車内は、(EXE+VSE)÷2 といった雰囲気で、通勤型特急車にVSEの観光要素をミックスさせた感じです。 VSEでは車内の至る所で木製パーツがふんだんに使われていましたが、MSEでは地下鉄乗り入れの規制があるためか、 木製の代わりにアルミ合金が使われているのですが、部分によっては安っぽい素材が使われているのがちょっと残念。 シートピッチは983mm。EXEの1,000mmよりも狭いですが、座席の背もたれを薄くすることで足元をEXEより広くしたのがポイント。 シート全体のフォルムは、VSEのカジュアルさを踏襲したようで、両者をデザインしたデザイナーのこだわりでしょうか。 座席はかなり固いです。バックレストも座面も、クッション材に包み込まれるような感じが全くありません。 正直なところ、近郊通勤型電車のボックスシート並みの座り心地しか感じられないような気がしました。 確かに足元の広がりは感じられますが、リクライニング量も少ないため、「寛ぎ」には程遠いような感じです。 VSEの座席で見られた後方への座面チルト機構は、MSEでは採用されていません。 ただ、座面の基本設計はVSEと同じなのか、チルト機構が無い分、お尻の奥のほうにスカスカ感があり、落ち着かないようです。 座席はテーブル展開状態で回転できるようですが、これは利用者には何のメリットもないですね。 (おそらく車内清掃や、折り返し運転時の座席自動回転をスムーズに行うための、運行側のメリットだと思います) そのため、テーブルがなんとも中途半端なサイズになってしまい、あまり使い勝手が良いとは言い難いようです。 「A4ノートパソコンが置ける」というのがウリのようですが、置くことはできてもキーボードを打つのには不安定そう。 休日の「メトロはこね」号の車内でお弁当を食べる機会も多そうですが、実際弁当がテーブルから落ちそうでヒヤヒヤでした。 「メトロさがみ」や「メトロホームウェイ」の比較的近距離を走る「通勤特急」としてのグレードは感じられますが、 行楽気分で乗る「メトロはこね」で2時間を過ごすには、このシートではかなりキツいと感じました。 車内全体の雰囲気はイイので、座席がせめてEXE並みのクッションが効いたシートだったら・・・・と強く思いました。 |
3号車と9号車には、カウンターでの対面販売を行うカフェコーナーが設置されています。 このカフェコーナーとワゴンによる車内販売は休日の「メトロはこね」のみでの営業で、それ以外の列車ではクローズ。 カフェコーナーには飲料の自動販売機は併設されていて、この自販機は全列車で使えるようになっています。 カフェコーナーの内部は、VSEの「ロマンスカーカフェ」にも匹敵するくらいの設備が整っているようです。 カウンター下には、ショーケースがあり、いろんなグッズをあれこれ見ながら買い物ができます。 カフェコーナーの一角には「AED(自動体外式除細動器)」が設置されていて、 車内で心疾患を起こしたお客さんに対して、迅速な救命活動が行えるようになっています。 |
デッキはVSEのようなヴォールトルーフになっていて、開放感があります。 間接照明なども凝っていて、「通勤特急」としてはかなり上品な雰囲気が漂います。 客室とデッキを仕切る扉はテーマカラーである「フェルメールブルー」があしらわれて、MSEの個性が強調されています。 東京メトロ線内では乗降扱いするドア(駅到着時に開くドア)が限られているので、注意が必要です。 1・4・5・7・8・9号車のみのドアが開き、それ以外のドアは開かないので、降りられません。 |
トイレは2号車・5号車・8号車に。 うち、5号車と8号車には車椅子・オストメイト対応の「ゆったりトイレ」が配備されています。 洗面台には「のれん」が掛かり、MSEのロゴがワンポイントとしてさりげなくプリントされています。 |
運転室背後はガラス張りになっているのですが、展望席とは言い難い眺望しか期待できません。 |
流線型の先頭車にも非常ドアが装備されていて、先頭部分も異常時の避難経路となっています。 |