出雲」に引き継がれる。
 
 (撮影時期:2005年)







A寝台1人用個室 シングルデラックス A寝台1人用個室 シングルデラックス / A-class sleeper compartment for 1 person "SINGLE DX"

 
 

東海道ブルートレインの花形設備であったA寝台一人用個室の「シングルデラックス」。
出雲号は、廃止のその日までこの「シングルデラックス」を連結して走り続けました。

「富士」や「はやぶさ」など、JR九州受け持ちの列車の「シングルデラックス」は、リニューアルで壁面が木目になったり、
寝台のモケットがドーンデザイン柄に張り替えられるなどで、以前とかなり雰囲気を異なるものにしていましたが、
この「出雲」ではリニューアルの手もそこまで入らず、登場時の姿をかなり残していたことから、コアなファンに人気でした。

室内はソファーベッドに収納洗面台になるテーブルなど、基本的な部分は30数年前の登場時からほとんど変わっていません。
壁に掛けられたプラコップも、まるで“古きよき時代”のままタイムスリップしてきたかのように健在。
アメニティキットの配布はありませんでしたが、「出雲」のヘッドマークが印刷されたタオルが配布されていました。








B寝台 B寝台 / B-class sleeper


A個室以外の寝台車は全て開放型のB寝台で構成され、B個室「ソロ」や「デュエット」は連結されていませんでした。
(サンライズ化される前の「出雲2・3号」はJR西日本受け持ちで、「ツイン」「シングルツイン」などを連結していました。)
こちらB寝台も、カーテン交換で明るい柄になっているものの、素っ気無いモケットの寝台などは実に古めかしい印象。
号車によってモケットの色を変えているということも無く、全車両がこの茶色いモケットを纏っていました。

JR化後のJR東日本の受け持ちとなった東海道ブルートレインは「あさかぜ1・4号」とこの「出雲」の2列車でした。
ブルートレインの集客活性化策として「あさかぜ1・4号」のグレードアップが計られ、B寝台はこの時にリニューアル。
「出雲」用客車も同時にモケット張替えやカーテンの交換などのリニューアルが行われ、これが最後の日まで走りました。








フリースペース 旧食堂車(フリースペース) / LOBBY SPACE


「出雲」号の食堂車は1991年で営業終了となっていましたが、食堂車そのものは外されること無く、最後まで連結されていました。
食堂のホール席がフリースペースとして開放されていて、ロビーカーやサロンカーのような設備となっていました。
この車両自体は、博多まで走っていた「あさかぜ1・4号」用のグレードアップ車両と同時に誕生した車両。
「スターダスト・ラウンジ」と呼ばれたこの車両は当初「あさかぜ」で使われていましたが、
後にオリエント急行のダイニングカーをイメージした「レトロ・ロマン」車両が登場すると、この車両は「出雲」へとコンバートされました。

壁には星空が描かれ、天井はカットグラスのような飾り天井と鏡面材が張られ、照明にはシーリングスポットライト。
レトロな雰囲気に改造された食堂車が多かった中で、全体的に金属質でクールな独特の雰囲気を持つ食堂車でした。

連結面側の客席がサロンのようなソファー席となっていたほか、パントリー側には飲料の自動販売機が設置されていました。
さらに連結面側の外にはソファーコーナー(以前の待合スペース)と電話コーナーがありました。








洗面台/トイレ デッキ  洗面所・サニタリースペース・乗降口・デッキ / TOILET・SANITARY SPACE・ENTRANCE・DECK SPACE


洗面台やトイレはけっこうリニューアルの手が加えられていて、洋式トイレも設置されていました。
このあたりは、古い洗面台が末期まで残っていたJR九州持ちの「富士」などとは対照的です。








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