JR東日本 D51-498 + 12系客車 SL奥利根号・SLみなかみ号

 

JR東日本エリアで一番最初に復活を遂げた動態保存の蒸気機関車「D51形」の「498号機」。

1940年に兵庫の鷹取工場で生まれ、1972年に車籍抹消となるまでの約30年間、各地の機関区に転属を繰り返しては活躍していました。
車籍抹消後は、上越線の後閑駅にて保存が決定。
国鉄がJRへと生まれ変わると、JR東日本では地域活性策の1つとして蒸気機関車の復活の検討が始まりました。
そこで保存状態の良かったD51-498に白羽の矢が立てられ、1988年12月に来日中だったオリエント急行最終列車の牽引で復活。

その後は、ホームベースの上越線での運行を主に、JR東日本エリア各地への出張運転も頻繁に行われるようになりました。
復活当初はD51-498に牽かれる客車は旧型客車が使われていましたが、その後は12系客車がD51にお供することが定番に。

過去にはごく在り来たりな存在だった12系客車も、現在では日本中にも僅かに残るばかりとなり、
SL運転の目玉であるD51-498と共に、12系客車も国鉄時代の面影を残す貴重な存在として走り続けています。










普通車















SL列車として一般人にも有名な「SLやまぐち号」や「SLばんえつ物語号」でも12系客車が使われていますが、
これら列車は大掛かりな改造を施したレトロ調インテリアを売りにしていますが、「SLみなかみ号」の12系客車はほぼ原型のまま。
ある意味「リアルに古い」ままで、レトロ調を謳わずとも「まんまレトロ」と言えるかもしれません。
(ファン的見地での見方であって、フツーのお客からすると飾り気が無くてちょっと盛り上がり感に欠けるのかも・・?)

ブルーのモケットが鮮烈なボックスシートが車内の隅から隅まで並び、このスタイル以外の座席はありません。
ボックス間のシートピッチは1,580mm。12系客車は登場時からこのピッチですが、今座ってもけっこう広いと感じます。

窓間には帽子掛けのフック。形状がかつてよく見られたタイプで、こんなところでちょっと懐かしい思い出が蘇ってきそう。


 急行形として開発された12系は、窓側にも肘掛が設置されている。
 窓下には台形のテーブル。あまり大きくは無いので、通路側席の人には使いにくい。
 妻面壁にの広告枠の一部には、D51-498についてのミニ知識が書かれている。
 窓の上下レールにはストッパーが嵌められているので、下窓はほんの少ししか開かない。
 端部に接する席はデッキ仕切りドアに当たるため、座席の幅が狭くなっている。(画像左が端部席)
 一部の車両には製造メーカープレートが残されている。
 昭和53年製造の車両は、12系の中でも最終増備グループ。
 車内の温度計。ほとんどの車両がデジタル式だが、一部車両にこんなのが残されている。
 車内販売は基本的に全区間で乗務。グッズの種類も豊富で、車内での品定めも楽しい。







洗面台 デッキ 運転室






    







    






サニタリースペースは、全てリニューアルが施されていて、原型の古めかしさは微塵も残っていません。
トイレは全車両が「洋式トイレ」に改造され、一部には「女性専用トイレ」も設置されています。
洗面台はセンサー式の自動出水タイプになっています。
また、洗面台にはエアーが噴き出す乾燥機(エアタオル)も設置されていて、原型を保った客室とは対照的な程に手が加えられています。




































【オマケ】 かつて「D51-498」で運転された列車の画像と、運転告知のチラシをご紹介します。
各地へ出張運転されているD51-498は、東北地方から甲信地区、さらには首都圏でも運転された経歴があります。






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